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「……っ」
胸の奥が熱くて、咲は思わずペンダントをぎゅっと握りしめた。
「……ありがとう、ございます」
声が震えてしまう。けれど、それ以上に心からの気持ちを込めた。
悠真は少し驚いたように目を瞬かせ、そして照れくさそうに視線をそらした。
「大事にしてくれたら、それでいい」
その横顔に、咲の心臓はますます速くなる。
(……私、本当に、この人のことが……)
冷たい風が吹くたび、イルミネーションの灯りが揺れて見えた。
その中で悠真の温もりだけが、やけに近くて頼もしかった。
「……私も」
小さな声で続けかけて、慌てて口をつぐむ。
悠真がこちらを見る。
視線が絡んだ瞬間、言葉にできなかった気持ちが、すべて伝わってしまいそうで。