※注意 オーター→先天性女体化設定
ツララ→男性設定
カルドとオーターは恋人同士。
神覚者達は皆二人が恋人同士だと知っている
若干のツラオタ要素(?)有り
ツララの口調が迷子
↓ 以上を踏まえてお読み下さい。
気温が急激に下がり手袋やマフラー、コート、そして温かい物が欲しくなる寒い季節。
「寒い、寒いよぅ。」
魔法局内の廊下にて。
神覚者の一人、ツララがいつも以上に小さな体をガタガタと震わせ立っていた。
「大丈夫ですか?ツララ。」
そこへ偶然通りかかったオーターが後ろから声をかけた。
「全然大丈夫じゃないよぅ。寒い。」
くるっと振り返ったツララが首を横に振りながら答え、その返答にオーターは苦笑しながら会話を続ける。
「今日は一段と寒いですものね。」
「うん。嫌になっちゃう。」
「・・・そうだ。こうすれば温かいのでは?」
「え?ちょっ、オ、オ、オーター!?」
ツララがあわあわと狼狽える。なぜなら、
オーターがツララの目線に合わせて屈みギューと抱きしめてきたからだ。
(わわっ、柔らかくて、温かい。それに何かいい匂いがする。・・・じゃなくて!こんなところカルドに見られたらマズイ!!)
「あの、オ、オーター。」
「何ですか?ツララ。」
オーターがツララを抱きしめたまま返事をする。
「も、もう、大丈夫。十分あったかくなったから。離していいよ。」
「そうですか?では。」
顔を赤く染めたツララが何とかそれだけ口にすると、オーターがスッと体を離した。
「フー。・・・ねえ、オーター。」
「はい、何ですか?」
「僕もね、君より小さいけど一応男なんだよ?こういう事は軽々しくやっちゃダメだと思う。するなら恋人とした方がいいと思うし、誰かに見られてたら変な誤解されちゃうよ?」
ツララのその言葉にオーターはハッとして、頷いた。
「そうですね。良かれと思って行ったのですが・・・すみません。」
眉を下げながらどこか悲しそうな声で言う
オーターに、ツララは慌ててこう続ける。
「で、でもオーターの気持ちは嬉しかったから、そんな顔しないで。あっそうだ!」
ツララは懐から黄色の小さな筒を取り出し、オーターに差し出した。
「はいこれ。」
「ツララこれは?」
「匂い付きのリップクリームだよ。今寒くて空気が乾燥してるから唇が荒れやすいでしょ?だからケアの為に買っておいたやつなんだけど。お礼にオーターにあげる。あ!勿論まだ未使用だから安心して。」
「そうですか。では有り難く頂戴します。ありがとうございます。」
「うん。あ、そうそう。」
匂い付きのリップクリームを受け取ったオーターに、ツララはクイッと腕を引きながら耳打ちした。
「ちなみにそのリップクリームの匂いね、蜂蜜だから唇のケアだけじゃなくて、カルドを誘うのに良いんじゃないかな。」
「なっ、ツ、ツララ!?」
「くすっ、じゃあまたね。」
頬を赤く染めながら慌てるオーターに小さく笑いながら、ツララが手を振って歩き出した。
立ち去るツララのうしろ姿を見つめながら、オーターはまだ赤い頬に手を当てながら見送った。
ーこの時、オーターとツララは気づいていなかった。自分達のやり取りを遠くから見ていた人影の存在に。
コメント
8件
わぁお これだけでも神作品ですね! 続き待ってます!
またまた神作の予感✨