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✦『ラブレターを阻止!?』
放課後の校庭の片隅。
風間君は少し緊張した面持ちで、女の子が呼び出した場所へ向かうところだった。
——でも、後ろから視線がある。
しんのすけだ。
「ん?風間君……誰と会うの?」
しんちゃんは木陰からこっそり覗く。
風間君は気づかず、女の子と対面。
そしてその女の子は、そっと封筒を取り出した。
(……ラブレター!?)
しんのすけ、目をまん丸にする。
そして、次の瞬間――
スッ、と風間君の前に割り込む。
「おっと、なんだコレ〜?」
封筒を受け取ると、しんのすけは中身をちらりと覗く。
「あ、あの……し、しんのすけ……」
風間君は顔を真っ赤にして固まる。
しんのすけの目が一瞬、ビリリと光る。
「……字、汚っ!」
女の子はびっくりして赤くなる。
風間君は思わず「えっ!?」と声を上げる。
「でもさ〜、渡す勇気はすごいよね!」
しんのすけはにやりと笑って、封筒を元に戻す。
「……し、しんのすけ……なんでそこに……!」
風間君は小声で怒るように言うが、顔は赤い。
「いや〜、君が変な目に合うの見たくないだけ〜。
で、渡すならちゃんと字は読めるようにしてよね!」
風間君は息を整えつつ、しんのすけを睨む。
でもその目は、怒りというより、少し困惑と照れが混ざった色だった。
「……もー……しんのすけ、いちいちうるさいな……」
しんのすけは笑いながら、
風間君の肩を軽く寄せる。
「ま、オレがついてるから大丈夫ってことだな〜!」
その瞬間、風間君は顔をさらに赤くして、無言で頷くしかなかった。
——まだ付き合ってないけど、
距離は、少しずつ縮まりつつあった。