──────いえもん視点──────
茶子さんを名乗る菓子さんが満面の笑みでこちらに近づいてくる。残念ながら俺に抵抗する手段は無い。流れに身を預け、痛みなどの衝撃に備える。
「怖がらないでくださいよw」
そう言って、菓子さんは──────どこからともなく植物のツタを生成させる。地面には、草花が生い茂り、小さな草原が作られる。菓子さんの手には黄緑色や、黄色、白色などを中心とした淡い色の球体が現れる。そして、その球体を俺の体に近づける。その球体は、俺の体に触れた瞬間、ポワポワとした光とともに俺の体に吸い込まれる。
全くもって原理が理解できない。そもそも、なぜ菓子さんが植物を扱えるかすらも分からない。そもそも…と、疑問は次々と脳内に浮かび上がっては分からなくなっていく。俺に理解することはおそらく不可能だということを察する。諦めてしまえば早くて、そういうものなんだ、と理解することにした。
「はい、治療出来ましたよ。植物があなたに祝福を与えてくれるでしょう。」
そういう菓子さんは茶子さんの薄くて綺麗な翼に似たのを羽ばたかせた。その姿は、先程の恐ろしい印象と真反対で自然の雄大さと美しさを感じた…ような気がする。
「ありがとう…ございます。」
言われてみれば俺の体を動かしても問題なく動ける。俺が軽く腕を降れば、痛みはなく、それどころか普段よりも動けるような気がした。
「なんかいつもよりも軽いがしますね」
そう言うと、菓子さんは
「たった今、あなたに植物の祝福を与えたの。…茶子がね…いや、なんでもないわ。ごめんなさいね、面倒くさくって…。でも、こうするしか…こうするしかないのよ…ッ」
と、言いかけたところで菓子さんは目に涙を貯める。…どうやら訳アリのようだったが、話を聞こうと思えなかった。それは、ラテさんも同じのようで、誰も、喋らなかった。
その時、みぞれさんや、ルカさん、八幡さんがリビングへとやってくる。どうやら、先程まで違う部屋にいたらしい。両手いっぱいにお菓子や、ジュースなどを抱えている。
「あ、皆さん帰ってきてたんですね!」
「おかえりなさい、皆さん」
「ンマッおかえり」
それぞれ個性がある挨拶だが、不思議と安心感がする。結構な人数が既に帰ってきていたらしい。後、数人程度見当たらないくらいだろうか。予想よりも手こずっているのだろうということがわかる。
「ん〜じゃあ、もうめめさん呼んじゃお?」
八幡さんがそう言うと、俺と、八幡さん以外のメンバーが顔に影を落とす。…まさか、めめさんが死んだとでも言うのか、それとも裏切り…なんて悪い予感が思い浮かんでしまう。
「そ、そうですね…呼びましょうか。」
「…まあ、待ち続ける訳にも行かないし…ね。」
「大丈夫。大丈夫。私は、間違えない。」
各々が独り言のようにボソボソとつぶやく。とりあえず、めめさんを呼びに言うという話にまとまったので、呼びに行く。──────予定だった。
突然、リビングの床に大きな魔法陣が展開されそれに合わせて繋がるように小さな魔法陣も合わせて展開されていく。急展開についていけないが、反射的に剣とポケットに常備されている銃を素早く引き抜く。問題の魔法陣は禍々しい色で光り、そして、その魔法陣は歯車のようにゆっくりと回転したかと思うと、段々とスピードを上げて回転されていく。一瞬、強い光がリビングを覆い、それは、姿を現す。
黒い煙のようなものが曖昧な角と、翼に尾が生えている。しかし、ぼやけているようにはっきりと見ることは叶わない。その姿を俺は知らなかったが、ただ、見ただけで何故かわかってしまう。
(──────ベルゼブブッッ!!!)
そう、それは暴食の悪魔だった。なんでわかったかも、名前を知っているかも分からない。けど、何故か不思議と脳が理解する。
「…メ”メ”ン”ト”██ヲ”ヨ”ベ”.██”シ”ロ”」
そう、それが言う。言葉のほとんどが聞き取れなかったが、何となく理解する。おそらく、『めめんともりを呼べ。早くしろ』だ。しかし、問題はそこではない。こんな危険なやつをめめさんのところに連れて行っていいのか、だ。そんなところを悩んでいると八幡さんがにっこりと笑う。
「ん〜?いいよ?まあ、私も連れていって貰うけどね?」
八幡さんはそう言って、挑発的な笑みで悪魔を見つめる。その悪魔は殺意を放つが、すぐに諦めたかのように
「ワ”カ”ッ”タ”.」
そう言って、悪魔と八幡さんはめめさんの部屋へと向かう…前に、なんと、みぞれさんが止めに入る。
「いえ、私が呼んでくるので、皆さん待機していてください。」
「ん?私ついて行くから大丈夫じゃない?」
「八幡さん…少し、お黙りください。とりあえず私が呼んできますから。」
いつもよりも圧が強いみぞれさんに、八幡さんは笑ったまま黙る。それをみぞれさんは了承と受けとり、みぞれさんはめめさんの部屋へと向かうため、リビングを出る。その後、リビング内に気まずい空気が流れたのは言うまでもない。
ここで切ります!いやぁ!いえもんさん初めての悪魔とご対面!!…と思いましたが、メフィストがいましたね…(名前あってる?)ちなみにまだいえもんさんは茶子さんや、ガンマスさんが死んだこと知らないですからねぇ…絶望度はまだないですねぇ…自分より強い人が死ぬなんて思いませんからw
〜人外ハンターってなに?〜
Q、人外ハンターとは?
A、人間以外を始末することを目的に集まった者たちのこと。が、表向きの理由となっています。しかし、実際は上層部は天使や、悪魔などが独占しており、戦争の火種要因や、地上界に対してアクションを取るときの本拠地として活躍。なぜ人間以外を狙うのかは、人間程度なら天使1人でも対処できるので危険度の高いやつは戦争の時面倒だと判断されたため。また、数だけは人間が多いので、仲間のふりをすれば簡単に支持するためやりやすかった。人外ハンターとは言っても、天使、悪魔以外にも所属している者がいる。それらは、捨て駒や、下っ端として扱われるのが大半だが、強いものは気に入られて、もしかしたら天使などに昇格できるかも…!?
それでは!おつはる!
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人外ハンターに電車が所属しとる件について