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僕の彼女は依存が激しい。会社の仲間との外食でさえ嫉妬するし、僕が少しでも帰ってくるのが遅いと鬼電をかける。それ以外にも、先輩からは何度も注意されている。彼女だけが僕を好いている。─────僕の人生を君の所有物にしようとしないでくれ。
「好き、大好き、だからそばに居て」これが彼女の口癖だった。その綺麗な整っているルックスから両親にはモデルになれるように児童虐待されていたし、友達もまともに出来なかった。そんな彼女は、誰かに頼らなければ生きていけなくなってしまった。
僕は今、好きな人がいる。会社の憧れの先輩。でも、今の彼女にその事を話すことはとても辛いことだと僕は知っている。
男女が付き合うということは結婚か、別れるか、の二択だということを彼女は知らない。愛人として居てもいいのかもしれない。でも、彼女をこれ以上苦しめないために別れることは大切なことだということも分かってはいる。
だから、こうして今日、別れを切り出そうと目の前にいる彼女と目線を合わせる。
「んー?神楽くん、どうしたの?お話って」
唾を飲み込み、深呼吸した。そして、彼女を傷つけないように
「ごめん、別れよ。これ以上、君を不安にさせたくないんだ。仕事の都合上、君の電話に構えなくなった。君を独りにしてしまう。」
と、僕の現状を混ぜつつ話した。
だが、彼女は発狂した。その悲鳴は僕の耳を劈く。
「なんで?なんで?私、わたし……貴方に尽くしてきたのよ…?神楽くん無しの人生じゃ虚しいだけよ。お願い……嘘だって言ってよ!!何がダメだった?ねぇ、仕事とわたしどっちが大事なのよ!!神楽くん、考え直しましょう……?私を独りにしないで……!!」
僕は彼女と自分の家を捨ててあの地獄から脱出した。彼女を愛していたの自分が今、こうなっているという現実にショックを受けつつ先輩の家へ向かった。やっと自由になれる。向かいつつ、二年ぶりに喫茶店に向かうことにした。そこで先輩用のラテも購入することにした。