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カメ吉
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ナノハナ@カンヒューズ
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カメ吉
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アイテム番号: SCP-7561-JP
オブジェクトクラス: Keter
「誰壱人訪わず抜け堕ちる(だれひとりとわずぬけおちる)」
特別収容プロトコル
SCP-7561-JPに関する情報、および発見された並行世界の記録物は、サイト-81██の最高機密アーカイブに保管されます。本オブジェクトは「概念」としての性質を持つため、物理的な隔離収容は不可能です。
そのため、財団の情報規制部門およびカバーストーリー構築班は、全世界的なSNS、精神医学データベース、および司法記録を常時監視し、「特定の人物に対する極限の呪詛・怨恨」を抱く個体を早期に特定。該当者に対しては、記憶処理(クラスA〜C)および記憶改変を施し、感情の閾値が限界点(上限突破)に到達するのを未然に防止してください。
万が一、対象者の歯牙に原因不明の脱落兆候(ステージ1)が確認された場合、直ちに全身を拘束し、鎮静下での隔離および精神安定措置を義務付けます。
説明
SCP-7561-JPは、特定の人間に向けられた「呪いたい」「消し去りたい」という強烈な悪意・怨恨が、人間の精神的許容量(上限)を突破した瞬間に発動する、概念的・認知的なKクラスシナリオ誘発現象です。
本現象は、個人の心理的ストレスの枠を超え、一種のミーム的感染拡大を引き起こします。発現した個体は、以下の極めて異常かつ甚大な生理的・物理的変異を引き起こします。
1. 歯牙の崩壊と脱落(初期症状)
発現者(以下、SCP-7561-JP-1)は、ある日の「寝起き」に、前触れもなく自身の歯がボロボロと一気に崩れ落ち、抜け落ちる現象に見舞われます。この脱落は歯科医学的な疾患によるものではなく、精神的エネルギーの物理的物質化現象であり、痛みはないと訴える者が多いのが特徴です。
2. 大規模な社会的連鎖と「歯の怪物」の形成
この現象が一定数以上の人間に同時に発生した世界線において、抜け落ちた無数の人間の歯は、空間的・現実改変的な引力にとって特定の場所に集合する異常性を示します。
過去に財団が回収した並行世界の記録によれば、ある世界線では日本国内の「琵琶湖」の全域を完全に埋め尽くすほどの莫大な量の歯牙が一点に集中し、それらが結合・肥大化。幾重もの硬質ケラチンと怨念で構成された超巨大な「歯の集合体怪物(Keter-class Entity)」を形成し、その世界の文明を完全に崩壊(XK-クラス: 世界終焉シナリオ)させました。
3. 発見経緯
本オブジェクトの存在は、本部サイト-01のO5評議会室の直近にある廊下にて、突如として発見された一冊の「古いノート」によってもたらされました。
ノートは、見覚えのない高塩分の海水で濡れ、ボロボロにふやけていましたが、そこに記されていた文字はすべて流暢な「日本語」でした。そこには、前述の「歯の怪物によって滅ぼされた並行世界」の惨状と、この概念が日本から広がるという予言が克明に綴られていたのです。
この異常事態を受け、EN支部(本部)とJP支部(日本支部)の間で、組織の存運をかけた緊急合同会議が召集されることとなりました。
議事録: 財団EN-JP緊急合同会議
日時: 2026年██月██日
場所: サイト-01・臨時安全会議室(およびセキュア回線による接続)
出席者:
グラス博士(EN支部 / 心理学・異常精神医学専門)
クレフ博士(EN支部 / 対抗ミーム・戦術部門主任)
宇喜田(うきた)博士(JP支部 / 異常存在・災害リスク管理部門)
虎屋(とらや)博士(JP支部 / 呪術・オカルト概念分析部門)
[記録開始]
グラス博士「……さて、皆さん。お揃いですね。EN支部、そしてJP支部の主要メンバーによる緊急合同会議を開きます。議題は、O5の部屋の真ん前という、世界で最もセキュリティが硬い場所から見つかった『あのノート』についてです。まずはJP支部、あの日本語で書かれた航海日誌……もとい、滅亡世界の記録についてどう見解をお持ちですか?」
宇喜田博士「……頭が痛い話ですね、グラス博士。結論から言えば、あのノートに書かれていた『特定の誰かを呪いたいという感情が上限突破して歯が抜け落ちる』という現象、および『琵琶湖が歯で埋まる』という予測は、絵空事ではありません。JP支部の観測網でも、国内のいくつかの地域で、個人の強い憎悪と連動した微弱な現実改変の波形をキャッチしています。……ですが、私から見てアレはただの比喩だとは思いますがね。ノートによれば『まるで琵琶湖を下から溢れるくらいまで埋め尽くせるであろう数の歯が沢山の人の口から抜け落ち、血と共に世界の中心で纏まり、大きな物体…もとい『怪物』か『バケモノ』になりあがった。』なんて書いてあるぐらいですからね」
クレフ博士「おいおい、待てよ。たかが歯が抜けるだけで世界が滅ぶのか? 笑わせるな。俺の散弾銃でその『歯の怪物』とやらの頭を吹き飛ばせば一発で解決するんじゃないのか?」
虎屋博士「クレフ博士、物理的な暴力でどうにかなるスケールの話ではありません。あれは『怪物』が本体なのではなく、人間が抱く『呪いたい』という普遍的なドス黒い感情の概念そのものが、歯というカルシウムを触媒にして実体化しているんです。つまり、人間の怨念がある限り、何度でも、どこからでも湧き出てくる」
グラス博士「その通りです、虎屋博士の言う通りですね。私たちが危惧すべきは、あのノートがなぜ『EN本部の、しかもO5の廊下』に流れ着いたのか、その経路です。あれは単なる記録ではない……『警告』、あるいはこの世界への『招待状』だと言い換えてもいい」
宇喜田博士「ですね。並行世界を渡ってきたあのノートの存在自体が、このSCP-7561-JPがすでに私たちの世界をターゲットに捉えている動かぬ証拠だ。だからこそ、EN支部との合同で、この厄介な概念を日本支部が主導して正式に収容・管理する必要がある」
クレフ博士「ほう、日本支部が引き受けるってか? なら、もし国内で誰かが『元恋人を呪い殺してやりたい』とか思い詰めて、朝起きたら歯が全部抜け落ちるパニックが起きたらどうするんだ? お前のところの職員だけで抑えられるのかよ」
虎屋博士「そこは抜かりありません。すでにJP支部では、心理学的なカウンセリング体制と、呪詛の蓄積をリアルタイムで感知するミームセンサーの配備を進めています。……もっとも、日本人の『表向きはニコニコして、裏で強烈な呪いを溜め込む』という国民性(県民性も含めてですが)は、このミームの培養床として最悪の環境ですがね」
グラス博士「フッ……皮肉なものですね。人間の心にある最も醜い澱(おり)が、世界を滅ぼす引き金になるなんて。――分かりました。本件の第一種収容権および現地管理は、日本支部(JP)に一任します。ただし、万が一の『琵琶湖事案』の兆候が見られた場合は、即座に本部の戦術部隊を投入する。異存はありませんね?」
宇喜田博士「ええ、望むところです。……やれやれ、私の専門は災害リスク管理のはずですが、まさか人間の『嫉妬と呪い』の尻拭いまでさせられるとはね」
クレフ博士「せいぜい頑張るんだな、宇喜田。あ, そうだ, もしその『歯の怪物』が出てきたら, 俺の分もいくらか残しといてくれよ。たまには派手にぶっ飛ばしたい気分なんでね」
[記録終了]
コメント
1件
うわあ……これ、めっちゃ怖いし面白い……! 歯が抜けるってだけでゾッとするのに、それが世界滅亡のきっかけになるなんて。しかも「呪いたい」っていうドス黒い感情そのものって概念が、ちゃんとミームとして描写されてて、めっちゃ引き込まれた。クレフ博士と虎屋博士の温度差も好き(笑)。最後の「俺の分も残しといてくれ」でちょっと和んだけど、全体的に重くて繊細で……みぅ、このダークさ大好きです🥀✨