「変身!!」
ひよりがワームの始祖。ライダー大戦は首都で終わる、隕石飛来の【謎】は七年前のハイパーゼクターの行末と相重なり最後の死闘を擬態人間達の詩想に連ねる。
「人質とゼクターの交換だ」
やはり勘が当たった。日下部ひより=ゲートの使者。神の啓司の仮面は剥がされた!
「ライダーキック!!」
激突、爆煙……止まった加速世界。亜空間の円卓のテーブルの視界が粉々に砕けゆく。擬態天道が道連れに火炎の中へ消えて行った。
「さよなら」
「危ない、ひよりを頼む!」
「安心しろ。カブトを信じるんだ」
仮面ライダーの仕事。天の道は進化への奇跡、笑顔の輪、満開の花。
「七年前を夢見た。実兄と過ごした日々を」
「世界の宝だ。春のやって来ない冬は無い、パスポートを取りに行く」
「サルはどうなる」
「夏休みは長いぞ。俺のサーフィンも拝める。一石二鳥だな」
「お兄ちゃん」
「樹花……大事な話がある」
新は矢車の肩を叩き首を振る。ゼクター達は去って行った、二度と還らない……永遠のお別れ。
「寂しいか?」
「ううん。卒業式終わったよ。先輩から第二ボタン貰ったし」
「高校生か。総て俺に任せろ」
「天道」
実家の光景はありふれたアルバムの一ページ……他意は無い。
「それでいいのか?」
「お婆ちゃんが言っていた。失敗は何度でもやり直せる。誰しもが時間の旅人ってな」
ZECTの社長・陸が新生組織を立ち上げ起業した。東京タワーと街頭ビジョンにプロジェクション・マッピングが表示される。都民は喜びを分かち合う……カミサマ?
「ワームは完全に消滅しました。これも総て仮面ライダー達のお陰です。礼を言いましょう」
国歌斉唱。始まりと終わり、創世の女神。統制王は天道総司の名を叙事詩に刻み込む。未来永劫語り継がれる白歴史。
「やっぱりお兄ちゃんってNo.1だよね、ひよりさん!」
「ああ。自慢の長男坊だ」
自転車で桜並木を進む小春日和。雪は解け陽の光が全身を健気に包み込む。柔らかな午後、スケッチブックに彼の落書きをした。
「勝気な奴」
水筒と弁当が美味しい。僕は僕の世界を作る。それだけだ。
「加賀美君!」
図書館で働く新を岬と田所が訪ねる。
「ピッタリの仕事ね。文章最高♡」
「駄目だこりゃ」
田所が缶ジュースを奢る。
「前の職場の経験を生かせ。俺達の携帯番号とLINEだ」
「なんか照れますね。恥ずかしいなぁ」
「あ〜!デートしてあげない」
「こらこら。行くぞ。社長のスピーチがある」
街は活気が溢れる皆の憩いの居場所、HERO’Sが世界を救った。
「総司。目が覚めたかい」
「俺の知らない所で追風が吹いたか」
「文章と一つになりなさい。深愛の親孝行だよ」
「これで良いと俺は思う」
「さぁ、おでんが冷めないうちに」
「料理の道は奥が深い……精進だ」
「それだけを伝えに来たんだ。欲しかったんだろう?」
天道はパラレル・ワールドでバイクに跨った!!
「儂を殴れるか?総てが託してくれた航路だよ」
「言え」
「出発だ。有難うを忘れずにね」
「……」
「お前は最後まで儂の孫だ。HERO」
「住人達を探せ。俺の仲間だ」
「櫛引悠貴は森町さ。文章の心友だよ」
「オレトタタカエ」
砂時計の針が落ち続ける。止まらない時間、掌の世界は爆誕と最愛。
「最後の言葉だ。儂の血を見ろ」
「バトル・ファイト・ワールドか、次の仮面ライダーだ。章太郎」
「分かったよ。話は付けとく」
エンジンを踏み夢は終わった……正義の系譜は保たれる【強固】【精悍】そして。
「いらっしゃいま……」
「始めるぞ」
店内に集い流れる美食のハーモニー。ライダーの使命即ち人々の幸せを護る事、日本晴れ!ひよりは隣に居る。何時までも……
「お婆ちゃんが言っていた。俺は天の道を行き、総てを司る男……天道総司」
その人差し指は神の化身。IF〜イマジン〜それはまた別の話。
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