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うわっ………終わり方がエモすぎる……!! てかこんな早く書いてもらって…マジでありがとう…!!! めちゃくちゃ最高でした…!やっぱ僕の考えたネタで誰かに書いてもらうって面白いわw あ〜〜〜………青くんの行動力から桃くんが惹かれていったけど、家系的にかなわないと思ってるとこ…!!解釈一致ですありがとうございます。そこのシーン想像でき過ぎてアニメ見てるみたいだった…w
俺のドタイプ。 これめっっっちゃすき!なんかぐさってきた! やっぱこうゆう話は青桃がいっちゃんあうよな〜!✨最高!
kailuさんからのリクエスト!!
ATTENTION
irxs nmmn 青桃
黒桃絡みアリ(黒桃恋愛要素はナシ)
魔物要素アリ
口調崩壊してます
地雷さん&nmmnの理解がない方は回れ右
START
俺は、大洲神社の跡取り息子、ないこ!
近所の皆さんとも仲良くさせてもらってるし、将来は神主決定だし、安泰な優等生やってます。
幼稚園生の頃からお祓いのやり方を教えてもらっていたから、今では結構大きい魔物も払えるようになったんだ。
だから、父さんからは目に入った魔物は全て払うように言われている。
小さいものなら大幣(おおぬさ)一振りで祓えるよ。
昨日も一体祓ったっけ。
でも、今は、境内の掃除中。
参拝者さんが少しでも安らぎをもってお参りできるように毎日してるんだ。
「あ、悠佑先輩!」
そんな俺だが、普段は高校生として学校生活を楽しんでいる。
悠佑先輩は、俺の二つ上の高校3年生。
去年、たまたま家が近いことがわかって、たまにお参りに来てくれるんだ。
「よ、元気?見ないうちに大きくなったなぁ」
雰囲気が近所の山田さんそっくりだ…。
「悠佑先輩は近所のおじさんか何かですか」
「違うて。夏休み中俺が来なかった間に少し身長伸びたなぁって思っただけ。」
「え、それ悠佑先輩が縮んだんじゃ…?」
「は?黙れクソガキ」
俺はわかる。これは本気で怒っているのではなく、じゃれの範囲内だ。
俺は人付き合いが多い分、そういうところはわかる。
「そうだ、俺お守り買いに来たんだった」
「お守り?」
「俺…今年受験だからさ。縁担ぎよ、縁担ぎ。」
そうか、俺はつい半年前受験したばかりだけど…悠佑先輩は今年だもんね。
──でも、悠佑先輩と学校で会えるのも今年度で最後なのか。
やけにあっさりした感覚。
なんでだろう、大切な先輩なのにな。
「ないこ?」
「あっ、お守りですよね!どれがいいですか?」
「んーー、じゃあこれ」
悠佑先輩が選んだのは、黄色と黒の刺繍の『学業成就御守』。
やっぱり、自分に似ているのを選ぶとかセンスいいなぁ。
「はい、680円になります!」
「よっ、ありがとな〜」
悠佑先輩は700円を出して、そのまま帰ろうとした。
「えっ、お釣りは!?」
「いいよ、お前が使え」
え、なにそれ、紳士…!!
「ありがとうございます!!!」
悠佑先輩が結んだ髪をなびかせ、帰った後のこと。
部屋に入ってから。
「……?」
何かを感じる。
何故だか最近、背後に気配を感じることがある。
今は部屋の入り口。
でも、それは見えない。
「なにかいるの…!?」
────って言っても、返事は返ってこないけどね。
ふぅ、とため息を吐く。
たまに、思う。
なんで、俺は魔物なんかが視える家に生まれてしまったんだろうか、と。
でも、それによって他人を魔物から守ることはできる。
そのために、人を守るために生まれてきたのかな─────────……………。
「!?!?!?!?」
「よぉ、ないこ。」
「だ、誰ですかっ!?」
顔を上げたら、誰かが部屋の入り口に立っていた。
しかも…。
「つ、翼…!!!」
真っ黒で立派な、翼を生やしていて青い髪の長身イケメン……!!!!
「ああ、これね。仕舞う?」
「い、いや、いいです!!!」
「そ。」
え、なんか、冷たくない?
「それより───、やっと、会えたな。」
「………へ」
思わず、はしたない声が出た。
「やっと、って、何ですか…!!」
「え、だって、俺ずっと見てたんだよ?掃除してる時とか、お祓いの練習してる時とか、人と喋ってる時とか……」
「え、ストーカーですか?」
俺、付き纏われてた?
そんなかっこいいわけでもないけどな。
……………ん?
何かを感じてたやつの正体って…この人?
「まあ…ストーカーかもな。ずっと見てたし。」
いや、そんなことを淡々と当たり前のように言わないでいただきたい。
「でも、その翼……人間じゃないんじゃ…」
俺が気になるのはそこだった。
「うん、人外。」
だからなんでそう当たり前のように……。
「俺、魔物だよ」
「魔物…………。え、魔物!?」
この人、魔物なの!?
魔物って人の形してないものしかいないと思ってた…。
そうだ、俺はこの人を祓わなくちゃいけない。
父さんに言われてるんだ、『目に入った魔物は全て祓え』と。
大幣を取りに行こうと体の向きを変える。
─────祓うの?
─────やっと会えたって言ってるのに?
心の底から、そんな感情が湧き上がってくる。
感情論じゃ仕事にならない。
そんなのわかってる。
静止して自分と向き合っている最中、後ろから肩をとんとん、と優しく叩かれた。
「なあ、ないこ」
「何、ですか」
「俺と婚約して。」
コンヤク?ん?
唐突に聞いたその響きに、一瞬ばかり時が止まったような錯覚がする。
「聞こえてる?俺と、婚約しろ」
「聞こえてますっ!!!」
そんな急に婚約とか、何この人!!
言うならこの人も男だし…結婚なんてできなくない?
「今、無理じゃないかって思っただろ。心配するな、魔界では同性婚もアリだ。」
この人はエスパーなのだろうか。
「あ、俺エスパーじゃないから。魔物が魔物以外に求婚する時みんな同じ反応だから。」
俺の思考とこの人の言ってることのタイミングが良すぎて逆に疑いたくなる。
「あ、あの」
「何だ」
「なんで俺なんですか?」
きっと聞かれるだろうと待ち侘びていたのか、俺が質問すると口角が上がった。
「俺のドタイプ。以上」
そうして即答した彼。
「は、ドタイプ!?」
ゲイなのか、この人。
「だって俺ただのお祓い男ですよ、?もっと綺麗な人いっぱい居るんじゃ…」
「俺の好みの人間を好きと言って何が悪い。」
ひいっ…圧が強い…。
「そもそも、人の好みなんて個性だろ。他人に否定される筋合いはない。まあその矢印が向いてるのがお前、ないこだけどな。」
「そう、ですよね…」
なんか、思ったより深い正論を喋っているような。
「で、婚約してくれんの?してくれないの?」
ああ、この言葉には眩暈がする。
でも僕側は今初めて知った訳だし…その前に魔物だからな…。
「一旦、保留で!!」
いかにも嫌な顔をされそうな返答だけど、しょうがない、自分に言い聞かせる。
「あなた…のことまだよく知らないので…。」
「あ、まだ名乗ってなかったな。俺はいふ。魔界の次期トップ。」
「え、トップ…?」
次期神主の俺が…魔界の次期トップに婚約を求められている…!?
もうほんと、なにこの状況!!
「なあ、明日空いてる?」
「空いてます、けど」
「じゃ、明日出掛けよう」
いきなりの提案に少し驚いたが、結局はいふさんを知らなければいけないことになる。
「………はい」
俺はゆっくりと頷いた。
翌日、お気に入りの服を着て、いつもより髪型にも気を遣って、待ち合わせの場所に向かう。
なんで、よく知らない人のためにこんなにもやる気が出るのかはわからない。
「よ、ないこ」
「いふさん…!?」
背後から突如現れたいふさん。
これも魔物の能力なのだろうか。
「よし、行こ」
手を握られ、軽く引っ張られながら歩く。
少し顔が熱い気がするけど、それは無視した。
「よし、ここまで来れば…」
「ここですか…?」
俺が連れてこられたのは路地裏。
こんなところで何をするんだろう。
「驚かないでくれよ」
そう言ったいふさんは、俺の肩を抱いて指を鳴らした──────。
眩しい…!!!!
「もう、目、開けていいぞ」
そう言われ、そっと目を開ける。
「え、!?」
そこには、さっきいた路地裏とは全く違う、知らない景色が広がっていた。
「ど、どこですか…ここ…!」
「魔界だ。」
「へ、魔界!?」
予想外の答えに、思わずおうむ返ししてしまう。
「少し、俺のこと知ってもらおうかと思ってな。」
なるほど…。
「カフェでも行くか。」
「あ、魔界にもカフェとかはあるんですね」
人間界と同じ基準なのかと驚いた。
「余裕であるよ、カフェとか。住んでるのが魔物ってだけで、人間界とはあまり変わらない。」
へえ、と素直に相打ちを打つと、いふさんはどやり、といった誇らしげな顔をした。
そんな顔が、見た目と反して可愛かった。
うん?可愛い…?
「でも、メニューは違うかもな」
歩きながら突然、いふさんはそう呟いた。
「そうなんですか」
「魔果実のジュースとか、カエルのパンケーキとか、蛇肉入りオムライスとか…」
「ちょっ、ちょ、待って待って!!」
なんか嫌な料理が出てきて、思わずストップをかける。
考えただけで、震えてくる……。
「俺、魔果実のジュースにしときます…」
「そうか、カエルとか美味いけどな。」
うわ、この容姿とカエルって合わない。
魔界ってそういうものなのかな。
俺は魔果実のジュースを、いふさんは魔果実のアイスを頼んだ。
味は…ドラゴンフルーツとマンゴーを混ぜたような味だった。
他にも魔界では有名な建物を見たり、いふさんのお気に入りの場所へ連れて行ってもらったりした。
「今日、どうだったか」
「楽しかったですよ」
「そうか、…ならよかった」
その微笑み、声。
俺には持ち合わせないものだった。
その次の日も、また次の日も毎日のようにいふさんは姿を現した。
その度に抱きつかれたり手を握られたり…。
どうにもスキンシップが多い気がする。
本当に、そういうのはだめだと思う。
だって、それをしてくるのがイケメンなんだよ、?
初めはあんまりいい気持ちじゃなかったけど…、だんだん感覚がおかしくなっていった。
今日は夏休みの最終日。
あれから、毎日のようにいふさんがうちの神社へとやって来るようになった。
いふさんは俺にしか見えていないらしく、俺がいふさんと話している時にお客さんが来ないか心配だった。
それこそ、俺がお祓い受けることになっちゃうし…。
そして今日も、いふさんはやってきた。
「よっ」
お決まりの挨拶。
耳馴染みの声。
「明日から、この時間に来ても俺いませんよ」
そう伝えると、いふさんの表情が少し寂しそうだった。
「寂しいですか?」
「……まあ、ね。今は毎日会ってるし」
その答えに少し嬉しくなる。
「で、婚約するの。しないの」
「……」
ああ、言われてしまった。
答えを出したくない質問。
「俺…魔物祓わなくちゃいけないんです。知ってますよね」
「うん」
なんでそう…当たり前のように頷いてくるんだこの人は……!!
「それに、俺は人間だし…」
人間と魔物など聞いたことがない。それに人間の方は魔物を払う仕事を持っているとか。
「だめです、俺は立場的に」
そうやって理由をつけなきゃ、俺の心が静まってくれない。
なのに。
「じゃあ、立場的じゃなくて、お前の心的にはどうなんだよ」
なんでこう…この人はその奥を突いてくるんだ……!!!
「好き、です…っ」
ぽろっ、と涙が溢れた。
「初めは、なんだこの人、って思ってたけど…もう、だめです…いふさんずるい…」
嗚咽が漏れる。
ださい。
いふさんにこんな姿見せるの、嫌。
「父さんと母さんになんて言われるわからないし…っ」
「泣くな、」
涙を拭く腕を掴まれる。
「父親と母親は俺が説得してやるから、お前はどうしたい」
泣くな、って言われるから怒られるのかと思ったけど…こんなにみっともない俺に、いふさんはちゃんと向き合ってくれるんだな。
その気持ちに、泣きながら笑みが溢れる。
「俺は、いふさんが好きです」
「そうか」
「今すぐじゃなくていいから…もっと、いふさんのこと知って…もっとお互いを知った時に、結婚したいです」
「やっと、正直になったな」
優しく微笑まれながら、頭を撫でられる。
照れてしまいそう…いや、照れる。
「もう一回聞く。俺でいいんだよな?」
「はいっ」
今までの夏休みで一番、今が幸せだと感じる。
「あ…俺…魔物ってどうすれば…」
「別に、魔物は祓ったっていい。ただ、まあ悪い奴だけな。」
「え、いいんですか…?」
てっきり、もうだめ、って言われるのかと思っていたから予想外だった。
「俺を祓わなければな。」
「さすがにそれは…」
「だよな」
二人で笑い合う。
幸せ。
その後、いふさんは本当に父母を説得してくれた。
いつも少し上からの話し方をする人だったから、説得する姿は圧巻だった。
「結局、本当のところは…なんで俺にしたの?」
「タイプだったのは本当だが…魔界と人間界の良い架け橋になってくれると思ったんだ」
「そうだったんだ…」
タイプだったのはそのままだったんだとして…そんなことを俺に思っていてくれたんだ。
満たされた気持ちになる。
俺は、彼の綺麗な唇に、
自分のものをそっと重ねた。