⚠️死ネタ、微グロ表現あり⚠️
ふと目が覚めた、朝6時半。
いつもよりずっと早い時間に目が覚めた。
何故か目が覚めてしまった。体が勝手に起き上がってて、
なんでかは分からない。
光に彩られた照明。
貴方の薄紅色のパーカー。
貴方が寝た形跡のない僕のすぐ横のダブルベットのシーツ。
つけっぱなしのパソコン。
雑な脱ぎ方が貴方を思い出させる、窓際に置かれたスリッパ。
開きっぱなしの撮影部屋のドア。
いつも通り。
なのに、何かが違くて。
心臓の鼓動が早まって、収まることを知らない。
どくどくどくどく。
心臓の音がうるさくて、必死に巡らせる思考を邪魔する。
まるで考えてはいけない、と止めるように。
なんで、何かが違う。
寝起きで働かないはずの頭は、もうとっくに目覚めきっていた。
ぐるぐると思考が脳を駆け巡る。
とてつもなく悪い予感が、心の中を渦巻いた。
そこからの記憶はない。
ただ、家のドアを思いっきり開けて、家のベランダの下まで。
ただただ走った。頭の中をよぎる地獄を無理やり振り払って。
振り払いきれない思考は脳を侵食して、脚をもつれさせていく。
あ、ダメだ。そう思った時には腹部と地面が触れ合っていた。
「……っ」
短いズボンから血がつつつ……とたれている。
道にぽたりと落ちた赤い雫を放って、すぐに駆けだした。
風が膝の傷を撫でる。
痛い。
けど、今脚を止めてはいけない。そんな予感が足を無理矢理動かして。
走って、走って、走って。
普段ベランダの下なんて行かないから、少し道に迷ってしまった。
やっと着いた。
ここが…………
そう足を踏み出した瞬間。
そこには自分が最も恐れていた、欠片も望まない光景が広がっていた。
貴方と思われる崩れた肉片。
赤黒く塗られたようなアスファルト。
針金の白い柵を染める赤い雫。
こういった類のものは苦手だったはずなのに、すぐに駆け寄った。
ほんの僅かな希望を心の中で握りしめて貴方の口元に耳を近づけるも、
生きている証拠である「それ」は聞こえなかった。
貴方の顔。
赤黒く少し乾燥した雫が張り付いている。
その時から、もう大分時間が経っているのだろう。
その上に、自然と溢れ出た自分の雫が重なって。
赤黒く張り付いたそれは溶かされて、涙のように頬を伝った。
綺麗だ、なんて思ってしまった自分の心は、もうとっくに壊れているのだろう。
思考なんてもう随分前に止まっていた。
ただなるべく長くあなたのそばに、ずっと、なるべく多くの時間を共に。
そんな自分勝手な考えしか浮かばなくって。そんな自分が怖かった。
周りの家の人の甲高い叫び声を聞くまで、ただあなたの横にしゃがみこんでいた。
また記憶が無い。
家には帰ってきている。
目の前には貴方らしい筆跡で綴られた、「遺書」という文字。
手が勝手にそれを掴んだ。手は震えていて。
でも、それでも、確実に手に取った。
貴方の字だ。
少し崩れた字の傍には、少し無理していたであろう貴方の、感情をこぼしたあとがあった。
読み進めるたび、自分のことなんて後回しで、
メンバー、家族、そして僕のことを想ってくれる貴方の気持ちが溢れていた。
心の中を読んだのは自分だけだと思ってたけど、
貴方のあとを追おうとしていたこと、読まれちゃってたね。
やっぱりあなたには敵わない。
いっぱい努力してた。
自分の時間なんてほとんど削って、メンバーに尽くして。視聴者さんに尽くして。
僕には程遠い、綺麗で儚い貴方。
思い出しては、狂った体が不思議と押さえ込んでいた嗚咽が漏れ出てくる。
「う、っ……あぁ、くっ、……うぅ……」
きっとあなたはこれの何千何万、何億倍も苦しい想いを抱えていたんでしょう。
誰にも相談せずに、最後まで1人で。
最後まで綺麗な人だった。最後まで美しい人だった。
みんなを笑顔に、そのためなら自分なんて。
貴方らしい生き方、だったね。
迎えに行かないなんて約束、
心が弱い僕には守れそうにないから、きっとあと5分後には君のもとにいるよ。
遺書の右下に、
「僕もずっと同じ気持ちです。
あとは任せたよ。僕の大切な3人へ。」
と記して。
赤黒く染まったアスファルト。
その上に、貴方が生きていた証に……もう一度身体を重ねたい、そう思って。
ちょっとの勇気で飛び込んだ。
地面が近づいてきて、意識がとだえた。
少しばかり僕たちには生きにくい世界だったみたい。
そっちではきっと、掴めなかった現実では実現不可能だった幸せを。
きっとこの手に。
ずっと一緒。
「何があっても」。
永遠に、愛してる______________________
コメント
6件
う"わぁぁぁ、涙腺崩壊、涙ボロボロフォローして正解だった
泣く😭😭😭泣いた😭😭😭
リアルで涙腺崩壊した(´;ω;`) うううううぅあああ((