van×kuti
・18歳以下の方は閲覧禁止
・nmmnルールを知っている、守れる方のみ閲覧下さい。
・人を選ぶ表現があります。(恋愛表現✕、無理やり等)
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ザザッ_
「ッ_こ、_ぱイッが!みっ__ッ!」
「………ぅ、 」
腰に着けた無線機から同僚たちの声が聞こえ、意識がふっと戻る。目に入ったのは見慣れない、薄汚れた天井と、小窓の付いた鉄製の扉が一枚だけの異様な室内だった。
「何処だ?ここ」
異様な光景に本能か警察官としての感か、脳が警鐘を鳴らす。
「先ずは一旦?状況確認か。」
下を見やれば錆びついた骨組みだけのベッドフレームに、薄く頼りないマットレスが載せられている。もはや「ベッド」と呼ぶのもためらわれるほど粗末な代物だ。
どうやら我は、そのベッドに横たえられているらしい。
身体を起こそうとしても、手足は大の字に広げられ、金属の冷たい手錠によってフレームに固定されていた。
不快な湿り気を帯びたマットレスが肌に貼りつき、身をよじっても逃れることはできない。
その不潔な感触に、胸の奥で小さな苛立ちがじわりと広がっていく——。
周囲を見渡そうにも明かりの少ない場では把握できるものに限りあるが、天井から吊るされた淡い光の電球に照らされる赤黒いシミの着いたコンクリート壁と光の反射でギラリとこちらみをきかせている金属製の機材達はここで何が行われているか想像するに余りある。
「これは…マズイかもな」
先程までギリ聞こえていた無線も通信が無機質なピコピコ音しか流れてこない。今いる場所は通信が流れにくい地下空間か何かだろうかと推測する。
考えを巡らせていると扉の小窓に影が写った。緊張が走り顔が強ばる。奥に居るのは自身を閉じ込めた犯人か、はたまた助けに来た恩人なのか。
様々な考えや感情が乱れあった瞳は目の前の扉に注がれる。錆びついた音をたてながらゆっくりと扉が開くと聞き覚えのある男性の声が部屋に響く。
「よぉ、皇帝。気分はどうだ?」
「、ッヴァンダーマー…!」
白い髪に左手に嵌めた革手袋。腹の底に響くような重く、低い声質_
我が領地ロスサントスに蔓延るクズ集団、もといギャング「MOZU」のボスが嘲笑した顔で語りかけてきた。
「ハッ、随分と無様な格好をしてるじゃないか、元皇帝が落ちぶれたものだ。面白いなぁ?」
……いちいち気に障る言い方だ。拘束されているものの、この状況を仲間に伝える手段はないかと相手にバレないように身を捩り無線機のブレスボタンをベッドに押し付けマイクをオンにする。聞こえているかは分からないが…何か情報を引き出せば助けが来るかもしれない。
「うるさいぞ。貴様が我をここに監禁したのか?」
「ああ…ワシがやった」
「ハァ、全く。犯罪者がすることは意味が分からない。誘拐拉致監禁罪だぞ?」
冷静を保ちながら会話を続ける。
やはり穢れた犯罪者は理解できない。こんな事をしても何になるというのだ。
「それで目的はなんだ?人質か?報復か?こんな密室に監禁するには理由があるはずだろう。」
「目的?それはおめぇが一番分かってるんじゃないか?散々ギャングを舐めるような真似をして市民を危険に晒している国家の犬が。」
「なんのことか分からないな。我は警察業務を全うしてるだけだが?」
向こうからは知らんが自身の発言についても煽っている訳ではなく事実を伝えているだけだし、この前のスプレー400個消しだって警察として、この街を統治する皇帝として必要不可欠なことだから行っているだけだ。
「この状況でよく吠えるなぁ?こんなヤツが上官とは警察は終わっている。」
「本当のことを言ってるだけだ。」
「今までの行動や言動を謝るつもりはないんだな?」
「当たり前だ、ギャングに下げる頭はない。」
「そうか。よく分かった。」
警察とギャング。お互いの正義と思想が混じり合うことは無い。
「なら覚悟はできてるよな?」
ヴァンダーマーは口角を歪めて嗤う。その笑みに浮かぶのは純粋な嗜虐心だ。
「覚悟だと?」
「反省する気の無ぇおめぇが悪いからな?」
1歩近づき手を伸ばしてくる。
「……ッ!」
加害されると思わず目を閉じる。
暴行されると思ったが予想に反して痛みは来なかった。呆気にとられると腰の辺りをグイッと引っ張られて無線機を取られる。
どうやら考えは筒抜けだったようで顔には出さないが少し動揺する。ヴァンダーマーはブレスボタンを押したまま
「皇帝を返して欲しかったら探してみろ」
と宣言してブチッと無線を切った後、投げ捨ててピストルで撃ち抜く。
「まさかこれでワシを騙せていると思っていたのか?可愛い奴だなぁ?」
撃ち抜かれた無線機の残骸が床に転がる。それでも皇帝は仲間が来ることを疑わない。鋭い視線をヴァンダーマーに向けたまま吐き捨てる。
「くだらん冗談だ。何をされようと貴様のような下劣な存在に屈するつもりはないッ!」
「……フハッ」
挑発の一言が、ヴァンダーマーの内に潜む狂気を嬉々として呼び覚ました。
「その言葉、忘れるなよ?」
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「ゔッ、ぁあ゛あッ…、/// 」
「どうした?もうへばったか?」
あれからどれ程の時間が経過しただろうか。
自らの体から発せられているとは思えない水音が空気を含んで大きな音となり耳を侵す。周囲には使用済みの注射器や玩具が乱雑に散らばっていた。
「ッへぇ゛、ッて……なぃ///」
「聞こえねぇなぁ?」
すり減った心で売り言葉に返そうと模索するものの、腰を打ち付けられ腹の中を掻き乱される感覚に思考が散らばる。
言葉を発する度に喉まで込み上げた胃酸によって喉が焼け、痛みが広がる。
「、グゾッ゛覚えと゛けッ」
「ッハ!そんな顔で善がっといて良く言えたな?」
「よがッで、ぇな゛いッ…♡!」
あつい、あつい。かおがあつくてたまらない。
自分でも整理出来ない感情が入り交じり視界が歪む。手首につけられた手錠も体温が移ったか金属特有の冷たさを感じない。故に冷静さを保つ為の障害が取り除かれて脳へと快楽がストレートに伝達される。
「愛らしいなぁ皇帝♡」
「ゔ〜ッ///、んぅ゛!?」
耳元で囁かれた言葉が頭の中を反芻する。ピンッと足先まで張り詰めた足裏を指でじっくりと嬲られて思わず吐息が漏れた。
苛烈な求愛によって全身を犯される感覚に皇帝が理性を手放しかけるその刹那、
__カチャリ
頭に当てられたヒヤリとした感触に背中に悪寒が走る。自身から血の気が引いていくのを他所に目の前の男は動きを止めない。
「ぁ゛♡ぅ、え、あッ?」
「…………」
「は?、ぁン゛///やめ゛ッ♡ろ!」
生殺与奪の権を握られていると薄れかけていた認識を自覚すると死の恐怖が身体を支配する。
「……ぁ゛、待っ、でッ゛!」
律動が激しさを増す。額に添えられた銃口が冷たく突き刺さるのに、体内を貪る熱がそれを上回る。死の淵で剥き出しになる本能に抗えない自分が憎い。
「ッぐゥッ♡……ん゛ぁあ゛ッ!」
恐怖に硬直した身体が無理やり絶頂へ引き摺り込まれる。震える身体を見下ろす瞳孔が開く——獣のように。
「良い表情だな……皇帝」
最奥を抉られ、意識が白む。同時に撃鉄が倒れる音が聞こえ脳天を貫く。
「ぐゥ、ッ…はッ、……」
この街には”ダウン”というシステムが存在する。普通、頭をピストルで撃たれた人間は魂が戻ることなく生を終えるものだが特定の環境でのみ特殊な医療技術を用いれば死ぬことなく、ダウンという行動不能の状態で生きながらえることができるのだ。
「ッはぁ、ッ_」
然し、こんな魔法のような仕組みも完璧なものでは無い。つまりはダウン時は持続的な痛みが伴う。
凶弾に倒れ痛みを悶える我を奴はまるで宝石でも見るような目で見つめていた様な気がした。
額を撃ち抜かれ、視界が歪み、頭の奥がガンガンうるさい状態で朦朧とした意識の中、目の前を正しく認識する余裕なんてものはない。それでも、
「……我らの警察を舐めるなよッ!」
「…!」
遠くから同僚達の声が聞こえる。仲間が頑張っているというのに皇帝が今ここで意識を手放す訳にはいかない。おそらく無線機を壊された後も数少ない情報からサーマルを使って熱源を見つけ出してくれたのだろう。
「今回はここまでだな」
「ッ、逃げられると思ってるのか!」
先程までの乱れ具合が嘘のように身なりを整えたかと思ったらベッドの周りをグルっと歩き始め我の手足を固定していた手錠を外していった。敵に塩を送る行為に驚きながらも高圧的に詰める。
「貴様ッ、どういうつもりだ?」
「ワシは消えるが…このままの状態で放置して仲間に見られたくないだろう?それに警戒されて次が無くなってしまってはつまらない。」
「逃がす訳ないだろ!今ここで現行犯逮捕してやる!」
解放された直後にヴァンダーマーに向かって飛び出そうとしたものの一歩も動き出すことが出来ない。必死に暴れるがベッドフレームが僅かに軋むだけだ。
「無理をするのはやめておけ皇帝。そこでウジ虫みたいに這いつくばってるんだな」
「おい!ふざけるな!…、クソッ」
奇しくも敵の逃亡を許すことになり怒りが込み上げる。仲間と合流しようにも歩くことすらままならない為、皇帝は震える手で服を手に取り、助けが来るまで反省することにした。
「………気持ち悪い。」
そういいながら林檎のように赤くなった顔を隠すように汗まみれの服を引っ張り口元に寄せる。
____身体の渦きはまだ止まない。
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