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余裕のない可愛い貴方

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余裕のない可愛い貴方

1 - 天然な温かい抱擁と匂い付きリップクリーム

♥

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2024年10月18日

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※注意 オーター→先天性女体化設定

ツララ→男性設定

カルドとオーターは恋人同士。

神覚者達は皆二人が恋人同士だと知っている

若干のツラオタ要素(?)有り

ツララの口調が迷子

↓ 以上を踏まえてお読み下さい。





気温が急激に下がり手袋やマフラー、コート、そして温かい物が欲しくなる寒い季節。


「寒い、寒いよぅ。」


魔法局内の廊下にて。

神覚者の一人、ツララがいつも以上に小さな体をガタガタと震わせ立っていた。


「大丈夫ですか?ツララ。」


そこへ偶然通りかかったオーターが後ろから声をかけた。


「全然大丈夫じゃないよぅ。寒い。」


くるっと振り返ったツララが首を横に振りながら答え、その返答にオーターは苦笑しながら会話を続ける。


「今日は一段と寒いですものね。」

「うん。嫌になっちゃう。」

「・・・そうだ。こうすれば温かいのでは?」

「え?ちょっ、オ、オ、オーター!?」


ツララがあわあわと狼狽える。なぜなら、

オーターがツララの目線に合わせて屈みギューと抱きしめてきたからだ。


(わわっ、柔らかくて、温かい。それに何かいい匂いがする。・・・じゃなくて!こんなところカルドに見られたらマズイ!!)


「あの、オ、オーター。」

「何ですか?ツララ。」


オーターがツララを抱きしめたまま返事をする。


「も、もう、大丈夫。十分あったかくなったから。離していいよ。」

「そうですか?では。」


顔を赤く染めたツララが何とかそれだけ口にすると、オーターがスッと体を離した。


「フー。・・・ねえ、オーター。」

「はい、何ですか?」

「僕もね、君より小さいけど一応男なんだよ?こういう事は軽々しくやっちゃダメだと思う。するなら恋人とした方がいいと思うし、誰かに見られてたら変な誤解されちゃうよ?」


ツララのその言葉にオーターはハッとして、頷いた。


「そうですね。良かれと思って行ったのですが・・・すみません。」


眉を下げながらどこか悲しそうな声で言う

オーターに、ツララは慌ててこう続ける。


「で、でもオーターの気持ちは嬉しかったから、そんな顔しないで。あっそうだ!」


ツララは懐から黄色の小さな筒を取り出し、オーターに差し出した。


「はいこれ。」

「ツララこれは?」

「匂い付きのリップクリームだよ。今寒くて空気が乾燥してるから唇が荒れやすいでしょ?だからケアの為に買っておいたやつなんだけど。お礼にオーターにあげる。あ!勿論まだ未使用だから安心して。」

「そうですか。では有り難く頂戴します。ありがとうございます。」

「うん。あ、そうそう。」


匂い付きのリップクリームを受け取ったオーターに、ツララはクイッと腕を引きながら耳打ちした。


「ちなみにそのリップクリームの匂いね、蜂蜜だから唇のケアだけじゃなくて、カルドを誘うのに良いんじゃないかな。」

「なっ、ツ、ツララ!?」

「くすっ、じゃあまたね。」


頬を赤く染めながら慌てるオーターに小さく笑いながら、ツララが手を振って歩き出した。

立ち去るツララのうしろ姿を見つめながら、オーターはまだ赤い頬に手を当てながら見送った。



ーこの時、オーターとツララは気づいていなかった。自分達のやり取りを遠くから見ていた人影の存在に。























余裕のない可愛い貴方

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コメント

8

ユーザー

わぁお これだけでも神作品ですね! 続き待ってます!

ユーザー

またまた神作の予感✨

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