テラーノベル
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政治的意図等一切無し。
オリカンヒュの物語を現実の政治的意図と重ねないでください。
ご理解いただければ幸いです。
大前提として、この小説の主人公はブレスです。
____初めての罪
6歳の頃。
手が、震える。
自身の手よりも大きくて重たい拳銃と、自身の手よりも大きい手袋をした手が、その手と肩を支えている。
右膝を地面についてる人物に縋るように話しかける。
「っ……、ぁ…のっ…」
「…ん?」
聞き慣れた、低い中年男性の声。
「っ……ぜー…りっつ…さんっ…ぁのっ…これっ…このっ…ひと……撃たない…とっ…です…か…?」
節々が跳ねる。声が震える、手も、足も。
……怖い。撃ちたくない。やだ、怖い。
「…あぁ。」
ゼーリッツさんが、小声で囁くように話す。
「……総統陛下が見ていらっしゃるよ。期待されているんじゃないか?」
っ…陛下が…?
「大丈夫さ、君は…国家だろう?」
……国家…
そう……だよ……ね…?
「…ほら、落ち着けるだろう?……さぁ…両目を開けて、銃口を定めて。」
……だって…僕は…っ
ゼーリッツさんの手の力が少しだけ強くなる。
暴れようと藻掻く、“党に歯向かった”という人に標準を合わせる。
「深呼吸をして…」
っ……国家…なん…だから……
ゼーリッツさんの声に合わせるように、深呼吸をする。
「そうだ、ゆっくり…」
低い、響くような声が脳に入ってくる。
っ……怖い。
目を背けたくなって、顔を背けようとした
「……前を見据えて。大丈夫、顎を引きなさい。」
腕よりにあったはずのゼーリッツさんの手が、首元にあった
それで、顔を背けれなくて…
っ……
…っ………こわい…
「……今、指に力を入れて。」
さっきまでの優しい声じゃなくて、少し声量を張った声。
ゼーリッツさんの指先の力が、急かすように少し強くなる。
もうわからなくて、とりあえず言われた通り力を込めた。
そしたら、ゼーリッツさんも指先に力を込めて…
___ドンッっていう衝撃のあと。
反動からか恐怖からか、ズルッて…そのまま後ろに尻餅をつくように倒れ込んだら、後ろにいたゼーリッツさんに受け止められた。
すごい耳鳴りがして…余韻が、残ってて…
泣いてたし、手も、足も、力が抜けて…ただ、怖かった。
床が、真っ赤に染まってて、赤黒い…
っ……
初めての殺しっていうのは、どうしようもなくこわくて、罪悪感が押し寄せてきて…
「っ……ごめっ…ごめんっ…なさっ…」
「…いいや、素晴らしいよ。流石だね。」
その言葉に…少し安心して、なんか…急に眠たくなって、ゼーリッツさんの裾を掴んだ。
「……眠いかい?」
ゼーリッツさんは、なだめるように僕の手の上に、その大きい手を重ねてくださった。
京香連邦⛩️@隣募集中
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「っ……は…い…」
「…そうか。」
ゼーリッツさんが、総統の方をちらりと見て、少ししてからいつもの声で言った。
「……なら、今日はもういいさ。」
ゼーリッツの手袋を着けた手が、ブレスの目元に優しく置かれる。
「おやすみ、我らが祖国よ。」
そのひと言で、張り詰めた糸が切れたように…眠りに落ちた。
________ひみつの会話
ゼーリッツが黒のジャケットを脱ぎ、ブレスにかける。
義務的で、淡々とした動き。
リーソングが、ゼーリッツに話しかける。
「…ゼーリッツ。」
ブレスと話すときや話しかける時の声じゃない。冷淡な…“独裁者”の声。
「…はい、Fügentz. 」
先程までの優しい声とは違う。無機質で、冷徹で、淡々とした話し方。
リーソングが、横目でブレスを見る。
「ブレスは?」
ゼーリッツにリーソングが問う。
「……寝ておられます。」
ゼーリッツは横目ですら見ずにそう言い放つ。
「…ふむ…そうだろうな。」
「いかがしましたか?」
「いや、なに。先ほどの指導を見ていると少しな。」
そして、腕を組んで続ける。
「……やはり、君に任せてよかった。引き続き頼むぞ、ゼーリッツ宣伝大臣。」
ゼーリッツが淡々とした声で返す。
「…Ehis-Lang-Fünge. 」
ブレスの手が、無意識にゼーリッツの裾を掴む。
総統が、どこか笑い交じりに目を細める。
「……随分と好かれているようだな。」
「…やりやすくて助かりますが…」
そう言いながら、裾から少し雑に、そして冷徹にブレスの手を外す。
そして、言葉を続ける。
「…なにせ、祖国は気が弱いですから。意識があるときは些細な言動に気をつけなければならない。」
「…だからこそ、私は君に頼んだんだ。君ならそれをやり得るだろう。」
「……Zeit-Valfhunrik, Fügentz. 」
ゼーリッツが自信を持って言い放つ。
その目には、立ち振舞には、どこか歪んだ狂信が映っていた。
_______総統陛下
___1930年、8歳の頃
親衛隊の制服を着たブレスが、嬉しそうに腕や服装を見つめる。
制服、初めてだ!!
「これっ…いいんですか?!」
ゼーリッツさんが、優しい声で返す。
「あぁ、勿論だとも。」
嬉しさを抑えきれなくて、腕を広げる
「っ…ゼーリッツさん!どーですか?!」
ゼーリッツさんが、目を細める。
「…あぁ、とても似合っているよ。」
ゼーリッツさんが手袋をした手で頭を撫でてくれた。
ふと、気づく。
左手…利き手の折り返しのついた袖に、「Varkin EE unt Fügentz!」《ヴァルキン・イー・イー・ウント・フューゲンツ》という、親衛隊将校にのみ刻まれる文字が、刻まれていた。
「っ……これ!」
ゼーリッツさんがしゃがみ込み、左手の手首を優しく包むように掴む
「…気づいたかい?これは優秀なものに刻まれるものなんだよ。」
「っ…!」
「さぁ、本日は総統陛下がいらっしゃる。」
!…陛下が…?!
「ちゃんとダーカス語は話せるかい?」
「っ…はい!」
……大丈夫、ゼーリッツさんに教えてもらったから…ちゃんと覚えてるから。
ゼーリッツさんが目を細める。
「じゃあ、敬礼のときはなんて言うんだ?」
「Vhan-Heif-Fügentz…? 」
「…そう、いい子だ。発音も上達してきたね。」
っ…やった…やったやった!!
心底嬉しくて、声が上ずった。
「っ……ありがとうございます!」
ゼーリッツさんが右足で立ち上がって、宣伝大臣の制服を整える。
「…もうすぐ総統陛下がいらっしゃるよ。」
______憧れ。_三者目線。
重い扉が開く音が聞こえてくる。
足音が、近づいてくる。
「…ブレス。」
ゼーリッツがブレスの背中を軽く押して促す。
「……Vhan-Heif-Fügentz! 」
ブレスは、まるで憧れの人と会ったような顔をして敬礼をする。
リーソングがブレスの頭を下に向かせるように頭を撫でてくれる。そして続ける。
「……上出来じゃないか、ブレス。」
そう言いながら、ゼーリッツに目配せをする。
ゼーリッツがうなずき、部屋の奥に入って木の箱を持ってくる。
「__…ブレス。頭を上げなさい。」
一話目、終わりです。
見てくださりありがとうございました!
Пока-пока.))
コメント
3件
読み終えました…。 6歳で初めての♡♡♡を経験するブレスの震えが、本当に痛いほど伝わってきました。「国家だから」と言い聞かせながら引き金を引くしかなかった幼い心の重さと、そのあとゼーリッツに受け止められて眠りに落ちる切なさ…ラストの制服を嬉しそうに見つめる8歳のブレスとの対比も、胸がぎゅっとなりました。ゼーリッツの優しい声と冷徹な態度のギャップも不気味で、続きが気になります。素敵な物語をありがとうございます🌷