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みこすち
みこと(大1)×すち(大3)
詳しい注意書きは1話までお願いします。
直接的表現はありませんが少しセンシティブな表現があります。
『…あ、返信来とる』あのあと俺は普通に二日酔いで二度寝して、起きたら昼過ぎになっていた。
送ったメールには既に返信が来ていて、俺は急いで内容を確認した。
『よかった…すちくん、ほんまにやさしいなあ』
すちくんは「全然大丈夫だよ」といつも通りで、その優しさが少し痛い。迷惑をかけてしまった罪悪感が今になって襲ってくる。
『ああ俺かっこ悪い…』
一人で悶えていると、すちくんから新たにメールが来た。見てみると、俺が気にしてしまうのであれば今度直接あって話そう、といった内容だった。ああ、この人は本当にやさしい。
俺がこうなることを知っていて声をかけてくれる。すちくんに普通に会いたいのもあって、すぐに返信をした。
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今日は講義が午後だったため、その後にすちくんと会って一緒にご飯に行くことになった。
外はもう薄暗く、だんだん日が落ちてくるのを感じる。近くにあったベンチに腰をかけ、すちくんを待つことにした。酔った勢いで恋愛事情をぶちまけてしまったこと、すちくんの発言を1つづつ思い返す。何度思い返してみても恥ずかしくて、すちくんの言葉が何度も何度も繰り返再生される。どうしてこうも都合よく記憶が残っているのか。いっそ記憶がなかったら良かったのに、とまで少し思ってしまった。
「みこちゃーん、おまたせ」
『うわぁ!すちくん!』
急に後ろから声がして思わず大きな声を上げてしまった。振り返ると見慣れた緑色の髪に赤の瞳をしたすちくんが立っていた。
「あぁ驚かせちゃった?ごめんごめん」
いたずらそうに笑うすちくんがなんだか少し可愛く見えて、ドキっとする。この間変なことを言われたせいだろうか。
『えーと、お店この近くよね!』
「そうそう、向かおっかあ」
店に入り色々注文しながら、周りを見回す。
おしゃれな雰囲気だが、かしこまりすぎてない感じで過ごしやすい。お客さんも子連れや友人同士などが多く賑やかだ。
そんな雰囲気に頼るようにして、俺はすちくんにこの間のことを話すことにした。
『すちくん、この間ありがとう…ごめん』
「ええ?笑…いいんだよ」
「別に俺そんな大したことしてないし」
『いや…それもそうなんやけど、その』
「とにかく全然気にしてないからね、こういうのはお互い様だから」
『あ、うん、ありがとな』
話を逸らされてしまった。何が言いたくないことでもあるんだろうか。確かに、意味深なセリフだったし、そのせいで現に俺は緊張している。でも相手はあまりにも気にしてないような素振りを見せるので変に深堀りもしたくなかった。
そのあとはいつも通り他愛もない会話をしながら普通に食事を楽しんでしまった。
(ああやばい…結局聞けてない)
すちくんとのご飯はめちゃくちゃ楽しかったし、最近したかったゲームの話とかもできた。
できたけど、大事なことが聞けてない。
こんな状態で聞くのもあれだと思ったけれど、ここで聞くしかない。
『すちくん、ごめん、さっきの話なんやけど』
「?なんか言ったっけ」
『あの…こないだ、飲み会の時に』
「…」
『俺、酔ってていろんなこと話しちゃって』
『すちくんにも、何か言われた…きがして』
『おれの自意識過剰じゃなければ…』
「あはは…笑、ここだと長くなりそうだからなあ」
「あ、ちょうどさっき言ってたゲームあるし家来なよ」
『…え』
突然の誘いに驚きが隠せなかった。すちくんの、家?この状態で今行くのは危ない気がするけど、こんな雰囲気で断れるわけがない。しかも、相手はすちくん。今行ったら変に意識してしまいそうで怖い。
「もう夜遅いしさ、俺ん家ここから近いし」
『えっと…迷惑じゃないん?』
「一人暮らしだし平気だよ笑…ね?」
『じゃあ…お邪魔させてもらおうかな』
すちくんの口車に上手くのせられ、結局断れなかった。中途半端に広がった会話が俺の脳内で何度も再生される。早くけじめをつけてしまいたいのに、このまましばらく耐えないといけないなんて。
『お邪魔、します』
「はーいどうぞ」
『えーーっと、』
すちくんは俺をソファーに誘導し、手際よくテレビを付けたりお茶を入れたりしてくれた。
「ああ、でね、コントローラーがこれなんだけど…」
『…すちくん』
「…あー、さっきの話?」
話を逸らそうとしていたけど、しつこい俺に嫌気がさしてきたのかやっとすちくんの方からも触れてもらえた。
『このあいだ、俺…女の人だめかもとか、ふられたとかばっか言っちゃって』
『そのとき、すちくん…俺なら』
「俺ならそんなことしない、でしょ? 」
「覚えてるよ笑…思い出すと恥ずかしいからあんまり言いたくなかったんだけどね」
この間のこと、すちくんも覚えていた。少しづつ心臓が早くなっていく感じがする。
『だから、その…』
「うん、俺ならそんな気持ちにさせないと思うな」
『…すちくん、俺の事怖くないん』
『女の人だめかもって、話したばっかやろ…勘違いされる、とか思わないの』
冗談半分で距離を詰めた。すちくんは動じていない、後戻りができない。
心臓の音がうるさい。ソファーの軋む音がうるさい。近い。少しづつ距離が近くなっていって、気付けば吸い込まれそうな赤い瞳が目の前にあった。
「…俺が、なんにも考えないであんなこと言ってると思ってる?」
「みこちゃん、そのままじっとしててね」
すちくんは、ゆっくり俺の下の方に手を伸ばした。