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「…(涙 流」
「なにかあった…?」
「ななに…」
「っ…!」
おにいちゃん、ううん
ななにぃがはっと息をのんだのがわかった
「声…だせるの…?」
「ん…すこし……だけ…けほっ」
よかったって何度も言いながらぎゅっと抱きしめてくれた
まただ、またあの記憶だ
「ななにっ…」
「ん?」
「つら……かった……」
「くるしかった……」
感情のままに言葉を吐き出す
辛くて苦しかったあの記憶
抱きしめられると、助けられたその時を思い出す
まるでその時と、それ以前で記憶が綺麗に分かれているように別のきっかけがまたあるんだ
「大丈夫だよ…」
「もうおれがそばにいるから…」
「ごめん…ごめんね…」
「莉犬くんはなにもわるくないから…」
優しく優しく、何度も頭を撫でてくれる
もう大丈夫だよって欲しい言葉をくれる
なにも大丈夫じゃないのはわかってる
体だって動かない
声だってまだ上手く出せない
PTSDだって診断も受けた
入院だってまだ続いてる
退院の目処も経ってない
だけど、ななにぃに大丈夫って言われるとほんとに大丈夫な気になるんだ
大丈夫なんだって思える
安心していいんだって思えるんだ
苦しいし生きるのやめたくなるけどがんばるよ
…ななにぃがいてくれるから。