そして東京卍會に会う日。
「ヤバい……何着ればいい?」
朝早く、凛が焦っている隣でアヒャアヒャと独特な笑い声を上げる優奈という不思議な構図。
「あははっ…!デートでもないのにタフな服でいいって……!ひゃっひゃっ……!!」
「じゃあこれとか?」
そう言って凛が見せたのは桜色のワンピース。少し胸あたりに当ててみると優奈は呆気に取られた様子でフリーズした。
「え、似合わない……?」
「……あんたって制服の時の雰囲気と私服のギャップあるよね。死ぬほどにあってる」
「何言ってんのあんた」
いきなり褒められたことに少し照れながらも急に褒める優奈を訝しげに見る。
「まあ似合ってるってことよ。ほらほらもうすぐ行くよー!!」
「え、今何時よ」
「9時12分!!!10時に神社だったけ?」
「そうそう、着替えたら行こっか!」
10分ほどで着替えが終わり、急かされながらも準備して家を出る。
「着いた—!!」
「少し早く着いたね。」
大の字に手足を広げながらワクワクした様子で叫ぶ優奈に凛は時計を見ながら神社の階段を見つめた。そして神社の階段を登ると、見慣れた銀髪と、男の子が数人。
「お、来た」
優奈の叫び声が聞こえたからそろそろ来ると思ったわと笑っていいながら隆が近づいてきた。
「あ、隆。待たせた?ごめんね」
「やぁやぁ隆☆」
優奈の頭をべしりと殴る凛に、隆は爆笑しながら言った。
「全然、俺らも今来たとこだから。……紹介するぜ。俺と同じ、東京卍會の創設メンバーと仲間だ。」
そう言って隆の後ろに居たのは、隆と同じ特服を身にまとった凛達と同い年、それ以上くらいの男子。
「やっほ〜。初めまして、俺、マイキー。佐野万次郎。よろしくな」
そう言って初めに挨拶してきたのは金髪の男の子、佐野万次郎だった。彼が東京卍會の総長だと隆がつけ加える。
「初めまして。花里凛です。」
お辞儀をする凛とは正反対に、優奈はとても興奮していた。
「まって本物?!無敵のマイキーって言われてるあの佐野万次郎さん?!?!優奈です!高谷優奈って言います!!」
優奈は夢を見てるのかもとほっぺたを抓りながらそう言った。凛は呆れながらごめんなさいと軽く謝る。
そして、次に自己紹介したのは龍宮寺堅。彼は副総長として東卍を支えている。それから順番に、場地圭介、パーこと林田春樹、場地圭介を慕う松野千冬、パーを慕うぺーやんこと、林良介がそれぞれ自己紹介をした。
「全然敬語じゃなくていいぜ!」
少しロン毛の場地が八重歯を見せながら言った。
「わかった!私達も好きなように呼んでくれていいから」
「あっ!俺いいこと考えたぜ」
パーがいきなり言った
「凛達に喧嘩教えよう!」
そう言った瞬間、隆がペシィとパーの頭を引っぱたいた。
「痛っってぇ!!!」
「良いじゃねえか!パー!」
そして次はそれに賛同した場地が餌食に。千冬が場地さぁん!!と言いながら駆け寄る。
「てめぇらバカか……?!」
ことばが出ないと言った感じで隆はやっとのことでそれだけ言った。
「いや……だめだろ……」
堅も少し呆れたように馬鹿組を見る。
「俺もやりてぇ!ケンチン!やろうよ!俺が教える!な?三ツ谷!いいだろ?」
キラキラした瞳で隆と堅を見る万次郎に2人は完全に気圧された。
「で、でも私運動は苦手で……」
「凛何言ってんの!あんたは運動苦手なんじゃなくてやってないだけじゃん!☆」
「なんか腹立つ。あんたもやるの?」
「やるやる!」
「ならあたしもやる。あんた覚えてなさいよ」
「え???(」
「あっははは!死ぬほど面白いじゃんお前ら!」
そうして快晴の空の下、凛と優奈の特訓が始まった。
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