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屋上での自殺騒ぎと空き教室での大暴れ(どちらも僕が騒ぎを起こしたわけではないのに、全部僕がやったことにされている)のせいで、クラスメートで僕に話しかける人は彼女とリョータ以外いなくなった。暇さえあれば隣の席から彼女が話しかけてきてくれるおかげで退屈はしないけど、これでいいのだろうかとため息をつきたくなるときもある。
しかも夏休みが近づくにつれて、特に女子たちの僕を見る目が変わってきた気がするのは被害妄想だろうか。
もちろんその変化は好ましい変化ではなく、好ましくない変化。今まで哀れみだけだったのが、哀れみが消えて憎しみがこもった視線を向けられるというか。いや、憎しみがこもった視線というより汚物を見るような視線という方が正しいか。
僕は気づかないうちに何かとんでもない失態をやらかしたのだろうか?
でもそれを女子たちに確認する勇気もなく、夏休み前、最後の登校日を迎えた。
彼女が席を外しているときに、リョータが僕の席に近づいてきた。なぜか顔が怒っている。
「いつ振られても文句言えない立場だったのに、今じゃ女神の方が夏梅にベタ惚れみたいじゃねえか」
ベタ惚れ? 好きとか愛してるとか一度も言われたことないけど。
「そう見える?」
「女子同士で話してるそうだぞ。夏梅と結婚するって。子どもができたら産むつもりだから避妊も求めてないって」
彼女はずっと僕だけを例外として、男子はもちろん女子同士でもほとんど話をしなかった。僕以外の人とも話すようになったなら、彼女の精神衛生上悪い話ではなさそうだ。