???side
「…あぁ…そうさ…」
「…俺は不幸だよ…不幸だったんだよ…不幸だって笑ってくれよ…」
桃葉side
ー夜沙月探偵事務所にてー
桃葉「クロネさーん!!起きてください!」
今もなおベットにしがみついている彼を容赦なく叩く
…こうでもしないと彼が起きないのは経験済み…
クロネ「…ん…あと10分…いや20分…」
彼…クロネさんは寝ぼけた声でそう言った
桃葉「もう1時間待ちました!!」
クロネ「じゃあ追加で1時間…」
桃葉「ダメです!起きてください!仕事があるでしょう!」
…本当にこの人社会人なのか…?信じられない…
クロネ「…ん~…」
クロネさんはやっと重い体を起こし、あくびをしてからこう言った
クロネ「おはよ、桃葉(ももは)」
ここはさっきの起きなかった人…夜沙月 黒音(よさづき くろね)さんがやっている探偵事務所
…そう、あんな彼でも一応探偵なのだ…
…そして成人済みで私より年上…
なのにあんなに寝起き悪くて年下に起こされるとは…
…いや、本当に信じられない。何なんだろうあの人
…話を戻そう
改めて…私は咲新 桃葉(さくに ももは)
クロネさんの助手であり事務所に居候させてもらっている大学生だ
…いや、事務所に住まわせてもらってるのは感謝してるけど…
あのクロネさんの寝起きだけはどうにかしてほしい!!本当に!!
私が早起きして作ったスクランブルエッグをスプーンで勢いよくすくって食べていると…
クロネ「…どうしたの?機嫌悪い?」
桃葉「誰のせいだと…」
クロネ「…あ~やっぱり何でもない…スープ美味しいね~」
クロネさんは綺麗な黒髪を揺らしながらスープを飲み出した
…めんどくさい雰囲気を察したんだろうか…危機察知能力だけは高いなこの人。
桃葉「はぁ…食べたら置いておいてください」
クロネ「ありがと!」
…こんな感じで居候…いや、ほぼ家政婦の生活が数年前から始まっていたんだけど…
…玄関チャイムが鳴った
クロネ「…あれ、今日こんな早くから依頼って入ってたっけ?」
桃葉「いえ、入ってないはずですが…少し見てきますね」
そう返事をして玄関のドアノブに手をかける
すると…
桃葉「…え?」
本能的にそう感じたものの恐怖で体が動かない
…私が考えている間、あの人達が待ってくれるわけもなく
ドンッ!!!!
1人に何か固いもので殴られた…頭がガンガンする
ふとそんなことを考える
…ダメだ…クロネさんが危ない…伝えなきゃ…
その願いは届かず…ここで私の意識は途切れた
…頭が痛い…
…あれ、なんで私寝てるんだっけ…
…確か…
桃葉「!?」
???「あ、よかったぁ…起きたねぇ~」
ダボダボの白いパーカーを着ている女性が私に話し掛けてきた
…誰だこの人…あと…
桃葉「…ここは…?」
…黒板と机があるから教室ってことは分かるんだけど…
…どうしてこんな所に…
???「お姉さんも分からないんだよね。目が覚めたらここにいた系だから」
桃葉「そうなんですね…」
瀬梨「あ、そうそう…お姉さんは三笠 瀬梨(みかさ せり)!よろしくね!」
桃葉「瀬梨さん…私は咲新 桃葉です…!よろしくお願いします!」
私がそう言うと瀬梨さんは桃葉ちゃんね!と笑った
…
瀬梨「どうしたの?そんな険しい顔して」
…そんなに険しい顔をしてた自覚は無かったんだけど…
…無意識か…恐ろしい…
桃葉「いえ…何か忘れてる気がして…」
瀬梨「忘れるってことは大したことないってことだよ!気にすんな!」
桃葉「そうですよ…」
そうですよねと言いかけた時…後ろから肩を叩かれた
クロネ「ちょいちょい、俺のことを忘れるんじゃないよ」
桃葉「クロネさん!無事だったんですね!」
彼は心配してなかったじゃんとむっとした顔をした
???「…あ、君がクロネ君が言ってた桃葉ちゃん?」
桃葉「へ?」
クロネさんの後ろからぴょこっと茶髪の男性が飛び出してくる
知愛「はじめまして!俺っちは大鎌 知愛(おおがま ちあ)!」
知愛さんは明るい笑顔を浮かべた…少しチャラい気がする
桃葉「知愛さん…よろしくお願いします…!」
私は軽くお辞儀をする
クロネ「…ところで…ここどこだろうね?」
クロネさんは周りを見渡しながら切り出す
瀬梨「さぁ…?…まぁ確実なのは誘拐ってことだね」
知愛「そもそも…ここにいるのって俺っち達だけなのかなぁ?」
…謎だらけだ…
…でもここに居続けても何も変わらない…か
桃葉「…とりあえず拘束はされてないみたいですしここの探索を…」
後ろから聞こえ生気の無い声に振り返る
そこには長い黒髪にセーラー服を着ている女の子がいた
…でも生気が無い…なんていうんだろうか…プログラムされた機械みたいな単調さ…
瀬梨「あ、あなた誰…?」
???「…私ですか?」
続く
おまけ
桃葉アイコン▽
クロネアイコン▽
次回瀬梨&知愛
コメント
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わあ豪快な誘拐☆ 機械音声、、やばいリアル鬼ごっこ思い出しちゃった(お前だけだよ)
書き方とか大好き過ぎる…続きが楽しみ…😌
語 彙 力 く だ さ い