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side：shr.
どこにいても、何をしていたとしても
君のことばかり思い出して
今日も、大人しく苦しんでる。
告白したわけでも、振られたわけでもない
なのに、なんでこんなにも苦しいんだろう。
それはたぶん、わかってるから
君にとって俺は、ただの親友
それ以上でもそれ以下でもない
そんなこと、わかりたくなかった
「しょーり！」
優しく明るい声で俺の名前を呼びながら
君は俺のすぐ隣に腰を下ろす
「今度さ、一緒にご飯食べたい！」
「…しょーり、どうしたの？」
そんな風に、優しくしないでよ
「どうしたの？」なんて聞いてこないでよ
なんにも知らないくせに、
他の誰でもない、聡のせいで、こんなにも
こんなにも苦しんでるのに
なんて言えるわけもなく
俺はいつも通り
「なんでもないよ」
「僕みたいな人って
たくさんいそうじゃない？」
俺にとっては、聡は聡で、代わりがいるなんてこと思ったことない
もしいたとしても、俺は聡がいい
なんで聡がいいのかは、わからないけど
わからないままでいたい
きっと、また苦しむことになるから
目が合っただけで、手が触れただけで
「もしかして」なんてバカな期待をして
きっとなんの意味も持たない仕草なのに
分かってるのに、振り回されてしまう
「んー！これおいしい！」
「俺のも食べてみる？」
「え、食べたい！いいの？」
「うん、どうぞ」
「ありがとー、いただきます」
「ん、こっちもおいしい！
…なんで笑ってるの？笑」
聡の笑顔にまた、振り回されて
そんなことも知らずに君は
「なんで笑ってるの？」って、
全部、聡のせいだって
なんて言えるわけもなく
俺はいつも通り
「え？笑ってたかな？」
「しょーりに相談してよかった！
しょーりしかこんな事話せないし、笑」
君の友達ランキングだったら
俺はナンバーワンを取っているんだろうか
もしも「親友に抱く感情が好きに近い」が
本当だとすれば、君は僕を
また同じ”たられば“を繰り返して
”友達“という肩書きを背負って
なんとかギリギリ聡の隣にいられる。
何かしらの間違いでもいいから
聡が俺のものになってほしい
そんな願いが叶うはずもなく
君への思いを忘れられることもなく
また1人で大人しく苦しんでる
もう、ずっとそのまま優しくしといてよ
ずっとこのまま苦しませてよ
「しょーり、どうしたの？」
「なんでもないよ」
俺はもう、どうしようもないくらいに
聡のことが好きで、聡がこの思いに気づいて
俺から離れていくよりも、こうしてずっと
苦しんでいる方が、まだ楽なのかもしれない
でもいつか聡も俺の思いに気づくことだろう
君が俺の気持ちを知るのはいつになるかな
〖𝑒𝑛𝑑〗
