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真夜中の湿った路地裏で灯りもないなか、ビルの壁に寄りかかってスマホを弄っていると足音がしてパッと顔を上げる。
「楽!」
全身真っ黒の服にオールバックの銀髪姿の楽を見るなり俺は花が咲いたように笑顔を浮かべて楽に飛び付いた。
「シン」
俺の深く被っていたパーカーのフードを取って頭を撫でる楽の久しぶりの体温に俺は口元が緩みっぱなしだ。
俺たちはアルカマルという孤児院施設で出会った。本物の家族のように接してくれた楽や有月さんたちと離れて研究所に引き取られてしまった俺は成長して研究所を出た後に楽たちと連絡をとるようになった。
そして今は坂本商店で働きながら定期的に二人だけが分かる暗号をメッセージでやり取りして会うようにしている。
俺と楽は恋人同士ではない。でも家族や兄弟、恋人なんかよりも俺たちは深い絆で結ばれている気がしたから大人になってからはセックスもするようになった。
有月さんとも体の関係があって三人でセックスすることもたまにある。
「ボスがシンに会いたいって」
「!・・・俺も会いたい」
俺と楽たちは今、みんなの前で堂々と会えない関係だ。そもそも俺は殺し屋を辞めた一般人で有月さんたちは殺し屋殺しとして世間を騒がせ、今は坂本さんに10億もの賞金をかけたのも有月さんだ。
俺たちの関係が知られる訳にはいかない。俺は有月さんたちも坂本さんたちも大好きで、有月さんたちはそれを理解した上で楽と会うことを許されている。
楽も俺のことは兄弟や家族以上に大切に思ってくれているから俺を抱き締める力は優しかった。有月さんにも優しく抱き締めて欲しい、キスをして触れ合いたいと思っていると楽が不貞腐れたように俺を見ていた。
「楽、妬いてんの?」
「・・・妬いてねーし」
「分かりやすいなぁ」
背伸びして楽の頭をわざと撫でてやると楽は不服そうにしながら俺に強引にキスをしてくる。
「んっ・・・」
待ち侘びた逢瀬に目を細めて堪能しながら楽の首に腕を絡めると壁側に背中をつかせて着ていたパーカーに手を忍ばせてきた。
「ん、楽ここですんの?」
「嫌なら場所移すけど・・・我慢できんの?」
燻った熱がぶり返すように熱くなった体に気付いている楽が揶揄うように言うから俺は涙目で「我慢できない」と呟いて楽にキスをする。
誰もいない湿った路地裏でキスを繰り返して俺から口を開くと楽の舌が侵入してお互い舌を絡めるキスを繰り返した。
次第に自身も昂って楽の下半身に押し付けると頭を撫でられる。
「楽も気持ち良くなろーぜ?」
その場にしゃがんでベルトを外してズボンと下着をズラすと反応してない大きな楽自身を前に思わず恍惚な溜め息が漏れた。
「シンってデカいチンコ好きだよな」
「はぁ?楽のチンコが好きなだけ」
揶揄うように上目遣いで笑みを浮かべながら楽自身を舌で這わせる。両手で根元を上下に擦って口の中に含むと楽が手を伸ばして頭を撫でてくれた。
──楽、好き。皆んな大好き。──
有月さんたちが殺連本部に襲撃した時に施設で世話になった宇田さんに銃を向けられた時、そして自爆した時のことを思い出すと涙が止まらない。
思い出して泣きそうになっていると楽が頭を撫でてくれるから目先の快感に集中することにした。
『シンのフェラ、前より上手くなってる』
エスパーで楽の心の声を読み取ると思ったより口淫を気に入ってくれて勃起した楽自身を奉仕する。質量が増して顎が疲れると「もういいから」と楽が頭を掴んで引き剥がす。
「家で慣らしたからもう挿入るぞ」
履いていたカーゴパンツと下着を膝下に下ろして壁に手をついて言えば楽は鼻で笑いながら「やる気満々じゃん」と濡れた秘部に楽自身が当てがわれる。
早く挿入したくて腰を上げると楽の手が回って俺自身を握りながらゆっくり先端を秘部に押し込んできた。
「ん゛・・・っ、う」
圧迫感と異物感に体を震わせると楽が頸を甘噛みしてくる。同時に俺自身を上下に擦られて声も次第に甘くなっていく。
「あ、ぁ゛っ・・・♡ん、ッ、がく、好き・・・っ♡」
ゆるゆるとしたピストンが次第に激しくなると喘ぎも大きくなって路地裏でセックスしていることすら忘れかけていた。
久しぶりに会えたからお互い夢中で欲望のまま目先の快感を追いかけていると突然、カシャッ!と軽快なシャッター音が聞こえて楽がピタリと動きを止める。
「見ぃーちゃった♪」
──コイツ・・・南雲!?──
音も気配もない、それにエスパーの俺でも心の声が聞こえなかったのにその男は楽しげな口調で俺たちにスマホを向けて笑みを浮かべていた。
月明かりに照らされた南雲は黒髪に黒スーツ、闇に紛れてぼんやりと不気味な笑みだけが浮かび上がっているみたいに見える。
南雲はORDERのメンバーでもあり坂本さんの旧友だ。俺たちの関係を知られ、そして写真まで撮られてしまった事実に俺は恐怖を感じた。
「まさか君がX一派と内密に会っていたなんてね」
「っ」
「坂本くんが知ったら失望するだろうなぁ〜」
目の前の南雲は完全に殺し屋の目をしている。普段の飄々とした態度で俺を揶揄う南雲ではなく、俺を殺す対象として見ていた。
「お前ORDER?人のセックスの写真撮るシュミあんの」
恐怖で震える俺から自身を抜いて覆い隠すように楽が抱き寄せて南雲を睨むも南雲は変わらない笑みでスマホを見せてくる。
「君たちが逢引きして抱き合ってイチャついてるところも撮ったよ。ねぇシンくん、こんな写真坂本くんが見たらどんな顔するんだろうね」
狙いは楽ではなく俺だ。まさか敵同士である俺たちが裏では仲睦まじく逢引きをして体を重ね合っているなんて坂本が知ったら裏切りだと思うだろう。
楽の腕の中で怖くて震えていると南雲はその様子を見てまた鼻で笑う。
──どうしよう。俺が我慢できないってエッチしちゃったせいだ。坂本さんたちに知られたら嫌われちゃうかな、有月さんにも知られたら失望されるかな。──
考えると怖くて涙がポロポロ溢れてしまう。力では俺は南雲に敵わないし土下座して頼んでも黙ってくれるような優しい人間性はないことは分かる。
楽は強いし南雲と互角に戦えるかもしれないけど、俺がいるせいで足手纏いになってしまうだろう。
「──シンくん。黙っていて欲しい?」
「ッ」
まさに悪魔の囁きのようだ。何か企んでいる、何か裏があるのは分かっているけど俺は小さく頷いた。
「僕も二人の逢引きを覗き見しちゃったし、ここは平穏に条件付きで黙っていてあげることもできるよ」
「条件付き・・・?」
「うん。そんな難しいことじゃないよ」
そう言って俺たちに近付いた南雲に対して楽が殺気を放つが南雲は臆せずに口を開く。
「──僕もソレ、混ぜてよ」
頬を叩かれて意識を取り戻すと見知らぬ天井が映る?あれ?どこにいるんだ?と思い出そうとしても頭の中にモヤがかかったみたいで上手く考えられない。
「起きたならちゃんと集中してよね」
「ん゛っ!?」
ベッドに仰向けで寝かされている、と気付くも何が起きているか分からないでいると俺の眼前に膝立ちした南雲の昂った陰茎を強引に口内に入れてきた。
そうだ。路地裏で楽とセックスしてたら南雲に見つかって坂本さんたちにバラさない代わりに俺たちのセックスに混ぜろと言われたんだ。
そんなの当然断ろうとしたけど南雲が素早い動きで俺に近付いて楽が助けてくれる前に体に何か注射された。
それ以降記憶がない。口内に捩じ込まれた陰茎に涙が溢れていると秘部の中にも陰茎が挿入される。
──楽?──
目の前は南雲で見えないから手探りで宙を掻くと楽が俺の手を握ってくれた。恐らく俺が注射を打たれて意識を失ったあと、南雲に言うことを聞かなければ俺を殺すとでも言われたのだろう。
「君たちって恋人同士じゃなかったんだ。ちょっと意外・・・でも僕にもチャンスあるよね」
「?」
楽自身も大きいけど南雲自身も大きく、無理矢理押し込まれて苦しくなっていると南雲が独り言を呟くから上目遣いで見ると南雲は口角を上げる。
「調子乗んな」
「ん゛っ♡〜〜ッ♡」
ズン、と勢いよく奥の前立腺を突かれて絶頂を迎えた。触れられなかった自身から射精する感覚に震えていると南雲自身が更に喉奥まで押し込む。
「ガッツくね〜。僕にシンくん取られるの怖いんだ、いじめっ子の考えだね」
「・・・」
達した後も容赦なくピストンを続けて俺の気持ちいいところだけを集中して狙うから南雲自身を咥えながらくぐもった喘ぎを漏らすと南雲が鼻で笑って楽を挑発する。
──俺がいなかったら楽にこんなこと付き合わせる必要なかったのに。──
敵同士なのに会おうとしたのが間違いだったのか?大人になってまた有月さんたちに再会して昔みたいに一緒に過ごすことはできないのか?
「君、フェラ上手いね。いつもコイツのチンコ咥えてるから?」
「はっ・・・!」
息ができなくて意識が飛ぶ寸前で南雲自身を引き抜かれて俺は無意識に舌を出して南雲自身の裏筋を舐める。
──あれ?何でこんなことしてるんだ?でも体が熱くて何にも考えられない。──
でも懸命に奉仕をしなければ坂本さんたちにバラされるかもしれないという恐怖が根付いて必死に奉仕すると南雲が頭を撫でた。
『シン、こんな奴に媚び売るな』
「ぁ゛っ、だめ、がく・・・っ、ん、ッ〜〜♡」
敏感になった俺自身を楽が握って激しいピストンのまま擦られて口淫に集中できずにまた絶頂を迎える。
ハァハァと肩で息をする俺に対して南雲は再び陰茎を口の中に捩じ込んでくる。
「そろそろイくから口の中に出すね」
「ッ」
──口の中?楽や有月さんにもされたことない。やだ、怖い!──
質量が増す南雲自身に涙目で首を横に振って抵抗するも南雲にとっては加虐心が駆り立てられることを俺は知らなかった。
「あ、君もイきそうじゃない?」
「うるせぇ」
達する度にキツく締め付ける俺の中で楽も限界が近そうだ。煽るように楽に話すも素っ気ない態度で俺の手を握ったままピストンを続ける。
「零したらお仕置き、だからね・・・っ」
「ん゛っ」
「──っ」
僅かに息を詰めた南雲が射精すると同時に楽も俺の中に射精した。有月さんと楽と3人でセックスはしたことあるけど同時に上からも下からも受け止めなければならないから頭の中がパニックになる。
──零したら、お仕置きされちゃう。──
すっかり南雲の脅迫観念に飲み込まれた俺は南雲自身が口の中から離れて溢さないように軽く先端に吸い付くと「可愛いね」と南雲に涙を拭われた。
「口の中見せて」
「あ・・・」
口内に溜まった精液を素直に口を開けて見せると南雲は嘲笑して「飲んで」と言うから悔しい気持ちを抑えつつ何回かに分けて飲み込んだ。
──楽の精液も南雲の精液も熱い・・・。──
中に注がれる楽の精液が熱くて飲み込んだあと「がく」と頼りなさげに呼ぶと手を握り返してくれた。
「君たちそれで付き合ってないとか面白いね」
「・・・うるせぇよ。後で殴り殺す」
「はいはい。僕も挿れたいから交代ねー」
完全に南雲が主導権を握っているから俺は成す術なく今度は四つん這いにされた。楽や有月さんではない陰茎を受け入れるのが怖くて目の前の楽に抱き着くと南雲がクスクス笑う。
射精したばかりの南雲自身はすぐに硬くなって楽に中出しされたままの秘部に当てがってきた。
「待っ・・・!ゴ、ゴムして・・・」
「えー?彼にはナマだったのに?」
「楽は特別だから・・・んっ」
「じゃあ僕もシンくんの特別にして」
避妊具をしてないことを咎めるも南雲が俺の腰を掴んで先端を押し込んでくる。楽自身を受け入れていた中は容易に南雲自身を受け入れてしまった。
「ぁ、っ、ゔっ」
──やだ、南雲のナマで入ってるのに楽と同じくらい気持ちいい。何でだ?──
注射された薬の影響だと知らずに敏感になった体は好きでもない南雲から与えられる快感に歓喜する。
「がく、こわぃ・・・っ!気持ち良くて怖い」
泣きながら快感に善がって楽に訴えると楽はいつもと変わらない冷めた眼差しのまま南雲自身を口淫した唇にキスをしてきた。
──楽・・・ごめん。──
嫉妬や南雲に対する殺意を感じながらも楽とのキスに夢中になっていると南雲は容赦なく前立腺を抉るように突いてきて咄嗟に唇から離れて四つん這いの姿勢に戻ってしまった。
ちょうど膝立ちしている楽の下半身が目に入って楽自身も反応しているのを見た俺は「楽のも気持ち良くしなきゃ」と呟いて楽自身を咥える。
「ん・・・」
「シン、無理すんな」
口の中に含むとすぐに楽自身がムクリと大きくなるのが嬉しくて丹念に奉仕すると邪魔するように南雲が激しいピストンで確実に俺が感じる場所を狙ってきた。
「ナカ、グッチョグチョだね。聞こえる?」
「んっ♡」
肌と肌がぶつかる音と共に楽の精液が中で掻き混ぜられるやらしい音に俺は敏感に反応してしまう。
「あはは。僕のチンコで我慢汁垂らしてるシンくん可愛い・・・余計僕のモノにしたくなっちゃった」
『コイツやっぱ最初からシン狙いか』
「?」
確信的にこうなることを想定していた南雲の罠にまんまとハマったことに楽は気付いた。
でも俺は何も考えられなくて口淫をしながら上目遣いでエスパーで読み取った言葉の理解が出来なくて首を傾げると楽が優しく撫でてくれた。
南雲の大きな手が俺自身を片手で握って緩急付けて上下に擦ってくるから俺は涙を流しながら与えられる快感を受け入れることしかできない。
「あー。シンくんのナカやばい・・・もうイきそう」
「は?早漏かよ」
「そういう君もイきそうだね」
お互い喧嘩口調で俺を挟んで睨み合うなか、俺は楽にも気持ち良くなって欲しくて自ら喉奥まで楽自身を咥えた。
「・・・無理すんなって言っただろ」
──だって、楽と本当は二人きりでエッチしたかったのに。──
頭を撫でてくれる楽が優しくて上目遣いで反応を気にしながらお互い目先の快感に夢中になった。
「ん゛っ、ッ〜〜♡!」
「っ、あー・・・やばい、気持ち良すぎ」
「っ」
耐え切れず俺が射精すると続けて南雲と楽も絶頂を迎える。上下の口の中に注がれる感覚に震えながらシーツにボタボタと俺も射精した。
「ふぅ。ナカ、泡みたいになってる」
「ん、むっ」
「すごーい。お腹押すといっぱい出てくるね♡」
南雲自身を引き抜かれて中に溜まっていた二人分の精液がドロリと出てくる。下腹部を押されると更に精液がシーツを汚して秘部から出てくる感覚に粗相をしているみたいだ。
口の中の楽の精液も溢さないように飲み込むとドッと疲労と緊張の糸が切れて俺はその場に倒れる。
薄れていく意識のなか、楽が俺の手を握ってくれたけど体を屈めて耳元で囁いてきた声は南雲の楽しげで、悪魔の囁きような声だった。
「バラされたくなかったらこれからも3人でシようね、シンくん♡」