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闘志に燃えるサリンバ。トゥリンバは息絶えたカリンバが縄張りの中にいることにとても驚きました。目を真珠のように丸くしてカリンバの匂いを嗅ぎます。鼻が、「このヒョウはカリンバ。そしてカリンバを殺したのはサリンバだよ」といいました。トゥリンバは自分の鼻を信じて疑いませんでした。そして東の方角を見ました。東の方角にはサリンバの縄張りがあるのです。トゥリンバは、いつまでも、いつまでも見つめ続けました。
そして翌日。トゥリンバは動き出しました。東の方角へ急ぎます。そして、元、カリンバの縄張りだったサリンバの縄張りへ入りました。と、何故か、影からすかさずサリンバが現れました。まるで、「待ってましたよ」と言わんばかりに。
ビクリとしたトゥリンバですが、すぐに攻撃態勢に入りました。サリンバも攻撃態勢を一層強めました。先に飛び出したのはトゥリンバでした。トゥリンバはまっさきにサリンバの首を狙いました。大きく太い腕で首に巻き付け、とどめとばかりに噛みつきます。
しかし、サリンバはカリンバの戦いで学びました。できるかぎりでトゥリンバの噛みつきをかわし、両手で自分の首に巻いているトゥリンバの腕をひっかき、噛みつきました。
争いは10分近く続きました。押したり押されたりでなかなか決着がつきません。ですが、その戦いは思わぬ形で終わりを迎えるのです。
サリンバは頭にガーンっと来るような衝撃を受けてバタリと倒れました。驚いて立ち尽くすトゥリンバにも同じ衝撃が来て、サリンバもパッタリと倒れました。
サリンバとトゥリンバを倒したのはよく女王、カルーと仲良くしていた三女のメイカ。兼ねてずっと三つ子の縄張りを狙ってきました。三つ子三匹とも自分より小さく、注意力低めなので最初に縄張りを奪いたいと思っていたのです。カリンバの縄張りを奪おうと思っていましたがサリンバが先に取ったので手間を少なくして奪うことができました。
サリンバとトゥリンバは頭から血を流して倒れていました。「きっと死んだな」というように見つめるとふらりとその場をさりました。まだ二匹とも生きているとは知らずに。