コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
まあなんやかんやあってヒーロー科に入ることになったと。不安でしかない。
「ねえね〜心操くん〜…」
「何」
教室に戻り、わざわざ待っていてくれた心操くんに声をかける。
「私ヒーロー科に行くことになっちゃったんだ…」
「は?!どうゆうことだよ⁈」
「(かくかくしかじか)っていうこと。」
相澤先生と話したことをそっくりそのまま話した。
「監視、か。わかった。ヒーロー科、頑張れよ。話聞かせてくれ。」
「?!なんで、…私、てっきり見放されるかと…」
ヒーローを本気で目指す心操くんにとって私は目指さないくせにヒーロー科にいる、邪魔者だ。見放されるということを覚悟して言ったが、それとは裏腹に心操くんの声は優しかった。
「なんでレトを見放すんだよ。俺は別に怒ってもねえし、悲しくもねえ。だって俺も近いうちに絶対にヒーロー科へ行くからな。一足先に待っててくれ。絶対に、追いついてみせる。ちょっと寂しいけどな((ボソッ」
「…し”ん”そ”う”ぐんっっっ!(泣)」
思わず抱きしめてしまった私を心操くんは軽々と受け止める。
「おわっ………抱きついてくんなよ……」
そう言ってるくせに頭とかなでてるんだから
「だってぇ…私の、唯一の友達がっいなくなっちゃうかとっ…」
「そっか。俺はずっとレトのそばにいるから、な。だから泣きやめ。」
「う”ん”」
しばらく心操くんの腕の中にいた気がしたけど、その後の記憶はあんまりない。
__________________________________________________________________________________________
Side. 心操
「…は?こいつ、寝やがった…」
さっきまでわんわん泣いてた癖に、今は俺の腕の中で無防備に寝てやがる。
「嘘だろ…」
椅子に座ったままレトを抱えるのは造作もないが、やはり思春期男子。別の方の限界が訪れようとしていた。
「…誰かっ…助けてくれっ…」
声にならないようなか細い声をあげる。だが時は放課後。誰もいなくなったであろう校内ではその声は届くことはなかった。かのように思えた。
「…何をしている…」
「!…轟か。」
助けてくれと言ったがまさかコイツとは…
「レトは寝ているのか?…涙の跡がある。お前、泣かせたんじゃないだろうな。」
圧が教室全体を覆う。
「いや、泣かせてねえよ。多分嬉し泣きの部類に入るだろうから安心しろ。」
圧がおさまる。レトのことをここまで心配するっていうことは、もしや、こいつ…
「そうか。よかった…ところでなんでお前はレトを抱いているんだ?」
「?!?!ブフッッッは、はあ?!」
考えていたことが全部吹っ飛んでいった。何を平然と言い出したのだこの男は。天然なのか?いや、天然でもタチが悪い。轟との邂逅で収まっていた思春期は再び反応し始めた。
「???どうした?腕が疲れたか?踏ん張りすぎると顔が赤くなるしな…レトは俺が抱くから一旦手ぇ離せ。」
意 味 が わ か ら な い 。これ以上俺を混乱させないでほしい。思わず宇宙を背負った俺は悪くない。もうやだ。邪な妄想をしてしまった俺をぶん殴りたい。そのまま記憶も轟も吹っ飛んでいってほしい。これ以上ここにいてたまるか。
「いや、レトは俺が保健室まで運ぶよ。起こすのはかわいそうだし、家送るにしても知らねえし。」
保健室へ運ぶ<<<轟と一緒にいるだからな。流石についてこねえだろ。早く帰って欲しい。
「お、ちょうど保健室へ行く途中だったんだ。ついていく。」
もうやだ。