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捧。
ーーー
「涼ちゃん、そこ違う。」
「……ごめん。もう一回お願いします。」
仕事には妥協しない。それが俺の彼氏?彼女?である二人の良いところだ。そのストイックさは他人だけでなく自分にも向けられているから心配事も多くなる。
「若井も、まだまだだから。もっと気持ち込めて、ちゃんと気持ちと技術追い付かせて。」
「俺ももう一回お願い。」
そう言って演奏に集中する。元貴の活もあってかレコーディングは順調に進み予定より早めに終わることができた。せっかく早く終わったんだから、丁度次の日の仕事が午後からなこともあり3人でゆっくりしようという話になった。
「僕と涼ちゃんも若井の家に送ってちょうだい。」
「分かりました。」
「ありがとう。」
家の玄関がしまった瞬間に前と後ろから同時に抱きつかれた。
「うお、ん?なに、二人ともどうしたの、」
「……..じゅうでん、」
「あたまなでて」
前からは元貴、後ろからは涼ちゃんから抱きつかれて身動きが取れない。唯一動かせるのは腕くらいだった。その両腕も元貴を抱き締めるためるために左腕を、涼ちゃんの頭を撫でるために右腕を使っているから本格的に動くことができない。
「ここ玄関だから、ちゃんとソファに座って休も?」
俺もだけど、二人とも疲れてるだろうから少しでもリラックスできるようにソファに行くように促したけど、二人ともいやいやって頭をグリグリ押し付けてくるもんだから強く言えなくなる。
そのままの姿勢で何分か経ったところで流石に疲れたのか体を離してリビングにあるソファに向かっていった。その時でさえ手を繋いでいたのだから今日はよっぽど甘えたな日なのだろう。
正直めちゃくちゃ可愛い。
だってだよ?いつもツンケンしてる元貴が、いっつも照れちゃって自分からこれない涼ちゃんが、すんごい甘えてくれている!その分破壊力が半端じゃない。
それでも今日の二人は異様に疲れているみたいで、ソファに座ったところで玄関の時と同じようにくっついて離れない。
「今日頑張ったね、お風呂入っちゃお?その間に夜ご飯作っとくから。」
「やだ、3人で入る。」
「僕も、みんなで入りたい。」
「ん〜、それじゃあUberにしようか、何食べたい?」
「トマトパスタ」
「きのこのパスタ」
「ふふっ、りょーかい。それじゃあお着替え持ってきて?」
3人それぞれの家があるが、あまりにも3人でいることのほうが多すぎて全員の家に着替えなどの一式が置いてある。
ていうか、ほんとに可愛すぎる。俺、今日命日かな?
「わか、はやく」
「ごめんごめん、」
急いで服を脱いでお風呂に入る。全部洗い終えて浴槽に入った時には甘えたが再発してた。
俺の足の間に涼ちゃんが、涼ちゃんの足の間に元貴が入る形でお風呂に浸かっている。心も体もあったまってゆっくりしてたらお風呂のお湯が動いた。
ん?どうしたんだろう。
元貴がこっちを向いていた。すっごい眠そうで、そろそろ上がろうかと声をかけようとしたときだった。
「元貴?そろそ、ろ……..!」
はぁっあ!も、元貴が涼ちゃんにキスしてるっ!がわ゙い゙い゙ぃぃぃ!そんなに溜まってたのかな?いや、疲れと眠気が最高潮に達した結果、もっと愛を確かめられる証が欲しかったんだろう。
涼ちゃんも涼ちゃんで、元貴に腕を回して夢中になってキスしてる。幸せそう。
俺の眼の前で大好きな二人がキスしてたらずっと見ちゃうよね。
でもまずい、これは止めなきゃずっとこのままだろう。そうなれば3人揃ってのぼせちゃう。元貴が俺にもキスしようとしてくるところで静止する。
「だぁめ、そんな目で見てもだめ、のぼせちゃうし風も引いちゃうから。上がってからね。」
「んぅ……….涼ちゃんいこ。」
「ん、若井。ぼくにも頂戴ね?」
はぁ〜、ちょっと拗ねちゃってもかわいい。
二人がお風呂から上がって、俺一人になった途端鼻血が出たことはみっともなさすぎるので秘密にしよう。
スキンケアもして髪も乾かしてリビングに戻ったときには二人でくっついてた。
何あの可愛い生き物。すごい。
今日は涼ちゃんが一番甘えたになってる。珍しい。大体は元貴のほうが寂しくなって二人で甘やかしているのに。
元貴を膝に乗せて額や瞼、頬、手の甲など色んなところにキスをしている。これが涼ちゃんの凄いところで、あんなにキスしてもそういう雰囲気に一切ならない。妖精の戯れっていうの?女神の慈愛っていうの?なんか神聖なものに見えるんだよね。
俺がそんなことしたら
元貴には「変態オヤジ」「エロガキ」
涼ちゃんには「性欲おばけ」「絶倫」
って言われるのに。
多分今やってるのはエッチしたいとかじゃない。自分たちの愛を確かめあってるだけ。だから勃ってもない。凄いよね、俺なら確実に勃ってる。
「涼ちゃん?俺にもキスして、」
「あ、わかい、んふふ……ちゅ」
あ゙ーかわい。俺にもいっぱいキスを落としていく涼ちゃんめっちゃ幸せそう。膝の上には大好きな元貴がいて、大好きな俺にキスできてるもんね。
「ひろと、ぼくともキスして。」
名前呼び来ました。もう嬉しい。何でもしちゃう。ちょっとばかし調子にも乗っちゃう。
「わかったよ。今日はもっと二人のこと甘やかしてあげるから。だからさ、そんなに嫉妬しないで」
「してないし//……ん」
「もときかわいい、大好き、いい匂い。僕から離れないで。ずっとそばにいて。僕も離れないから。」
これは、今度は涼ちゃんがなんか言われたな。
「ひろとも、僕から離れないよね?」
涼ちゃんも名前呼びってことはよっぽど堪えたんだろうな。ほんと誰だよそんなこと言ったやつ。まじで橋から落としてやろうかな。やったら二人が悲しむからやんないけど、
「離れないよ、絶対に。俺も元貴も涼ちゃんが大好き。愛してる。」
「そうだよ、離れるなんて言わないでね。そうなれば今度こそ僕は壊れちゃう、」
「うん、ごめんね。」
「ってことで、今日は早めに寝ましょう。二人とも疲れてるんでしょ?ならもうとっとと寝て明日ゆっくりしよう、」
「ありがとう」
ぐうぅ
「あ」
いまのは………….涼ちゃんだ、
「なんか、安心したらお腹空いてきちゃった//」
「ぼくもお腹空いた。若井はやくたのんで」
「はいはい、人使いが荒いことで。まあ今日は仕方ない。愛しの二人のためだからね。」
ご飯食べて歯磨きしてベッドに3人並んで寝て、何とまあ幸せなことでしょう。両隣にはやることを全部やって眠くなってる二人がいる。
元貴は赤ちゃん化して「だっこ」とか「てぇおっきいねぇ」とか言ってくるし、涼ちゃんは顔が溶けかかってるし左腕離してくれないし。ついには両手恋人繋ぎだし。
羨ましいだろ。こんなに可愛くて俺も困ってるよ。ほんと幸せだよ。泣けてくるよ。
「二人とも、おやすみ」
「んぅ、おやすみ」
「おやすみねぇ、わかぃ」
翌日目が覚めたら、先に起きてた元貴が涼ちゃんを問い詰めて無理やり話を聞いた結果、異様に涼ちゃんがぽかぽかふわふわしてて頭を抱えた俺であった。
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