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*注意⚠️桜に空想の親が出てきます。(すぐに消える)
桜遥。誰もが一度は聞いた事がある名前だろう。どんな人であろうが一度は必ず聞いたことのある大規模な企業のSakura Corp.のオーナー経営者、桜松風の唯一の子供である。
温厚で優しく威厳のある桜松風の子供、桜遥はさぞ蝶よ花よと大切に育てられたのだろう。世間一般的に普通はそう思うだろう。
だが現実と想像は違う。
『表』では、桜松風は誰もが良い人だ、とそう考えるかもしれない。だけど裏の本性はそうではなかった。
桜遥は日々苦しめられ虐待されていた。自分の両親から。
残酷なイジメ。止められない一方的な暴力。貶すような言葉。裏の顔は気持ち悪いくらいに酷く醜いのが桜遥の“親”だった。時には部屋に動物の死体が吊らされていた。自分は醜い、と何度も何度も言わされた。いつの間にか薔薇の花びらのように鮮やかな痣や深い傷口は増えていった。
「お前みたいな存在、産むんじゃなかった。」
「気持ち悪い見た目してんなぁ、なんだよその不気味な眼と髪、野良猫かよ。」
「絶対にこの部屋から出るな。俺たち以外の誰かがお前を見つけたら、、そん時は分かってるよな?」
親の顔以外は見た事がない。部屋から出た事も一度も無い。あまり難しい言葉も教育も分からない。何が『正解』で何が『間違っている』事なんて知らない。
だけど桜遥は抵抗できなかった。自分の実の“両親”に嫌われ、鏡で他の人とは違う“醜い”自分の姿を何回も見せられた結果、自己嫌悪に囚われた。それでも自分の親のやり方は間違っていると分かっていた。だけどその時はまだ弱く幼く考える力もあまりなかった。
そんな数年経ったある日、桜遥は逃げた。自分の親から。見えない運命から。自分から。
通り過ぎる人達は皆んな彼の事を二度見する。分かってて桜遥の聞こえる音量で不気味だと、気色悪いと言う。桜遥は聞こえないフリをした。その中でも特に彼の見た目を嫌う物たちは、彼に喧嘩を売った。
喧嘩しか分からず、喧嘩だけが自分のある価値だと思った。普通の10歳には過酷な日々を過ごし、いつしか売られた喧嘩は全て買うようになった。強くなるために、自分の存在を、価値を証明するために。
「ひ、ひがし、、かぜ???まち??あの漢字なんて読むんだ?」
桜遥が15歳の頃、ある町の商店街にたどり着いた。そこには有名なケンカ最強の不良高校があると言われ、とりあえず家になる所を探し、誰もいないボロアパートに住む事にした。
自分の価値を確かめるために行き着いた所。それが桜にとっての第一印象だった。
お、可愛い子はっけーん。
「ねぇ、そこの可愛い子ちゃん」
「…」
あれ、無視?
「あれぇ、無視はよくないよー」
囲んだ後、やっと目を合わせた。おー、何その警戒心丸出しの視線。
「どいて」
「可愛い声だね〜」友人の一人が言った。
ってか全然怖がったり怯えたりしないじゃん。
「ねぇだからどいてってば!」
「そんな事言わないでさー行きたいとことか無いのー?したい事とかさー」
「…あんたらの顔に、卵ぶつけてやりたいけど、」
「?」
「手ふさがってるし、もったいないからやらない。」
ふーん、だったら無理矢理にでも、、、
「気の強い女の子は好きだけど、あんまり強気でいると痛い目みるよ」
腕を強く掴んだ。コレくらいしないとずっと暴れるだけだからね。
「ちょっ、痛い!!」
ぽんっ
「あ゛?」
弱い者イジメ。弱いのに自分が強いと勘違いする奴。自分の信念を曲げる奴。
全員ヘドが出る。
「こんなんで自分が強いって勘違い出来る頭どうなってんだよ…」
弱すぎるあまり、思った事を口から溢した。
「ったく、どいつもこいつも…」
「…」
ふと視線を感じ、逃げようと歩き出した。
「あ、ちょっと!ねぇ!」
そういや学校って何処だ?地図とかあんのか??考えている中、急に走る音が聞こえると思ったら腕に感触が伝わった。
「ねぇってば、ありがとう」
さっき倒した奴に絡まれてた奴か?思わず誰に話しているか確認するが、周りに人はいない。
「…」
「え、
まさか
俺?」
「あんた以外に誰がいるのよ…」
こいつ、今俺に、、、あ、あり、、、感謝したのか???
『ねぇってば、‘ありがとう’』
そいつのまるで「当然の事」をしただけって言っている呆れた表情に思わず顔が熱くなった。
いやだって、礼言われたらどうすりゃあ良いのか知らねぇんだよ!!今まで言われた事ねぇんだから俺は!!
「べっ別にお前を助けた訳じゃねーし!!さっきの奴が気に食わなかっただけだし!!」
別に、、、決して、照れてるわけじゃなく、、、何でこんな顔が熱いんだよ???、、、
「…」
な、なんだよその顔!!
「それでさ…あんたお腹空いてない?」
「はぁ、空いてねーし!!」
はい、こりゃあ自己満ですね、、、(小説書くの初心者でしてね、、、(°▽°))最近一巻からの桜愛され読めてなくて、一回爆発(覚醒?)してから書き始めました。