この作品はいかがでしたか?
3
この作品はいかがでしたか?
3
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「私の人生って、なんだったんだろ。」
両手に握りしめた輪っかに結ばれたロープを見つめながら、ポツリと呟く。
リマはたった今、自分の部屋で、短い人生に終わりを告げた。
こうするしか、方法はなかった。
いや、本当に方法はなかったのだろうか?
リマは小学六年生で自傷行為を初め、その快感に溺れてしまった。
初めは軽い気持ちで、生きるために行っていたリストカットも、今や理由も無く「死ぬために」行っていると言っても過言では無い。
彼女は何故、こんな事になってしまったのか。
彼女は何故、この道を選んでしまったのか。
それは、もうこの世にはいない、リマ本人にしか分からない、「こうするしか無かった」何か大きな理由があると言えるだろう。
ガタンッ、と鳴り響く椅子が倒れる嫌な音。
ミシッ、とロープが音を立てる。
左右に揺れる小さな足と、少し下がったニーハイソックス。
泥とシワだらけのスカート。
足跡の着いたセーラ。
手首に痛たまじく巻かれ、少し赤く染まった包帯。
首より少し上の絡まった髪。
チラチラと服から覗く、赤や青の無数の痣と切り傷。
倒れた椅子の下敷きになった、汚れまみれのスクールバッグからは、落書きだらけの教科書やノート、足跡の着いた体操着。
この全てが、リマの人生を物語っている。
ドサッ
「ぁ……ぁ゙ぁ……リ……ッ…マ………ぁぁ゙……」
「あああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
そう叫びながら、涙を流した彼女の手首にも、また……
赤い線が描かれていた。