テラーノベル
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第1話ー刺客
ーATTENTION
・うちよそ
・多少のグロテスク表現(ほぼ全話に見られます)
・姉妹百合
・圧倒的知識不足。間違っているところもあると思いますが脳内補充して下さい
技名等所々GPTさんの力をお借りしています
進む▽
▼
「母さんも人使いが荒いよなぁ…」
両手に重そうな荷物を提げた彼女が言う。
彼女の名前は佐藤美代。私の実の姉だ。
「まぁ、俺は楽しいから好きだよ。依織と一緒ならな」
なんて。にこ、と笑う姉の姿に私は愛想笑いを返した。
「なんだよ依織〜」と少し唇を尖らせる姉になんだか笑みがこぼれる。
歩くたびにガシャ、と重そうな何かが重なる音がする。二人の足音と、静寂に響くその音が私は好きだ。
✦ ✦ ✦
私達の足音が路地裏に鳴る。それと共に私達以外の音が聞こえた。姉の袖をくい、と引っ張る。
「…お姉ちゃん、居る。」
「折角の依織とのデートを邪魔されちゃ困るよなぁ…」
袋の中から武器の類を取り出す。
「…どんどん近づいてる。どうする?」
「あぁ。依織、走れる?」
「もちろん」
そう言って私たちは走り出した。買った武器は必要最低限以外置いて来た。死んでしまったら元も子もない。
「…っ、」
敵から無我夢中になって逃げていたら袋小路の餌食となっていた。
どうにもならない状況に溜息も出ない。
「……」
静寂が私たちを包む。先に破ったのは男たちの方だった。
「ここ迄だ…黒藤。お前らは絶対に許さねェ」
何のことを言っているのだろう。私には全くもって見覚えのない男の人達がこちらへと歩み寄ってくる。
「…勘違いしてね?俺たちは別に何もやってねぇって」
呆れたように姉が言った。
「勘違い?する訳が無い。お前らは黒藤の娘だろう?こっちは何人も居るんだ。降参するなら今だな。」
「はぁ。そういう感じね。じゃあこっちも容赦せずに」
ニヤリと笑った姉の横顔が瞳に映る。そう言って姉は彼らに向かって刀を抜いた。私は銃での護衛を任されたと瞬時に把握し拳銃をホルダーから取り出す。
「小娘ごときに負ける程俺等も弱かぁねぇ」
そういった瞬間。彼の右腕は遠くへと飛んだ。痛みに藻搔き苦しむ。なんとも滑稽な光景だ。
私は彼の為にも姉の為にも彼の脳天に向かって銃を向ける。引金を引く。脳漿が辺りに飛び散った。
「残りも行ける?」
「うん。お姉ちゃんも無理ない程度でお願い」
「任せろ」
そう言って私たちは次々と倒していった。辺りに赤い池が出来上がり始め、残りの人数もあと2,3人といったところだろう。
「…あ、」
しまった。ジャムだ。諦めて拳銃を地に落とし私は短剣を取るため太ももの辺りに手をやる。その瞬間だった。
「っ、ぁ」
電流が体に走る。スタンガンだ。一瞬の隙を突かれた。身体が痺れて動けない。意識も朦朧としてきた。
「っ、依織?!」
姉の声を最後に私は意識を失った。
✦ ✦ ✦
「…り、依織…!!」
姉の声で目を覚ます。知らない部屋に戸惑いを隠せず急いで飛び起きる。
「えっと…ここは?」
「捕まったっぽい。連絡入れようと思ったら綺麗に圏外なのな。」
スマホを見せつつ私に説明をしてくれる。
あの後二人まとめて捕まっちゃったんだ、と罪悪感が降り注ぐ。
「…ごめん、私のせいでお姉ちゃんまで」
「大好きな依織と一緒だから大丈夫。むしろ嬉しいくらいだよ。場所はちょっとアレだけど…」
なんて姉は笑い、私の頭をくしゃりと撫でた。
「…ありがと、」
少し恥ずかしい気持ちも混じった声で呟いた。
携帯が使えないとするとどうしようもない。戦えそうな手持ちは──短剣と狙撃銃。それと姉が…二刀、と何か持っていて欲しいところだが。
「…脱出、するか。依織、こっち」
姉が力尽くで重そうな木製の扉をこじ開ける。姉の力もあり、意外と簡単に空いてしまう。
私たちはこれからどうなってしまうのだろう。生きて帰れば儲けものか。と半ば諦めつつ私は姉の後を追った。
コメント
8件
刀…カッケェ、 僕百合苦手ってのを 撤回しようかな、
週2投稿です。月・木更新
ガチで書いてらっしゃってた…好きやわぁ…