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これが「陽キャ」なるものか
任務に授業の毎日。怪我こそしないが人手不足で即戦力な私達特級は徹夜は当たり前。最近、ゼロとヒロのLINEを返せていない。大丈夫かと内容は心配するものに変わっていった。
「大丈夫だよっと」
部屋で1人、テレビをつけると学生旅行についての特集がされていた。
「いーな…」
コンコンコン
ノックの音がする。
「空いてるよ」
「やあ」
「傑じゃん。どうした?」
「今日のお土産渡そうと思って」
「ありがと。私もお土産あるよ。ちと待って」
「ああ、ありがとう」
傑は帰ってきたばかりなのだろう。疲れているように見える。
「どう?呪術師は慣れた?」
「まあまあかな。芹那は御三家だもんね」
「まあ、そうね。生まれた時から呪術師だよ」
「大変だね」
「慣れてしまえばってとこあるよ」
「そうか」
そう言うと傑もテレビを見る。
「学生旅行なんて、そんな暇無いよね」
「したいのかい?」
「うんまあ、憧れはある」
「4人で行こうか」
「行けるかな」
なんせ、特級の3人に反転術式が1人。
「今度休みが被ったら行こう。2人にも話してみよう。きっと行きたがるよ」
「LINEするか」
4人のグルラに招集をかけると近々みんなの休みが被るではないか。
「「「「よし、行こう」」」」
こうして旅行が決まった。
やってきたのはtdl。明日はシー。泊まりだ。
「初めて来た」
「家族旅行とかしなかったのか?」
「すると思う?」
「「いいや」」
「そういう2人は?」
「私はちょくちょく家族と来ていたかな」
「私もそんな感じ」
「へえ」
「おい!早く行こうぜ!!」
「落ち着けよ悟」
「芹那は何でそんなに平常心でいられるんだよ!俺もう楽しみで仕方ねえよ!!」
「良かったな」
「じゃあ行こうか」
結論から言うと最高の2日間だった。近々2人にも会うから、お土産買って帰るか。
「芹那」
「何傑」
「お土産、家族にかい?」
「いいや、おさななに」
「へえ。君にはそんな人がいるんだね」
「そ。悟と違ってね」
「芹那、俺には紹介してくんなかったんだよ」
「する必要ないだろ」
「その人達は呪術師なのを知ってるのかい?」
「知らないよ。言う必要ないしね。傑だって言ってないだろ?」
「まあ、確かに…男かい?」
「うん」
「…」
「お前ら、終わったか?」
喫煙から帰ってきた硝子が居た。
「硝子はお土産要らないの?」
「家に帰るのも面倒だ」
「なるほ…あー、鈴木らに買っていこうかな。悟は佐藤に買ったんだろ?」
「応」
「鈴木?」
「佐藤?」
「芹那と俺のお手伝い」
「へえ」
「あー、やっぱ家の者にも買って帰るか」
「御三家と言うから、もっと殺伐としているのかと思ったよ」
「あー、俺らが強いからみんなあめえんだよ」
「成程な」
「じゃ買うか」
こうして4人の旅行は終わった。
「ただいまー」
翌日、任務のついでに悟と本家へ帰った。
「お待ちしておりました。悟様、芹那様」
「これ、同期で行った旅行のお土産」
「ありがとうございます。皆で食べます」
「ん、じゃ」
「ゆっくりして行かれないのですか」
「任務あるから」
「左様でございますか。お気をつけて」
「んー」
後から聞いた話だが、家の者は皆、悟様に友達が出来たらしいと騒ぎだったらしい。どんだけ今までぼっちだったんだよ悟。
暫くして、久々にゼロとヒロに会った。
「「セリ!!」」
「ゼロにヒロ!久し振り」
「…元気だったか?」
「元気だけど、どうかした?」
「セリ、隈が酷いよ」
「あー、実習が多くて。徹夜とかざらなんだよね」
「大丈夫か?」
「大丈夫。あ、これ、言ってたお土産ね」
「「ありがとう」」
そこから色々話した。
「へえ。ゼロはそっちでも優秀なんだな」
「そうなんだよ」
「セリが居ないと寂しいよ」
「私もふたりが居なくて寂しい」
「…あのさ」
「何?ヒロ」
「俺ら2人で話してたんだけど、3人で旅行行かない?」
「え!いいね。どこ行く?」
「西の方は修学旅行で行くからな」
「へえ。修学旅行あるんだ」
「そっちは無いの?」
「ないない」
「今時珍しいな」
「ねー」
「詳細はまた今度考えよう。今は沢山話しがしたい」
「ふふ、そうね」
たくさん話してその日はお開きとなった。2人と話したからかとても元気が出た。五徹ぐらい余裕かな。
「芹那」
「傑じゃん」
「おかえり」
「ただいま」
寮の共同スペースに傑が居た。
「プライベートの外出なんて珍しいね」
「おさななに会ってたの」
「楽しめたかい?」
「とても。傑は何してたの?」
「芹那を待ってた」
「何かあった?」
「今夜、私の部屋でゲームするんだ。だからお誘い」
「りょーかい。シャワー浴びてそっち行く」
「待ってるよ」
「はーい」