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スバ真緒

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スバ真緒

1 - オーバードーズ

♥

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2025年05月14日

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スバルと真緒が自傷行為、オーバードーズをしています。

このような行為を助長してるわけではございませんのでご了承ください


ドラッグストアの独特な匂いが鼻をかすめる

はやる胸を押さえながら風邪薬コーナーへ足を運んだ。

マスクと帽子を深く被り、風邪薬コーナーを彷徨く姿はまるで不審者。


誰もアイドルやってるなんて思わないんだろうな、

心のなかでひとりごちてなれた手付きで紫色の箱をとる。

値段をみるとまた値上がりしていて目を細めてしまった。


前まで200円くらい安かったのに、、

カモフラージュ用のOS-1を買い、少し調子わるそうにレジへ向かった。


相変わらず薬剤師を呼ばれるときはドキドキする。よくないことだってわかってるから。


「用途用法守って使用してくださいね。」

と冷たい声を向けられ心臓がひゅんっとなる。

すみません、と心のなかで謝りながら会釈だけして帰路に着いた。


今日は金曜日。どれだけ体調がわるくても、誰にも言われない。

あの、脳が痺れてだらけた感覚がよみがえりつい、息があらくなる。


「メジコン、、久々だな」


軽い箱をからからと振ってゆるく弧を描く口元を押さえた

銀色のシートから小さな粒を取り出し、40t程水で流し込む。


エゴサをして30分程度たった辺りだろうか、鼓動が早くなりじわじわと脳が動かなくなってくる


「っあ~、、キタ、、」


dxmが脳に回ってくるのを感じ、思わずベッドに飛び込んで浸りたくなった。

でもまだ耐えられる、と思いエゴサを続けさらに15分後。文字が目の上を滑って頭にはいってこなくなる。スマホや部屋の電気がやたら眩しくてブレーカーごと落としたくなる感覚に陥った。


「ふ、は、腹減ってたからめちゃくちゃキまる気がする、、!あー、あ、、」


そんな支離滅裂な独り言を呟きながらたどたどしい足取りで電気を消しにいき、ベッドにダイブする。


手足が伸びたり縮んだりする

みみがバグってジリジリ細かな音を立ててる

なんとも言えない多幸感にぅ、とかあーとか、言ってみたり

、、辛いことだったことがフラッシュバックしたり


なんで、こんなのにはまってんだっけ、俺

周りにおいてかれる劣等感とか

エゴサでの酷評とか、そんなのだっけ、


最初は夢ノ咲でODをしてる生徒を取り締まってたとき、錯乱している生徒になんでこんなことした、とかそんなのを先輩たちが問い詰めてるときに言ってた言葉。


「これは、嫌なことを忘れさせて、くれる」


生徒が、俺を見つめてきたときはドキッとした。見透かされているような気がした。

あの焦点の合わない目に。

その生徒は腕にも自傷行為をしたあとがたくさんあり、精神疾患と診断され休学中らしい。


それから、二年にあがり生徒会長になった時。

慣れない立場や業務に追われ些細なミスをして桃李に小言を言われる。

部活でも思った結果が出ず、焦燥感で余計プレーに身が入らなくなってきた。


それでも笑わなきゃ、明るくいなきゃ俺はここにいる意味がなくなってしまう。

TrickStarでの活動も、なんだかぼんやりとした、今までの輝きは消えてしまっている。それでも前向きに考えてる北斗にスバル。情報収集やエゴサをして今の現状をよくしようとしている真。


じゃあ、俺は?

俺は、衣更真緒は、なにができる?

生徒会長だからなんだ?なにも変わってないじゃないか


じっとりと汗が出てきて、重いはずのからだが落ち着かなくなってくる。

鬱屈とした考えもアカシジアの方に気を取られ、思考がdxmの波に沈んでいく。



何分、何時間たったんだろう。

身体から沸いてくる変な汗やアカシジアに耐えてぼんやりと微睡みのなかに目を閉じていると、ぐるっと胃のなかが混ざって急激な吐き気に教われた。


「っや、ば、やばぃやばい」

閉めていたドアを開き、トイレへ駆け込む。歩っている間も襲い続ける吐き気に喉がぐるぐると聞いたことない音をたてていた。


白い便器がみえた瞬間、喉にくすぶっていたものを吐き出した。

「ヴエッ、ェッ、オエッ、、ケホッケホ、」


焦点が合わず、痛いくらいに開いた瞳孔で吐瀉物をみると、白い粒がうっすらわいていた。

「もったいね~、、にせんえん、すんのに、」

立つことすら辛くなりずるずると床に座り込む。

ぐらぐらと目が揺れ、飲みすぎた、と直感的に思う。

やっとの思いで吐瀉物を流し、座り込んで目を閉じていると、急に扉が開いた。


「、、サリー?」


「スバ、ル?」


早寝早起き健康体である明星スバルがこんな深夜に起きてるなんて。


「サリー、顔色だい、だいじょぶじゃないよね?ちょうどトイレ行こうと思って起きちゃって、、」

「ぁ、う、ああだいじょぶ。なんか、食いすぎたっぽい」

「ええ!サリー珍しい、、って思ったけど夜ごはん食べてないよね。どうしたの。」


どっ、と心臓が嫌な音を立てる。

スバルは真とセットでアホコンビ、と呼ばれるくらいアホなところがあるが、変に勘が鋭かったり、天性のアイドルさ故に周りをよくみていたりする。


まさかこんなところで発揮されるなんて。

脳内がパニックを起こし、また胃から喉に吐瀉物がせりあがってくる。


「っゔ、、」

「わーっ!サリーごめん!体調わるいんだった!ぜんぶ吐いちゃえ」

そうやって背中をさすられるが全く胃からものが出てくることはなくただ気持ちわるさが残るだけだった。

ここを乗り越えたら気持ちいいのに。吐けば全部すっきりするのに。

嘔吐くばかりの俺の口元にスバルのかたちのいい指が添えられる。


「ん、ぁ、すばるきたないから、」

「サリーのなら汚くないよ。口開けて。楽になろうよ」


そうやって指先が俺の舌の付け根に当たって吐いたと同時にスバルの顔が歪む。


「サリ、これ、、」

「っあ、、」

俺の口内に見慣れた白い粒。俺を苦しめる、苦痛から解放するそれ。

俺は全部吐き出してしまった。

それもスバルにみられてしまった。


ずっと、好きだったのに。

スバルのこと。

眩しくて、星みたいに輝いてて、俺のなかでの指針であり友達であり、仲間。

いつの間にか憧れは恋に変わってた。

俺はそれに気づかないふりをしていた。

だって俺がそんな気持ちを持っていいはずない。

「サリー、これ、、」

「ご、め、気持ちわるくて、嫌わないでくれ、俺スバルのことすきだから。ほんとに、嫌われたくない、、」

「ううん、嫌わないよ。だって俺も同じだもん。」


吐瀉物まみれの俺をそっと抱き締めてくれるスバル。

あったかくて、心地よくて涙が出そうだった。

「ほらみて。ここ。」

すらりとした細い腕にある赤い細い傷跡。

縦に並ぶそれは、明らかに切りつけられたあとだった。

「俺、サリーみたいに薬は飲まないけど腕とか足とか切っちゃうの。調子わるいときは手首切ったりとかして頭をスッキリさせんの」

スバルは少し自虐的に笑ってから俺の頭を撫でた。

いつもみたいにわしゃわしゃとする撫で方ではなく、壊れものを扱うように柔らかく。

「ねえ、サリー。俺サリーのことすきだよ」

「、、は」

俺は友達じゃなくて、恋愛として、といいかける俺にスバルがふにゃりとこちらへ笑いかけて俺の言葉を遮った。


「ちゃんと。サリーとおんなじすき。恋愛としてサリーのことがすきだよ。」


バカになってしまった頭がこの言葉を飲み込むのには時間がかかってしまう。

やっと嚥下した言葉は諦めてながらずっと欲していた言葉で。

緩む涙腺から涙がこぼれでた。


「おれも、俺もスバルのことがすき」


しってる、と俺の汚い口に柔らかい感触が降ってくる。

それがスバルの唇だとわかるまでまた時間がかかって、俺はその間ぽかんとしたままだった。


「へ、スバル今」

「あ、ごめんサリー!勢いで、、サリーがかわいくてつい」

薬でぽやーってしてるのかわいいなって、、ともごもごと話すスバル。俺はもういっぱいいっぱいだった。


くらり、とまた薬が回り始めるのを感じて、スバルの肩にすがりつくと、ああ、と声を漏らし軽々と俺を持ち上げてしまった。軽くはないはずなのに。


「サリー、起きてる?」

「ん、おきて、る」

「あは、途切れ途切れじゃん」

とーちゃーく!☆と明るくベッドに寝かしてくれるスバル。

ふわふわと揺れるオレンジ色の髪が愛おしくてついてを伸ばして堪能する。柔らかい髪をいじりながら目を瞑ると手をゆるく握られ顔を覗き込まれたのがわかる。


「誘ってるの?サリー」

「ん、ぁ、ちがぅ」

「あは、また今度、ね」

ちゅ、と軽くリップ音がなったと思ったのを最後に俺はまたdxmの海へ飛び込んでいった。

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