Nakamu視点
na「スマイル大丈夫?」
sm「あ…あぁ……」
na「大丈夫じゃないじゃん」
kn「明日からどうするよ」
そう、俺らは明日からJ国との長期間にわたる外交で1ヶ月弱国を空けなければならない。J国からは「是非とも幹部全員で来て頂きたい」と、言われている。幸いにも俺らには結構優秀な部下がいたので、言われた通りに全員で行くつもりだった。
が、外交前日スマイルが高熱を出した。スマイルは元々、大事な予定の前は体調を崩しやすい体質だったので、予想できた事だったが、ここまで酷くなるとは思ってもみなかった。
仕方がないので外交は俺ら五人で行く事にし、スマイルが治るまで仕事をしないように医務室に隠しカメラを取り付け、医療担当のきんときのスマホに定期的にカメラの映像が送られるようにした。
翌日
na「じゃあ行ってくるからね、スマイル」
br「なんかあったら医務室の前に居る見張り の兵に言うんだよ?」
kn「あと、完全に治るまで仕事しちゃダメだ からね?」
sm「わかっ……てる…みんなも…気を付け… てな……」
kr「お前は自分の心配してろ」
sha「じゃ、よく寝て早く治すんだぞ」
そう言って俺らはJ国へと向かった
スマイル視点
みんなが出掛けてから12時間ほどたって、俺の体調は急に良くなった。なんて都合の良い体なのだろうか。
アイツらがこっそり隠しカメラを付けていることは知っていたので、カメラに体温計の数字を映しておいた。どうせきんときに送られているのだろう。
さすがに一日では動けない事はわかっていたので、平熱の状態だったが、十日間は医務室で過ごした。
するときんときから「さすがにもういいよ、仕事もやって貰わないと困る。けどまたなんかあったら連絡して医務室戻れよ?」とメールがきた。
俺はそれを見張りの兵に見せ、部屋へ戻り、仕事をした。
仕事に戻ってから1週間ほど経ち、Nakamuからメールがきた。外交は無事に終わり、明日の夜には帰れるそうだ。
明日……夜か……
次の日、俺は町へ降りた
今日は仕事は終わらせていて特にする事は無かったのでみんなにお礼の一つぐらいしようと思い、果物屋でブルーベリー、ラズベリー、いちごなどを買い食堂へ行った。
まず、タルト生地材料の薄力粉、1cm角に切った無塩バターをフードプロセッサーに入れ、低速で混ぜる
次に牛乳に溶き卵を合わせたものを加え、生地がまとまるまで低速で混ぜる
生地がまとまったらボウルに移して手で軽く押しながらまとめ、まとまったらラップに包んで冷蔵庫で30分寝かせる
台の上にオーブンシート、生地、オーブンシートの順で置き、生地を伸ばす
型に生地を密着させ、余分な生地は切り落とし、足りない箇所には切り落とした生地を付け足し、ラップをして冷蔵庫で30分寝かす
兵「スマイル様?」
sm「ん?あぁ、お前か」
兵「何をなさっておられるのですか?」
sm「今日の夜みんなが帰って来るらしい。ア イツらがには迷惑をかけたからお詫びに と思ってな」
兵「料理がお得意なんですか?」
sm「別に得意ではない。ただアイツらだから どうせ腹を空かせて帰って来ると思って 料理を選んだだけだ。」
sm「あぁ、後、情報管理室の俺のPCの上にJ 国の情報をまとめた書類を置いておいた から、Nakamuに提出しておいてくれ」
兵「承知致しました、では私はこの辺でお邪 魔しました。」
彼はそう言って去てった。
さて、続きをやるか。
アーモンドクリーム材料の常温にした無塩バターをボウルに入れてゴムベラで練り、粉糖を2回に分けて加えて都度混ぜる
寝かせておいた生地を取りだしてピケし、オーブンシートを被せてタルトストーンをのせ、200℃に予熱したオーブンで25分焼く
粗熱が取れたらアーモンドクリームをのせ、180℃に予熱したオーブンで20分焼く
アプリコットジャムと水を合わせて中火にかけ、半量になるまで煮詰めてナパージュを作る
冷凍したベリーをキッチンペーパーなどの上にあけて自然解凍しておく
生地が焼きあがったら型ごとケーキクーラーの上に置いて粗熱をとる
生地を型から外して作っておいたナパージュを表面に少し塗る
自然解凍しておいたブルーベリーとラズベリー、いちごをのせて残りのナパージュを表面に塗って完成
昔、お母様にインドア系の事はなんでも出来るようにしておけと言われていたので、料理の知識はあった。
小さめのメッセージカードに
“お疲れ、迷惑掛けて悪かった町で買って 来たからお腹空いてたら食べろ。甘さは 控えて貰ったからシャークんでも食べれ ると思う”
と書き、俺は部屋に戻った。
Nakamu視点
na「あぁ〜帰ってきたぁー」
br「小腹減ったぁ〜」
kn「結構豪華な夕食貰ったんだけどね、帰っ て来るのに時間かかったから」
kr「食堂で冷蔵庫漁ってみようか」
kn「スマイルは?」
sha「寝てんじゃね?」
na「俺もそう思う」
kr「先にスマイルの部屋寄って行こうか」
きりやんの意見に賛成し、俺らは全員でスマイルの部屋に行った
na「スマイル?居る?スマイル?」
中から返事は無い
na「返事が無いから入るよ?」
部屋に入るとスマイルは掛け布団の上からうつ伏せで寝ていて、顔面がふとん埋もれている状態だった
br「スマイル面白〜い」
na「めっちゃ疲れてんじゃん」
sha「どうやって呼吸してんのスマイル」
きんときにスマイルを持ち上げて貰ってスマイルを正しい状態でベッドに寝かせた
kn「スマイル軽っ!」
kr「だってスマイルだもん」
kn「そっか、スマイルだからか」
意味わからん会話をしながら俺らは食堂に向かった
br「えぇ、何?このタルト」
na「めっちゃ美味しそう」
kn「スマイルが買って来たらしいぞ」
きんときが俺らに一枚のメッセージカードを見せてきた
br「あはっ、何それw」
na「まぁいいや!早く食べよ!!」
お皿とナイフを出してタルトを5等分し、いただきますと、一口目を口に入れた
na「めっちゃ美味い!!!!」
サクサクの生地と甘すぎないクリームに甘酸っぱいベリーがアクセントを出し、バランスのいい味が口いっぱいに広がった
二口目に行こうとしたところで、声を掛けられた
兵「あれ?皆さん?」
na「ん?あ、君か、何か用?」
兵「おかえりになられていたんですね。こ れ、スマイル様からNakamu様へ提出し て欲しいと預かっていた書類です。J国の 情報だそうです。」
na「ん、ありがとう」
兵「スマイル様のお料理はいかがでしたか? 私が昼間に見た時はパイ生地しかなかっ たのですが、こんな美味しそうなパイに 仕上がっていたんですね」
えっ?
全員-ス、兵「えっ?」
兵「はい?」
na「まった、これスマイルの手作りなの?」
兵「ええ、皆さんに迷惑を掛けたお詫びと言 っておられましたよ?」
俺ら全員と目を合わせた全員目を丸くしていたが、状況はすぐに理解した
na「ありがと、いいこと聞いた」
俺らはそう言ってスマイルの部屋に走っていき、さっき寝かせたスマイルの上へ飛び乗った。スマイルは
sm「ぐはっ!」
sm「いってえな、帰ってたのかよお前ら」
と、迷惑そうに起きてきた
br「スマイル〜隠さなくてもいいんだよ〜?」
sm「は?何のこ…と……」
スマイルは心当たりを見つけたのか、言葉が詰まった
sm「まさか、タルト?」
na「そう!タルト!あれスマイル作ったんで しょ?!」
sm「っ……なんで分かったんだ?」
sha「兵に教えて貰った」
sm「は?あいつ……」
kn「まぁまぁ、何も知らなかった奴に言って もしょうがないでしょ?」
na「スマイルはさ、良いとこいっぱいあるん だから恥ずかしがる必要なんてないんだ よ?」
sm「は?別に恥ずかしがってる訳じゃねえ し」
そう言ったスマイルはちょっと嬉しそうに頬を赤らめていた
br「また作ってよ!スマイル!!」
sm「ん……考えとく…」
スマイルは布団を頭の上まで被った
END
コメント
7件
この物語?短編集?を見てると自然と笑みが、w
ほんとスマさん照れ屋だな〜w
そのタルト食べたい..()