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富来 えび
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富来 えび
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みぅです🤍🥀 第三十章、読みました! もうね、景虎様が単騎で城門の前に座り込んで酒盛りしてるとか、カッコよすぎるでしょ……「逆賊を見ながら飲む酒は上手い」って、ヤンデレの私から見てもその余裕、尊いです。 そして雷にビビる氏康様の「ぴゃっ……」がめっちゃ可愛くて、思わずニヤけちゃいました。笑 戦の緊張感の中にこういうギャップが散りばめられてるのが琴寧さんの真骨頂だなあって。 開幕早々「もうめちゃくちゃだ」って北条兵が嘆いてるの、読んでるこっちも同じ気持ちになりました(笑) でもそれが面白い! 次の展開、すごく気になります……!
ーーーーー
「御館様、包囲完了いたしました」
長尾政景からの報告に、長尾景虎は静かに頷いた。
「うむ……あとはじっくりと待つだけであるな……」
そう言うと、景虎は何やら思いついたように立ち上がる。
「ちょっと出てくる」
「え……と……御館様???
どちらへ……ちょっ、御館様ーーー!」
政景の制止も聞かず、景虎はいそいそと陣を離れていった。
ーーーーー
小田原城内。
「申し上げます! 城の前に長尾景虎が座り込んでおります!」
兵からの報告を聞いた北条氏康は、思わず耳を疑った。
「……なに?」
その頃、城門の前では――
景虎が酒を注ぎながら、少し離れた場所から城兵たちを眺めていた。
「ぐびぐび……」
やがて城内から景虎を確認した氏康の顔が険しくなる。
「💢💢 舐めた真似を……撃ち殺せ!!」
「はっ!」
兵たちが一斉に弓と鉄砲を構える。
「鉄砲隊、弓隊! 一斉に放てーーー!!」
ババババン……!
シュンシュンシュン……!
無数の弾丸と矢が景虎の周囲を飛び交う。
しかし――当たらない。
景虎は何事もなかったかのように酒を飲み続けていた。
「ぐびぐび……逆賊を見ながら飲む酒は上手いなあ~」
「……神仏の加護でも受けておるのか、あやつは……」
氏康は額に手を当てる。
「しっかり狙え!!」
景虎はさらに酒を口に運ぶ。
(全然当たらないな。まあ、ぎりぎり当たらないところにいるから当然だが)
「ぐびぐび……うまい」
「なんでだ……なんで当たらないんだ……😭」
「単騎で来て酒飲みに来ただけとか……頭おかしいんか、あいつ……」
北条兵たちの困惑は深まるばかりであった。
ーーーーー
一方、連合軍の陣では――
「えっ?! 景虎殿がひとりで出ていった?!」
方円が驚いて聞き返す。
「はっ。間違いございません」
伝令兵が答えると、方円は少し考えた。
「まあ……景虎殿のことですから、何か考えがあってのことでしょう」
そして、伝令兵へ優しく告げる。
「心配なら、こっそり様子を見てきたらどうです?」
「はっ! そうさせていただきます!」
伝令兵は急いで陣を出ていった。
「……本当に何をするつもりなのやら」
方円は苦笑する。
ーーーーー
その頃、海上では――
「海の上は暇じゃのぉー」
里見義堯がのんびりしていると、遠くから矢が飛んでくる。
シュンッ!
「おっと……ここまで飛んできたか」
義堯は槍を振るい、飛来した矢を弾き落とす。
「少し煽りに来たとはいえ、死んでは元も子もないからのぉ」
そう言って海面を眺める。
「もう少し距離を取った方がよいな……少し下がれー!」
「おう!」
里見兵たちが一斉に後退する。
北条側からそれを見ていた北条幻庵は、思わず感心した。
「すぐに距離を取ったか……判断が早い……のお……」
その瞬間――
里見兵たちが一斉に尻を叩く。
「おしりペンペン! 笑」
「…………💢」
幻庵の顔が引きつる。
その横では北条綱成が大笑いしていた。
「はははは! 面白いやつだなwww
ちょっと俺も単騎で行ってくるわ!」
「勝った勝ったー!」
「待て待て!!」
北条兵たちが慌てて綱成を取り押さえる。
「ひとりで川越夜戦の再現をしようとするなーーーー!!!」
その騒ぎを見ながら、多目元忠が呟いた。
「……連合軍は、煽りの天才なのか」
(手紙で煽る方円殿。
単騎で酒を飲みに来る景虎殿。
わかりやすい挑発をする里見殿……)
「とりあえず、出るのはやめましょう。
どう見ても罠では???」
綱成は渋々腰を下ろす。
「わかったよ……もう少し様子を見るか……ちぇっ」
その瞬間――
ピャーーン!!⚡⚡⚡⚡
突然、雷鳴が轟いた。
「ぴゃっ……」
氏康が小さく飛び上がる。
そしてすぐに咳払い。
「……こほん。
武者震いじゃ。はっはっは……」
「…………^^;」
兵たちは誰も何も言わない。
「そうですな。何も見ておりませんし、何も聞いておりません」
別の兵も笑顔で頷いた。
「はっはっは……」
多目元忠も空を見上げる。
「……晴れているのに雷。
青天の霹靂ですな、はっはっは」
「いやぁ……もう、いきなりめちゃくちゃだよ……」
氏政は苦笑しながら茶を飲む。
風魔小太郎は、ちらりと氏康を見る。
(殿はまだ雷が怖かったのか……笑)
一方、幻庵も心の中で呟いていた。
(氏康め……兵に気を使わせおって。
まだ雷が駄目とはのお……)
ーーーーー
しばらくして――
「むっ……酒がもうないではないか」
景虎は空になった酒器を眺める。
「……まだ逆賊を見ながら飲みたかったのに。
仕方ない、帰るか……」
そこへ、様子を見に来た伝令兵が駆け寄ってくる。
「?! 何してるんです御館様!
さっさと陣へお戻りください!」
「今帰ろうとしていたところだ」
景虎は立ち上がり、何事もなかったかのように手を振る。
「帰ろ、帰ろ」
「……」
城内からそれを見ていた氏康は――
「💢💢」
ーーーーー
一方、連合軍武田陣地。
「こちらも少し威嚇してやりますか」
方円が北条側の櫓を指差す。
「では、あの櫓に向けて――鉄砲隊、放て!!」
「はっ!」
バババババン!!
突然の轟音が響き渡る。
「ぎゃーー!」
北条兵たちが慌てて逃げる。
「今度はなんだ?!」
幻庵が驚いていると――
「へへへへ!」
元山賊の頭が笑いながら叫ぶ。
「全員、一斉に射程外へ下がれー!」
「へへへ! 逃げろ!」
下っ端たちも楽しそうに後退していく。
氏政は呆れながら呟く。
「雷の次は鉄砲の爆音だね……笑」
「若……そんな呑気な……」
小太郎が呆れたように返す。
北条兵の一人は、すっかり疲れ切っていた。
「戦始まったばっかなのに、俺はもう疲れたよ……」
すると別の兵がぼそり。
「てか今読んでる読者もついていけてねえだろ、これ……笑」
「……読者?」
幻庵が首を傾げる。
「読者……とは……誰じゃ???」
氏康も真顔で考え込む。
「たしかに……そういう名前のやつがおるのか???」
「めちゃくちゃだなあ……」
氏政は茶を飲みながら苦笑する。
その様子を見ていた多目元忠が静かに口を開いた。
「殿……幻庵様……深く考えない方がよろしいかと」
そして戦場へ視線を戻す。
「しかし……どう見ても、向こうに流れを掴まれてしまっておりますな……」
小太郎がため息をつく。
「前も思ったが……なんでお前はそんなに冷静でいられるんだよ……」
元忠は淡々と答えた。
「煽りに乗っては、軍師は務まりませんから」
「むう……」
綱成が遠くを見ながら唸る。
「射程外に逃げられたせいか、こっちも攻撃を当てられねえじゃねえか」
そして再び立ち上がろうとする。
「やっぱり出て――」
「ダメに決まってるだろう!!?💢💢」
北条側の全員から一斉に怒声が飛ぶ。
「えええ……冗談じゃねえか。
そんな怒らなくても……」
北条兵は遠い目をする。
「あー……さっきも言ったが……」
「開幕早々、本当にもうめちゃくちゃだ……」
「ついていけねえよ……」
連合の煽りの罠を、多目元忠の冷静さで何とか回避した北条家。
しかし――
包囲戦は、まだ始まったばかりである。