テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
日曜日。いつも通り昼に起きる海。
日曜日は最高なのだが、もう土日が過ぎ去ってしまうのかと思うと憂鬱になる。
いつも通り歯を磨いて顔を洗う。寝癖も直さずにインスタントラーメンを、あくびをしながら作る。
いつも通りテレビをつけ、お昼の番組をザッピングする。日曜日昼。おもしろい番組はやっていなかったので
nyAmaZon(ニャマゾン)プライムで、お笑い芸人、百舌鳥さんの番組、同席酒場を見ることに。
箸で麺をつまみ上げて、息を吹きかける。白く昇っていた湯気が奥の方に靡く。
猫舌ではない海も、猫舌でも、猫舌じゃなくてもやる息を吹きかけるという通例行事を行い麺を啜る。
部屋に1人。テレビの音が響く中、感想もなくただ麺を啜り咀嚼する。
一方の風天(ふうあ)。海と同じように昼に起きたものの機嫌が悪い。
それもそのはず。前日に口の中を火傷していたためである。
「はぁ〜…」
歯を磨くのも億劫。なぜなら歯ブラシが上顎に少しでも当たれば
「いっ!」
右手に歯ブラシを持ち洗面台に両手をつき、首を垂れる風天。
そう。歯ブラシが上顎に少しでも当たれば痛いからである。
「最っ…悪」
女子高生のような言い方になる風天。
いつも以上に時間をかけて歯を磨き、痛さに項垂れながらも、時間をかけて口を濯いだ。
「お昼…どうしよ」
オシャレな部屋のオシャレなキッチンで悩む風天。悩んでいるもののなにも考えていない。というのも
「…あぁ〜…。なんも考える気しねぇ〜…。なんもする気も起きねぇ」
前日の夜、居酒屋「命頂幸(しょく)」で海と食べた唐揚げの熱さという名の“ひのこ”は
風天の上顎に思ったよりも大きなダメージを与えていた。効果はバツグンだ。
「あぁ〜…。はぁ…。コンビニで飲むゼリーでも買ってくるか?いや」
飲むゼリーも、あんなに柔らかいものでもあたると痛い。
「うどん?いや」
うどんも痛い。
「飲み物だけで済ます?」
しかし飲むだけでも痛い。
「え。オレこれから5日くらい飲まず食わず?」
そんな訳ない未来を想像する風天。
「いや死ぬ死ぬ。いや、食っても飲んでも死ぬ」
どちらにしろだった。
「コンビニ行って飲むゼリー買うかぁ〜」
ということで軽く髪をセットし、服を着替える。
「…あぁ〜…。なんも考える気しねぇ〜…。なんもする気も起きねぇ」
と言っていたとは思えないくらいしっかりキメている。
海はどちらかといえばインドア、風天はどちらかといえばアウトドアな性格で
アウトドアな性格だが、一度家から出るからには複数の用事を済ませたいという考えの性格でもある。
横着といえば横着、計画的といえば計画的、行き当たりばったりといえば行き当たりばったりである。
玄関に向かいながらワイヤレスイヤホンを耳に入れ、音楽を流すためスマホを取り出す。
「んん〜…」
と少し考え、踵を返し、ベランダに出る。Yシャツのポケットに入れていたタバコの箱を出し
タバコの箱からタバコ1本、ライターを出し、タバコを咥え、ライターで火をつけ、吸う。
「いった。マジか」
タバコの煙ですら火傷に染みる。
タバコを人差し指と中指の間に挟みながら親指の付け根部分を額にあて項垂れる。
「マジか?」
現実を受け入れられず、口の右端で吸ってみたり、左端で吸ってみたりしたが
「あぁ…ダメだ」
痛かった。
「もったいない…」
と言いながらベランダの灰皿に、まだ長いタバコを押し付け火を消す。
左手に持っていたスマホをタバコがなくなった右手に持ち替えて右手でメッセージを打ち込む。
急にごめんね!今日なにか予定ある?
風天からのメッセージを受け取った愛大(まな)。
キッチンの換気扇の下でイスに座りながら右手でタバコを吸う。
タバコを一旦咥えてスマホを右手に持ち替えて、タバコを左手に持ち替える。
「今日この後かぁ〜…」
「愛大ぁ〜…おはよ」
海綺(うき)が起きてきて愛大に挨拶をする。
「ん。海綺おはようさん」
「早いね」
「早かないって。もう1時やで?」
「眠っ…」
「相変わらず寝起きはぽわぽわしとんのぉ」
「してへんわ」
「しとるわ。はよ顔洗ってき。目くそついてんで」
「ついてへんわ」
と言って洗面所へ行く海綺。同棲しているカップルが如く
海綺の歯ブラシも歯ブラシ置きに挿してあるのでそれを使う。
「海綺ぃ〜?」
歯を磨いている海綺に話しかける。
「んん〜?」
「この後出掛けてもいい?」
「んー?えういいいえお(別にいいけど)。あんああうん?(なんかあるん?)」
全然言葉にはなっていないが愛大には伝わる。
「まあ。あ、別に家いてもええけど」
「んんー…」
「念の為スペアキー渡しとくから。もしうちが帰る前に出なあかんってなったら
それで鍵閉めといて?今度会うとき持ってきてくれたらええから」
「んー。わあっあ(わかった)」
返信を打ち込む愛大。飲むゼリーと、癖でアイスコーヒーを買ってしまい、アイスコーヒーを入れる機械の前で
なんで買った?
と後悔する風天。コーヒーが入れ終わるまでの短時間、スマホを出して確認する。
愛大「どっか連れてってくれるんですか?」
「どっか連れてってくれるんですかっつってもなぁ〜…」
思わず声に出る風天。
「足ないしなぁ〜…」
「足」とは車やバイクなどの移動手段のことである。
入れ終わったので、スマホをしまい、コーヒーにプラスチックの蓋をして
コンビニ店内のイートインスペースに行き、イスに腰掛ける。コーヒーを傾ける。
ジャラガラとコーヒーの中の氷が動く感覚が手に届く中、コーヒーを眺める。息を吐いてチャレンジしてみる。
「はいダメー」
ダメだった。案の定痛かった。コーヒーをテーブルに置いてスマホを出し、愛大に返信を打ち込む。
「お昼どーするー?」
歯を磨き、顔を洗い終えたのにまたベッドで寝転がる海綺に愛大が言う。
「んー。どーしよっか」
「うちインスタントラーメンとかカップ麺しかないぞ」
「相変わらず可愛げないラインナップだね」
「上京夢置いバイトなんてこんなもんやろ。実家暮らしはえぇなぁ〜」
「別にー?それこそ大学中退で夢追ってるロクでもなし子ちゃんって感じだし」
「ええやん。家賃なし食費なし。どんだけいい物件やねん」
タバコを吸い終わった愛大はスマホをキッチンに置き、蛇口を捻り水を出し
タバコの先端、燃えている部分を水につけて火を消し、蛇口を捻り水を止める。
足で踏めば蓋が開くゴミ箱の蓋を手で開け、燃えるゴミに捨てる。
キッチンに一時的に置いていたスマホを右手で取る。
風天からの通知が来ているかと思い、通知の欄を開くと案の定メッセージが来ていた。
風天「どっか連れてってほしいとことかある?ま、車もなんもないけど。
ていうかお昼食べた?」
「カップ麺ん〜カップ麺ん〜」
と自分ん家(ち)のようにカップ麺を漁る海綺に
「お昼食べてきていい?」
と聞く愛大。
「へ?」
「誘われちった」
「誰に?」
「泥好木(どろすき)さん」
「えぇ!?マジ!?」
「マジー」
「えー行ってきなよー。カップ麺食べてカップ麺全部回収して帰るから」
「ふざけんな」
と言いながら「行ってきなよ」と言われたので風天に
「まだ食べてないです。奢ってくれます?w」
と返信して服を着替えメイクをする。そしてピアスをつけかえる。
「ピアス変えるの珍しいじゃん」
カップ麺にお湯を入れ終え、待っている海綺が言う。
「んー。まー」
ピアスをつけかえているので空返事になる。
「そんなピアスしてたらつけかえるのも一苦労か」
「んー。そうね」
つけかえるのに苦戦したピアスもあり、ピアスつけかえるだけでなかなかな時間を要した。
「どお?」
愛大が立ち上がる。
「おぉ〜。珍しくオシャレ」
「珍しくは余計や」
海綺は麺を啜りながら親指を立てる。愛大も無言で親指を立てる。
小さな、ショルダーバッグにもできるバッグを肩からかけて玄関へ。
「んじゃ。行ってくる」
「んー」
麺を飲み込んで
「いってらっしゃい」
と言う海綺。それに対して笑顔で手を挙げる愛大。ドアが閉まっていく。
部屋に1人になる海綺。テレビの音、カップ麺の匂い。愛大の部屋着に、寝癖がついた髪を触る。
愛大はオシャレして出掛けて、私はカップ麺食べながら1人
愛大とは付き合いもそこそこ長く、お互い親友という認識で
海綺とは見た目も中身も正反対に近いくらいの位置にいるので、比べたり、嫉妬したりはしないが
そもそも海綺がすぐに人と比べ、劣等感を抱くタイプなので
玄関から出ていくときのキラキラした愛大に勝手に劣等感を抱いてしまった。
同じく麺を啜っていた海だが、麺が底をついて
「ご馳走様でした」
と呟き、手を合わせる。キッチンに持っていき、どんぶりを洗う。
水切り台にどんぶりを置いて、シンクに向かって手を振り、手についた水を振り払う。
しかしそれですべての水分は取れないので、腰に手をあてるような仕草で
あたかも「拭いてませんよ?腰に手あててるだけです」というように
腰に手の甲をあて、お次は掌、そんな感じで服で手を拭いた。
リビングに戻る。テレビを見る。好きな百舌鳥さんの番組なのでおもしろい。
しかしなにをするでもない、するとしてもいつも通りのゲーム。
しかもFPSゲーム。対人ゲームはプレイスキルが如実に出る。
時間がある学生と時間がない社会人とは差が開くばかり。海は後者。
もちろん学生でもへたな人、社会人でもうまい人はいる。だが海はそんなにうまくない。
至極平均点なプレイスキル。初動で死ぬことも珍しくない。
さらにバトルロイヤル系対人FPSゲームというのはチームを組むことが多い。
もちろん友達と組んでボイスチャットしながらというのもあるが
1人で野良、いわば知らないプレイヤーと組んでプレイすることもある。
なので良い人もいれば良くない人もいる。うまいプレイヤーもいればへたなプレイヤーもいる。
へたなプレイヤーでも良い人であれば「しょーがないか」と思う。
うまくても良くないプレイヤーの場合は「なんでこんなやつがうまいんだよ」と辞めたくなる。
へたでなおかつ良くないプレイヤーの場合はコントローラーをぶん投げたくなる。
うまくて良いプレイヤーの場合、友達になりたくなる。どちらにしろ1/2の確率で嫌な気持ちになる。
なので1人でできるRPGだったりアクションゲームだったりを探そうとするが
ゲームを探しているうちに好きなゲーム実況者がやってたりして
その実況動画を見ていたら「もういっか」という気持ちになったり
探すのを忘れていたりして、結局新しいゲームに行き着かない。
こんなとき喫煙者であればタバコを吸うんだろうな
とベランダを見る海。
こんなとき彼女とかいれば、休日出掛ける?とかなるんだけどなぁ〜
と思ったときになぜか海綺の顔が思い浮かび、スマホの画面と睨めっこする海。
「…はあ…。あと5日もこんな辛い思いすんのか…」
たかだか10秒くらいでチャージできそうな容量のバナナ味を時間をかけて飲んだ風天。
そんな風天の肩が叩かれる。振り返ると手を挙げた赤髪の笑顔の愛大がいた。
「おぉ」
と言いながらワイヤレスイヤホンを外す。
「すいません。お待たせしました」
と言う愛大。
「いやいや。大丈夫だった?」
「あ、はい。奢りって聞いたら飛んできます」
と笑う愛大。
「現金な子だ」
と笑う風天。
「お褒めに預かり光栄です」
と頭を下げる愛大。
「褒めてない。とはいうもののそーゆー性格のほうがいいよ」
と笑う風天。
「なにが食べたい?なんでもいいよ。あんま高いのじゃなければ」
「んん〜…どうしようかなぁ〜…」
と考える愛大。
「あ」
となにかを思いつき、スマホで調べる。
「ここ行きたいです!」
と言う愛大の案内でお店に行き、席に着く。
「私オムライスとジンジャーベールで、お願いします」
「オムライスが食べたかったのね」
「はい」
風天も一応メニューを確認するが、飲むゼリーを食べたし
なにより上顎が痛すぎるので、すぐにメニューを閉じ、ボタンを押す。店員さんが来てくれたので
「オムライスとジンジャーベール。あとプリンとアイスコーヒーお願いします」
と言った。店員さんは注文を繰り返す。愛大は「え?」という目で風天を見ている。
「ですね。少々お待ちください」
「はーい」
頭を軽く下げて去っていく店員さん。
「え、ちょ、泥好木さん」
「ん?」
「お昼プリンだけっすか?胃袋自称病んでる系女子っすか」
「なんだそれ」
と笑う風天。
「いや、口の中火傷してさ?」
「あぁ〜。猫舌っすか。わかります。私も猫舌なんで」
「いや、猫舌ではないんだよねぇ〜」
「なんだぁ〜。お仲間だと思ったのに」
「猫舌じゃないんだけど上顎火傷しちゃって」
「うわぁ〜…考えたくもない」
「固いものとか炭酸とか、冷たいのもあったかいのも無理で」
「じゃあプリンも無理じゃないっすか?」
「プリンはまだ試してない。ま、キツいと思うし
なによりオレがなにも頼まないってのもバツが悪いじゃん?」
「そんなもんすか?」
「そんなもんす」
店員さんがまずはプリンとジンジャーベール、アイスコーヒーを運んできてくれた。
「いただきます」
スプーンでプリンを掬う風天。それをストローでジンジャーベールを飲みながら見守る愛大。
口に入れ咀嚼する風天。顔が歪む。
「あぁ〜…」
愛大がなんともいえない表情で声を漏らす。
「ダメでした」
「ダメでしたねぇ〜」
と言っていると店員さんが
「お待たせしました。オムライスになります」
とテーブルにオムライスを置いて、伝票を確認して、伝票をクルッっと丸めて透明な筒に入れて
「ごゆっくりどうぞ」
と言って頭を軽く下げ去っていった。
「どもぉ〜」
愛大はオムライスの乗ったお皿を自分の元に寄せ
「じゃ、いただきます」
と風天を見て言った。
「どうぞ」
スプーンでオムライスを掬う。スプーンで割られたところから湯気が立ち昇る。
「熱そ」
「火傷しないように」
「大丈夫です。猫舌は慎重なんで」
と言いながら息を吹きかける。さらに息を吹きかける。
「まだ冷ます?」
半笑いで風天が言う。愛大はコクンと頷いてから
「そういう怠慢が火傷に繋がるんですよぉ〜?」
と得意気な顔で言われて
「それはそう」
と言うしかない風天。愛大もやっとスプーンを口へ運ぶ。
「んん〜。うまぁ〜」
「それはよかった」
と言いつつも涎が分泌してくる。トロトロ卵のビジュアル
トマトが強いソースの香りが美味しそうなものはもちろんだが
愛大がめちゃくちゃ美味しそうに食べるのである。
「美味しそうに食べるねぇ〜」
「ありがとうございます。ただ私じゃなくてここのオムライスが美味すぎるだけなんですよ」
と言ってスプーンでオムライスを掬い、息を吹きかけて冷ましてからそのスプーンを風天に差し出し
「食べてみてください」
と言う愛大。
「お」
真正面で見た女の子の食べ物を冷ますときの顔
さらには、おそらくなんの意図もないだろうが不意打ちのあーん。
その光景に高校生のときに付き合っていた彼女を思い出す。
「ありがたいけど、口が…」
「あ、そっか」
スプーンを引く愛大。
「今度来たときに食べます」
「そんときも誘ってくださいよ」
と言った後にスプーンに乗せたオムライスを食べる愛大。
「そのときも誘ってくださいよ」という発言に嬉しかったが
「…奢りで?」
とその嬉しさを隠すように茶化す風天。
オムライスを咀嚼しながら笑顔になる愛大。無言での「そうです」という意味である。
「坂木田さんが良ければ誘うよ」
「やったね」
オムライスを食べ終え、ジンジャーベールを飲む愛大。
「そういえば、今日なんで誘ってくれたんですか?」
アイスコーヒーを飲んで顔を歪めた後
「あぁ〜」
と言って顔の歪みを直してから
「いや、火傷したって言ったでしょ?」
と話す。
「今も痛そうでしたね」
「そ。コーヒーですら痛いのよ」
「ご愁傷様です」
「だからお昼どうしようかなって思ってさ?コンビニでゼリー買おうと思って。あの飲むタイプの」
「チャージ系ですか?それともバナナとかりんごの」
「バナナです」
「美味しいっすよね」
「うん。美味しかったけど痛かった」
「あらら」と言わんばかりに顔を歪める愛大。
「で、コンビニに行くためだけに外出るのも癪だから、いろんな出掛ける用事作ろうと思って」
「なるほど。…ん?私はついでってことですか?」
と少し怒ったような、不機嫌なような顔を向ける愛大。
「いやいや!コンビニがついで。坂木田さんがメイン。…なんか言い方おかしいけど」
と言うと表情を崩し、クスッっと笑って
「嘘っすよ。冗談です」
と言う愛大。
「お、おぉ」
と返すものの、心の中で反省する風天。
「タバコ吸いたいっすけど…。どこのお店も全面禁煙ですよねぇ〜」
と全面禁煙の文字を見ながら言う愛大。
「そうねぇ〜。オレが吸い始めた頃はファミレスも分煙だったんだけどねぇ〜」
「あぁ〜「喫煙席ですか?禁煙席ですか?」ってやつですか」
「ま、そうね。なんか坂木田さんが言うと大阪来た気分になるわ」
「お。そうですか?いいじゃないですか」
「大阪の人って大阪弁直さないってほんと?」
と風天が聞くと、自分のことを指指す愛大。
「ここにおりますやん」
「ま、そうなんだけど。全員そうなのかなって」
「全員ではないと思いますけど」
「なんで直さないの?」
「なんで。なんでって言われても…。単純に東京弁より好きだからですかね」
「東京弁より好き。ま、東京の言葉って特徴ないもんね」
「ないっすねぇ〜。あと冷たい」
「冷たい?」
「なんていうんやろ。こー…。冷たい」
「説明になってねぇ」
と笑う風天。
「なんやろ。言葉に温度がない?って感じっすかね?」
「おぉ。まさに冷たいだね」
「とにかく、東京の言葉は冷たいんですよ。なんしてんねん!ってのも東京だと
なにしてんだよ(抑揚なし)じゃないですか」
「そんな宇宙人みたいな感じではないけどね」
「え、こんな感じじゃないですか?なにしてんだよ(抑揚別パターン1)
なにしてんだよ(抑揚別パターン2)…あぁわからへん」
「なにしてんだよ。って感じかな?」
「それ。ね?大阪の、なんしてんねん!のほうが温かみないですか?」
「まあ…熱はこもってるよね」
「ですよね?大阪帰ると、あぁ〜帰ってきたなぁ〜って思いますもん。
ま、お行儀は東京のほうがありますけどね」
「まあ…そこはたしかにね」
「よゆーで歩きタバコしてますからね」
「そうそう。大阪行ったときカルチャーショック受けたわ。ま、さすがにオレはしなかったけどね」
「さすが東京人!偉い!」
「いや、オレ元は道民だけどね?」
「あぁそうでしたね」
と風天はコーヒーを、愛大はジンジャーベールを1/5まで飲むまで
大阪、北海道の話などをして盛り上がった。