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『プロローグ』
「お前らよく聞けー、ここはxだから…」
高校3年の春。入学して約5ヶ月が過ぎ、もうそろそろ9月も終わろうとしていた。
ーキーンコーンカーンコーン
「じゃあ今日はここまで。号令」
「起立。礼ー、ありがとうございました。」
「あっつマジで熱過ぎない?」
「それな本当クーラーつけよ」
ーピッ
まるで真夏のように暑く、もう10月に入ると言うのにも関わらず冷房をつけた。
一気に冷たい風が流れ込んでき、教室の中はあっという間に涼しくなった。
「そう言えばさ、あの事件しってる?」
「あーあれ?なんか3年前ぐらいに女子生徒が亡くなったやつでしょ?」
「そうそれ!実はね、前こっそり聞いたんだけど、亡くなった生徒ここの学校の人らしいよ」
「え!?3年前ってことは私たちと同級生?」
「そうだよそうだよ。何で亡くなったのかはわかんないけどこわいよね」
「それなー、まあまあどうでもいいじゃん。え、てか次移動じゃん急ご!!」
あの事件からもう3年。当時、ニュースで散々取り上げられたが、今ではもう過去のこととして雑に取り扱われるようになった。
「結局、みんな忘れるんだ。」
僕は忘れもしない。忘れられない。あの日。あの夏。あの時間。僕は、全てを知ったんだ。
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