目を開けるとそこは見慣れた自室の天井だった。体を起こそうとするが、体が重く上手く起き上がる事が出来ない。諦めて元の体勢に戻った。
sh「、、、どんくらい経ったんだ?」
窓を見るがシャッターで固く閉ざされていて外を見る事は出来ない。この部屋には生憎時計も無く時間を知る事は出来なかった。
sh「んんっ、、、喉、、、乾いたっ、、、。」
ベッドの隣に置いてある水を取ろうと体を捻る。掴みはしたものの、麻酔のせいで力が入らない。
sh「もう、少し、、、」
やっとの思いで掴むとしっかりと両手で持ち口へ運ぶ。一口、二口と水分を取り込むが、次の瞬間手の力と飲み込む力すらも弱くなり口から水が溢れる。床には落としたペットボトルの水が広がっていた。
sh「、、、、、、本当に俺は皆んなを救えてんのかな、、、?父さん、母さん、、、。」
小さいながらでも記憶はちゃんとあるものだ。
俺がここに来たのは10年前、、、。それまでは普通に父さんと母さんと一緒に楽しく過ごしていた。ところが、突然家に知らない人達がやって来て俺は家族とバラバラにされた。
最後に父さんと母さんにshkにしか出来ない事なんだ、、、と頭を撫でられたのを覚えている。
それからは離れ離れになって一度も2人の顔を見ていない。だから毎月届く母からの手紙が唯一の俺と家族との繋がりだった。しかし、その手紙もいつからか届かなくなっていた、、、。
寂しい、、、会いたい、、、けど、手紙でいつも言ってくれていたあの言葉を思い出す。
『今は会えなくて寂しいけれど、私達のもとに産まれてきてくれて有難う。世界を救うあなたを誇りに思う。愛してる。』
その言葉だけで俺は家族にも世界にも喜ばれているんだと感じれた。だからここまで頑張ってこれている。
けど、、、今はもう、、、わからない、、、。
俺に救われた人はどのくらいいるの?
母さんや父さんは元気にしているの?
どうして手紙が来なくなったの?
目に見えないモノばかりで日に日に不安だけが積み重なっていく、、、。俺は何の為に誰の為にここにいるんだろう、、、。
sh「ふっ、、、うっ、、、うぅ、、、っ」
何の涙なのか、今ではもうそれすらもわからない。ただ、ただ泣く事しか出来なかった。
第4話へ続く
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