──────いえもん視点──────
リビングに迎えば俺が起きるのは少し遅かったようで既に結構な人数が集まっていた。
「おはようございます。」
俺が挨拶をすれば、全員が振り返ってバラバラにおはよう、やおはようございます。などという挨拶が返される。
若干の音割れした挨拶のせいで、とでも言うべきが、左耳が水が入ったかのように聞こえにくくなる。しばらくしたら戻るので放置する。この状態に慣れてしまったのだ。
朝食を手短に済ませ、全員が起きるのをお茶をすすりながら飲む。熱いお茶が俺の体に巡ることを直接感じる。お茶が体の部位に流れるところを直に感じることが出来る。喉も潤い、目覚めも良くなる。一石二鳥と言えるだろう。
と、毎日のようにそんなことを習慣的に思っている。飽きることは無いが。
そんなことを思っていればめめさんが手を1、2回叩く。ほぼ同時に全員がめめさんの方を見る。そうすれば、めめさんの背後からひょっこりとビビさんが顔を出す。
既に居たことに驚くが、ポーカーフェイスは保ち続ける。よく考えたら戦闘する訳では無いのだからパーカーでなくてもいいかもしれない、なんてどうでもいいことを考える。
「えと…よろしくお願いします…?」
ビビさんが遠慮がちにぺこりと頭を下げる。夢を思い出し、耳を見ようとしたが髪に隠れて見ることは出来ない。髪は若干汚れが付着しているが、元々の髪が良いのか汚い、とは思わない。
「あぁ…、そうか、人数が多すぎて威圧感があったんですかね?…どうも、ここのボスに仕えている『炎』と言います。今回は別行動しますので。」
ラテさんが極限まで感情を削り落としたかのように無表情で、淡々と自己紹介をする。当然のごとくコードネームではなく、適当に思いついた名前を言っている。何故ならばラテさんのコードネームは『イーンフェルヌス』、略して『フェルヌス』だからだ。彼女もまた、ビビさんを警戒しているのが伝わってくる。
「炎の相方、『ウォーター』です。私も違う任務に当たりますが、ここであったのも何かの縁、よろしくお願いしますねッ!」
ウォーターと名乗ったうぱさんは明るく振る舞う。しかし、瞳は色を失ったかのように灰色だった。
…これほどまでにほとんど全員が警戒をしている。どことなく怪しいオーラと儚げなオーラをまとったビビさんは少し反応に困っていたようだった。
「では、皆さん散りましょうか。依頼を遂行してきます。」
めめさんの聡明で、少し迫力のある一声は、全員の意識を一瞬で仕事へと切替える。
「それでは、行ってきます!」
「ひとっ飛びしてきます」
「仲間に聞いてきますね〜」
それぞれ一言を残して、羽があるものは悠々と羽を広げ羽がないのにも関わらずひとっ飛びしていく。それを見送った後、めめさんがビビさんに向き直る。
「それではいきましょうか。」
俺達『復興チーム』も歩を進める。目指すはビビさんの町もとい、湖へと向かう。ビビさん曰く、湖の周りに街があり、そこで暮らしているのだそうだ。町、と言っても 村と言っても大差ないほどの人数だそうだ。
ビビさんは飛ぶことは出来ないそうで、るかさんが大きなコウモリを引き寄せ、その上に乗せる。大きめ、と言っても人並みに大きなそのコウモリは、もはやコウモリと呼んでいいかは分からない。
ひなさんはるかさんの上にまたがり、テンションを上げている。そのようにるかさんははいはい、と少し呆れたかのような諦めたかのような顔を浮かべる。
れいまりさんは当然のごとく飛べないため、俺の能力によって浮かばせる。まあ、れいまりさんに無重力を付与しただけだが。
ビビさんにしなかったのは無重力になれていない人に付与すれば、扱いきれなくて、そのまま落ちていく、そんな可能性があるのだ。むやみに付与できるものでは無い。
それにしても風に当たるのは気持ちがいい。飛ぶ速度が速いのでそよ風とは言えないし、決して暖かな風とは言えないが、それはそれで楽しいのだ。まあ、何回でも思う。人間にとって飛ぶ、というのは不可能とされていたのだ。それを当然のごとく飛ぶことができる俺は良く考えればすごいのでは、と少し自分に酔う。そうでもしないと、周りと比べてしまうからだ。
「どこら辺なんですか?…あぁ、申し遅れました。私のことは『天使』、とでも呼んでください。」
メテヲさんは白衣を風になびかせ、髪が暴れてはいるが、イケメンは何をしてもイケメンということでブサイクではないし、どこを切り取ってもイケメンなのだ。…イケメンと言っても可愛いよりではあるが。
よく考えたらこの組織の顔面偏差値が高すぎる気がする。顔面国宝ばっか集まりやがって、なんて内心悪態をつく。そんな煩悩にとらわれていれば、足下をすくわれるため、すぐにその思考は破棄する。
「あ…!あそこ…です…!」
ビビさんが指をさせば、そこそおおきな湖が森の中に広がっている。遠くから見るとキラキラと光に反射して宝石のような光沢を放っている。茶子さんが見ればにっこにこなのだろう、と容易に想像することが出来る。
「それでは、皆さん降りましょうか。」
ここで切ります!お久しぶりです!!めっちゃ久しぶりに書きましたわ〜!誤字脱字はお許しくださいッ!!また、待っててくれた方、本当にありがとうございます!!また毎日投稿を再開していきますので!応援よろしくお願いします!
それでは!おつはる〜
コメント
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久しぶりだ〜 誤字脱字先に対策するの草