学生マリッジサポート

「“この人”という人は…」

“ 赤桐（あかぎり）くんが言っている通り、

見込みはないって、

わかっているんだけどね”

筒井（つつい）がそう言った瞬間、罪悪感や苦しさがせり上がった。

晴兄（はるにい）は筒井が好きだろうから、筒井が告白すればきっとうまくいく。

それなのに振られると誤解しているのは……晴兄が俺たちの仲を応援しているからだ。

晴兄が自分の想いを隠して、アドバイザーとして接しているから―――。

“俺は「好きな人を

本当に幸せにしてくれる」と

思える人が現れたら。

その人となら

「絶対に幸せになる」と信じられたら、

好きな人の幸せをゆだねるよ”

晴兄は、俺なら筒井を幸せにできる、と信じてくれている。

俺が筒井にプロポーズをする、と宣言した時の、晴兄の悲しい微笑みが頭をよぎった。

晴兄が気持ちを隠しているのは、もとを正せば俺が原因だ。

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