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崇がメイクをして出勤準備をしているとあかりが吐いていた。
「大丈夫?」崇はあかりの背中をさすった。
「私妊娠したんだ。」二人は手を取り合い喜びを分かち合った。
「名前考えなきゃね。」
「そうね。」あかりを病院に送った。
「結果聞かせてね。」
「うん。」と満面な笑みでお腹をさすった。崇は女装カフェの着替え室で俯いていた。子供にどう言えば良いのか不安が募っているからだ。
「何しょげてるの。」
「店長あかりが身篭ったんですが少し不安で。」店長は崇の頭をぽこんと叩いて「あんた達ならやれるよ。」と励ました。
「でも父親が女装してるって知られたら…。」
「今は多様性の時代だよ。」店長の慰めに頷くしかなかった。
「一番不安がるのはあかりちゃんなんだから支えてやりなよ。」と言って先に店長が着替え室を出た。崇はパンパンと顔を叩いた。
「頑張ろっ。」小さな声で呟いた。
あかりは寝室で安静にしていた。
崇は接客と掃除を終え帰宅した。
「ただいま。」
「お帰り先生が女の子だって。」あかりは崇を抱きしめた。
「そうかきっと可愛いんだろうな。」偽りの笑顔であかりのあたまを撫でた。
「ねぇ明日服買いに行かない?」
「良いね買おう。」崇は不安を打ち明けられずモヤモヤモヤモヤした。
翌日二人は子供服を選んでいた。
「これとかどう?」
「可愛いね僕良いパパになれるかな…。」ポロりと弱音を吐いた。
「何言ってるの?あんなに喜んでた癖に。」
「嬉しいよけど女装男子が父親になる資格なんて。」あかりは深く悲しんだ。
「崇…のバカ…。」
「あかりを傷つかせてごめん僕の気持ちも汲んで。」崇は必死に説得した。
「分かったこれだけは言わせて私を裏ぎたら許さないからどんな気持ちで私が前の夫に裏切れたか…。」
「裏切らないよ…僕が悪かったね。」崇の誓いと謝罪に涙を拭いた。
「崇が居からここまで来れたの。」あかりを優しく抱きしめて「お互い支え合おう。」と囁いた。