「Ladies(レディース)♡
and…(アンド)
Gentlemen(ジェントルメ──ン)!!」
「怪盗キッド!!よし、それぞれの配置につけ!」
時間通りに怪盗キッドが煙幕と共に登場し、船内に中森警部の呼びかけが響く。
「く、黒羽君と…怪盗キッド…」
「だーかーらー、違うって言ってんだろ?」
ずっと快斗に疑いをかけ、半ば確信していた白馬の目の前でアリバイを証明されてしまい、困惑しているのを横目にケケケ、と笑いをこぼす。
「あの怪盗キッドは何者なんですか」
「流石のオレでも知るはずねーだろ?突き止めるのが探偵さんの仕事ってやつなんじゃねーの?」
「…そうですね。その前に、工藤君はどこに行ったんです?」
怪盗キッドをやってるんだよ、なんてことを言えるはずもなく口からでまかせを吐く。
「そういえば工藤、体調を崩した女の子を医務室まで運んでいったぜ」
「そうだったんですね。ですがすぐに戻ってこないとは、やはり怪盗キッドにあまり関心がないんですか…」
(ハハハ…コナンのときのしつけー姿を見たらそんなこと言えなくなるぜ…)
己が好敵手だと認めるほどに今まで対峙をしてきた快斗は、密かに空笑いをする。
「…とりあえず、貴方は誰の変装でもなく本人でしょうし僕はキッドを追います。黒羽君はここで待っていてください。」
「はいはい」
(ケケケ!上手くいったみてーだな。工藤には感謝しねーと…)
怪盗キッドを追いかけにいった白馬を横目に、快斗はほっと一息をつく。
「快斗くんはここにいるぞ!やっぱり変装は怪盗キッドの十八番だと知らずに騙されたやつがリークしたんだろう!」
そうして警察の疑いも同時に晴らすことができた快斗は、新一が逃走しやすくなるようにの尽力することにした。
「やはりここに来ていたか、怪盗キッド。」
(白馬なら来ると思っていたが、さすがに早くねーか!?)
そんな心の内を悟られないよう、自分は怪盗キッドだと言い聞かせポーカーフェイスを作る。
「よおヘボ探偵。さすが、来るのが早かったな」
「警察もこちらへ向かっている。観念したまえ、キッド!」
(よし、キッドも焦っている!)
若干焦った顔を見せたキッドだったがすぐにいつもの表情へと戻し、月へビッグジュエルをかざす。
「これも目当てのものじゃなさそーだし、返しておくぜ。」
「では、またいつか月下の淡い光のもとでお会いしましょう…。」
そうして投げられたものを受け取っている隙に、怪盗キッドは煙幕と共に空へ飛んでいく。
「月に照らされた蒼く綺麗な瞳。あれは本当に、」
(黒羽君、なのか…?)
続く
コメント
6件
初コメ失礼します 小説を読んでいる気分になるほど文章力が凄かったです! めっちゃ面白かったです!m(。≧Д≦。)m一気見しちゃいました!
フォロー失礼します!
おお!!成りすまし大成功だね!! キッド=黒羽快斗だと思っていた人にとっては凄く衝撃的だったんだろうな……🤭🤭 とりあえず今のキッドが新一だってバレてなさそうだし結果的には良かったのかな?……って思ったら白馬は何か感じてるし……!!やっぱり探偵として感が凄い……💦