〜前書き〜
こんにちは、雪夜です。今回で最終話となります。今回は長めに作りました。 健全な方なので安心して読んでください。投稿がものすごく遅くなってしまい、大変申し訳ありませんでした。
それでは、本編どうぞ。
〜本編〜
今日こそ平和に暮らしたい。
僕はそう望んで出社した。
だが、、、
「、、、助けて欲しい、、、」
「き、、、鏡花ちゃん、、、?何があったの、、、?」
「この部屋、、、大変なことになってるの、、、」
「え、、、?」
ただならぬ空気を感じて、僕は恐る恐る扉を開ける。すると、部屋は真っ暗で物が散乱していた。さーっと全身の血の気が引いて、冷や汗が出てくる。真逆、、、
「、、、後ろ、危ない!」
「、、、っ!?」
そう云われて、反射的に後ろを振り返る。次の瞬間、、、
パンッ
小さな爆発音が聞こえたと思ったら、キラキラしたテープやリボン、紙吹雪が僕に降り注いだ。
「、、、へ?」
「サプラーイズ!吃驚した?」
「、、、太宰、、、さん、、、?」
「サプライズ成功?」
「うんうん♪完璧だよ鏡花ちゃん!見給え敦君の表情を!想像通り、、、あれ、、、? 」
「、、、うん、頑張ってね」
「えっ、ちょっ!鏡花ちゃ____!」
「だ、ざ、い、さ、ん!?(怒)」
「ヒェッ、、、」
今日は、平和なはずだった。
「心配したじゃないですか!あんな重たい空気で嫌な予感もして!何かあったらって、思っちゃったじゃないですか!」
「私が悪かったって、、、御免ね、、、」
「もう、、、!」
怒るのも疲れてきたので、僕は一旦太宰さんを許してあげることにした。しかし、怒りと一緒に出てきたのは疑問だった。何であんなサプライズを用意したんだろうか、、、誕生日でもないし、なにかの記念日でもない筈、、、
「、、、敦君?」
「、、、なんであんな事したんですか?」
「ん?あぁ、忘れたのかい?今日は敦君が探偵社の入社試験合格記念日だよ?」
「、、、えっ!?」
真逆の記念日!吃驚した、、、!でも判る、それだけじゃない。絶対何か知ってる。今までこんな事してこなかったし。
「、、、何で今更サプライズなんかするんですか?僕もう三年目(そういう設定にさせて下さい)ですけど、、、」
「ん?したくなった時にするものでしょ?サプライズ」
「他にも何か理由があるんじゃないですか?」
「え〜?云っちゃう?良いの?皆が居る所で云っちゃって」
「なんか怖いので辞めてください」
「良し、じゃあ一寸席外すね〜」
「、、、敦、お幸せにね」
「え?」
突然乱歩さんが口を開いて吃驚はしたけど、言葉の意味は深く考えないようにした。
嫌な予感がするから
探偵社を出て、階段を下りると、其処には芥川も居た。
「と、云う訳で、改めてサプラ〜イズ!」
「「何が!?」」
「わーお仲良しだね」
「「仲良くない!」」
あぁ、もう!本当に何でこうなるんだろう、、、!平和な日よ、さようなら、、、
「太宰さんは一体何がしたいんですか!?」
「あれ、私云ってなかったっけ?二人が付き合ってるの知ってるって」
「聞いてないですよ!」
「そうだっけ?まぁいいや、それでお祝いしなきゃって思ったのさ」
「、、、何となくこうなるだろうとは思ってたけど、、、!」
「ふむ、誰にも話していない筈だが、流石太宰さんだ」
確かに誰にも話してないのに何故太宰さんが知ってるんだろう、、、?そう思った僕は、芥川と付き合い始めた時からの記憶を辿って見ることにした。太宰さんと会ったのは、、、
「、、、あ!公園で会った時、、、!」
「おや?気付いちゃった?」
「公園、、、あぁ、あの時か」
黒蜥蜴の皆さんを見かけたあの公園で、太宰さんは木陰に隠れていた芥川を見つけて何も云わずに帰ってしまったときの事だ。あの一瞬で僕らの関係を見抜いてたのか、、、
「芥川君は分かりやすいからね。私が敦君と話している間、ずっと嫉妬してる目で此方を見ていたのだよ」
「僕はそんな目をしていたのか、、、!」
「芥川って嫉妬するんだ、、、」
「表に出さぬよう気を付けていたのだが、、、」
「バレバレだねぇ」
バレちゃったのは仕方ないとして、受け入れてくれてるみたいだから良かった、、、これで危険だから別れろとか云われたらどうしようかと思った、、、
「まぁ、初めは吃驚したけど 私だって中也と付き合ってるし、気にしないよ。探偵社の皆も受け入れてくれるさ、きっと」
「、、、そう、、、ですね、、、」
「気が向けば報告する予定です。それ迄お待ちいただければと」
「私は良いよ。心の準備は念入りにしておくものさ。それじゃ、後は二人っきりで、ごゆっくり〜 」
太宰さんが帰ってしまい、二人っきりになった所でやりたい事は特に無い。取り敢えず公園に行って二人でゆっくり話そうということになった。
「、、、何でずっと此方見てんだよ、、、 」
「見たいからだ」
「はぁ!?///」
付き合ってることがバレてるという事を知ったからだろうか、もう隠す気はないようで外でもお構い無しに好きアピールしてくるようになった。公園に着いてから一時間、あまり会話は続かないものの、嫌ではなかった。芥川の事が好きで、今付き合ってるって改めて実感すると恥ずかしかったり嬉しかったり、色んな感情が混ざる。
「、、、あ、日が落ち始めたな」
「そうだな、暗くなる前に帰るとしよう」
「え、もう、、、?まだ、、、一緒に居たい、、、」
自分でも吃驚した。芥川とまだ一緒に居たいだなんて思う日が来るとは、、、一瞬固まってしまったけど、隣に座り直してくれた。顔には出てないけど、満更でもなさそうだし、嬉しそうだ。
「、、、なんだよ、文句言わないのか?」
「今迄の僕なら切り刻んでいただろうな」
「怖、、、」
「今は不思議と不快ではない」
「、、、そっか」
芥川が、微笑みながらそう云う。普段笑わない奴が笑ってるのを見ると何だか変な気分になる。でも、いっか。
ヨコハマの海と、芥川の嬉しそうな顔と、照れくさくなって少し赤くなった僕の顔を、夕日が優しく照らしていった。
今日は、平和で幸せな一日だったな
〜終わり〜
コメント
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最後まで読んでくれてありがとうございました。改めて、投稿が遅くなってしまい、誠に申し訳ございませんでした。楽しんで読んでいただけてたら幸いです。 次回作もぜひ、よろしくお願いします!