「一緒に帰る?」
「ううん、一回家帰る。」
どうせ帰れないし、と照れながら言う涼ちゃん。
うん。可愛いね。
じゃあ9時に。と約束する。
こんな普通に約束ができるなんて嬉しすぎる。
5年前の僕が聞いたら、さぞ羨ましがられそ。
涼ちゃんの林檎のように真っ赤になった頬にキスを落として、見送った。
僕の家のリビングは比較的使わないから綺麗だ。
それに比べて自室は信じられないほど散らかっている。
涼ちゃんが来るんだし、ソコを使うんだし…/
綺麗にしなきゃなと、躊躇しながらも重い体を起こす。
うげ。いつのペットボトルだろ….
とかなんとかやってたら、ドアのチャイムが鳴った。
早くね….?と思ったけど、僕は何かに没頭していると時間を忘れるみたい。
時計の針は9時5分を指していて、玄関に駆けつける。
ガチャッ
「はーい」
「ごめん、遅くなっちゃって!」
と涼ちゃんのリュックはとても重そうで、左手には有名な洋菓子屋さんの紙袋があった。
「入ってよ、寒いでしょ? 」
「は~い、お邪魔しまーす♡」
可愛いって!
ていうか俺、今日何回可愛いって言っただろうな。
まあいいや、
「うわ~」
「やっぱり、元貴ん家はいつも綺麗にされてるね〜」
と関心されたが、ものの10分前まで片付けをしていたというのに、、僕は少々言葉に詰まる。
「あっ、そうだ。」
「はい、これ!」
先程まで左手にぶら下げてた紙袋を僕に渡す。
「ここのケーキ美味しいんだよね〜💕」
にっこにこの笑顔でこっちを見てくる。
可愛いが過ぎますよ、藤澤さん。
「もう、!いつも持ってこなくて大丈夫って言ってるじゃん! 」
「だって〜、美味しいんだもん〜」
それ理由になってんのか?
「じゃあ、夜ご飯作るけど….」
「何かリクエストある?」
人の家で夜ご飯を作るくらいよく来てるんだから、手土産なんていらねーよと思いながらも、「きのこが入ったトマトパスタ。」と
そしたら嬉しそうに、「おっけ〜! 」だって。
うん。確信犯だね。
「〜♪」
今涼ちゃんが口ずさんでるのは「庶幾の唄」。
涼ちゃんのフルートパートが有名な曲だけど、本人もお気に入りらしい。
「元貴が僕のために作ってくれた唄みたい。」
照れながら、「ごめん、めっちゃ厚かましい、」とか謙遜していたのを鮮明に覚えてる。
厚かましくなんかないよ、
本当に涼ちゃんがステージで走り回りながらフルートを奏でてるのをイメージして作った唄なんだから。
「ちょっと、もときっ!//」
「ん、?」
「離してっ、お料理できないよぅ….//」
どうやら無意識に涼ちゃんを抱きしめてたみたい。
幸せ。
「ん゙~~、、りょーちゃんっ、」
「もぉ~、な~に??//」
「俺、トマトパスタよりも涼ちゃんを食べたい。」
いつもより低音でね。
「はっ…?//」
そしたらお顔が真っ赤っ赤な涼ちゃん。
「だめ….?」
少し目をうるっとさせて、上目遣いをしたらちょろ涼ちゃんの完成。
「うぐっ。」て笑
ちょろすぎでしょ、僕の愛しい愛しい、恋人ちゃん。
あれれ、いつまでほのぼのなんだ….?
次こそは!
コメント
5件
うん、可愛いね!もう、可愛いよね!だって可愛いしかないもん!可愛いぃぃぃ!! 食べたくなるよ!そりゃ、こんな藤澤さん惜しみなく出されたら、食べるよ✨ 興奮しすぎたぁ(*´﹃`*)
か、可愛い…2人のやり取りがめちゃくちゃに可愛い… 食べちゃって大森さん…涼ちゃんを…