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あえ…!?
気がついたら♡数が90になってて、すごいびっくりした。
皆さんありがとうございます♪
皆さんが読んでて楽しいと思えるものを書けたらいいなぁ、と思ってます!
相変わらず拙い文章ですが、お付き合いください。
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また、あの夢を見た。
でも今回は少し違った。私が手を伸ばしたのだ。
それは誰に向かってかはわからないけど、誰かに助けを求められたのは大きな進歩だと私は思った。
「…ん…まだねむい…」
カーテンが風によって揺れ、窓から光が入ってくる。その光は私を照らし、目を覚まさせた。
昨日はカーテンは閉まっていなかったので、おそらくルリさんが眠りやすいように締めてくれたのだろう。
って、そんな事を考えてる場合じゃなかった。
うわぁぁ…今何時なのかな。明らかに太陽が昇ってる。
「そういえば、ベルを鳴らしてって言ってたよね。」
ルリさんがそんな事を言ってた気がする。ベットから起き上がると近くにあるテーブルにあるベルをチリン、と鳴らしてみる。
「これで、本当に来るのかしら…?」
ベルの音はそれほど大きくはない。 それで外まで、ルリさんのところまで聞こえるのかな。
少し待ってみる事にした。まあ来なければ私が部屋から出ればいいだけだし。
どうでもいいけど、お嬢様口調も慣れてきたなぁ…。これからもずっとこの口調だろうし、ちゃんとできるようにならないと。
そんな事を考えていると、コンコン、と部屋のドアをノックする音が聞こえた。
え、早くない?という疑問は頭の中に置いておく。なんか無駄な気がするから。
「どうぞ」
「失礼します。お嬢様、おはようございます」
そう言ってルリさんは微笑む。
わぁ…!
私は素直にルリさんの微笑みがとても綺麗に見えた。
「ルリの笑顔って、とっても綺麗ね!」
私も真似するように笑う。ルリって呼び捨てで合ってるのかな、ちょっと不安。
そんな事を考えているとルリさんは固まっていた。
私がそんな様子に首を傾げていると、ルリさんはパァーっと表情を明るくし、私に抱きついてくる。
「お嬢様お嬢様!!」
「わっ!どうしたの?」
「お嬢様ぁ…可愛いすぎですぅ…」
えへへっ…こう言われると悪い気はしないよね。というかルリさんが可愛いのよ!
きゃっきゃとしばらく戯れているとまたドアの方から誰かの声が聞こえた。
「ルリ、何をやっているのですか」
呆れを含んだ声。その声帯は男性の落ち着いた声だった。
チラッと声の方向を見てみるとそこには執事服を身にまとった青年がそこにいた。何処かルリさんな似ている彼はルリさんと私の様子を見ている。
「ライ、これは可愛い可愛いお嬢様を愛でているのですよ!」
「は??
とうとう頭がおかしくなりましたか」
ルリさんが私をぎゅっと抱き締めたままライと呼ばれた男性に反論している。
ライ、さん?は一瞬固まり、片目の眼鏡を直す。
そしてこっちをやれやれと言った感じで見る。
「お嬢様、嫌なら言ってもいいのですよ」
「ううん、嫌なんかじゃないのよ。むしろ嬉しい!」
「お嬢様…!」
ライさんがポカンとしている。ルリさんは感極まったように目をうるませている。
なーに、このちょっとしたカオス。私は二人の顔を見る。
ライさんがそんな私に気がつき声をかける。
「おはようございます、お嬢様。
記憶が混乱していると聞いておりますのでもう一度自己紹介を。
俺の名前はライ・コイズと申します。」
「えっとライ、で合ってるわよね?」
「はい、呼び捨てで大丈夫ですよ。
それとルリ、お嬢様から離れなさい。少し苦しそうですよ。」
「あっ、申し訳ございませんお嬢様。」
ライさんは私に名前を呼ばれると少し嬉しそうに笑う。その後に表情を真面目なものに戻し、ルリさんに注意する。ルリさんは思い出したように急いで私から離れる。
うん、少し苦しかったからありがたい。
「大丈夫よ。」
と私はルリさんに声をかける。またルリさんは感極まったようにしているが、ライさんに耳元で何か言われたようで慌てて表情を戻す。
ライさんはその様子を見てため息をつくと、こちらを向く。
「お嬢様、昨日目覚められたと聞きました。お加減の方はいかがでしょうか?」
「さっきまで寝ていたからかしら…今は元気よ。」
そうですか、と安心したようにライさんが言う。
心配してくれてたのかな…?
このマリンって子、使用人には好かれていたみたい。
「ルリ、ライ、私が倒れる前って何があったの?」
ずっと気になっていた疑問を口にすると目の前の二人は顔を見合わせ困ったような表情をする。
私はその様子に首を傾げていると、ライさんが口を開いた。
「お嬢様は二日前、王家主催のパーティーに出席しておりました。
王宮に行く時に顔色が悪かったので、心配でしたがお嬢様が大丈夫とおっしゃるのでそのまま向かわれました。た。ただ…」
そこでライさんは言葉を止めた。顔を伏せ、暗い感情を宿している。
ルリさんはその様子を見て続きを話そうと口を開く。
「そこでお嬢様は、とある令嬢に刺客を送ったという冤罪を突き付けられました。
お嬢様も、御友人方も否定して降りましたが、突き付けた人物が第二王子殿下だった為、反論のすべもなく騎士達はお嬢様を捕らえようとしました。でも、そこで国王陛下がお止めになられ、お嬢様は一時的にこの御屋敷に帰って来る事ができました。」
な、なるほど…?
つまり私は断罪されかけたのね。でも一つ気になった事がある。
「待って、私と第二王子殿下ってどんな関係なのかしら?」
「それが…全く関係などないのです。強いていうのなら第二王子殿下がお嬢様をライバル視しているという噂がありますが…お嬢様と第二王子殿下の成績はかけ離れています。」
えっと…
じゃあ私、変な因縁ふっかけられて冤罪で断罪されたって事?
えぇ…なんか乙女ゲームみたい。
多分私はうんざりしたような表情をしていたんだろう。ライさんとルリさんが可哀想、みたいな目で見てきた。
そんな目で見ないで…!?
私が悲しくなってくるから
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主です。少し短めですが、新しい人が出てきました!
ちなみに主人公ちゃんは銀髪に翠色の瞳。
ルリが透明感のある黄緑の髪に藍色の瞳。
ライはルリと同じ色彩です。
ルリとライの色彩は仮なので…こんな色がいい!という人はコメントお願いします!!