【お願い】
こちらはirxsのnmmn作品(青桃)となります
この言葉に見覚えのない方はブラウザバックをお願い致します
ご本人様方とは一切関係ありません
ワードパレットでリクエストいただいた3つの言葉(サブタイトルになってます)を本文中に使用してのお話になります
パジャマパーティーをしよう、なんてことを言い出したのはいむしょーの2人だ。
活動を始めたばかりの…今ほどまだ忙しくなかった頃は、ないこハウスに6人で泊まることもたびたびあった。
ただ最近では皆が(特にないくんが)多忙を極めていて、以前ほど簡単に集まれなくなっていた。
そこで久々に皆の予定が合いそうな日程を選んでの、泊まりの計画だ。
ないこハウスにお酒とおつまみとお菓子を持ち寄り、楽しいパーティーの始まりだ、と。
計画を立てては最年少の俺よりも幼く笑い合ういむしょーに、大人組は「はいはい」と呆れたように頷きながらも甘んじて受け入れる態勢は整っているようだった。
当日、各々が必要だと思うものをそれぞれ持ち寄った。
夕方には集合し始め、持参した食べ物とウーバーで追加した料理を並べる。
ないくんちのテーブルは一人暮らしにしてはかなり大きめなのに、あっという間にいっぱいになった。
所狭しと皿やグラスが並ぶ。
それから順番にバスルームを拝借して、パジャマに着替えた。
子供組3人は言い合わせたわけでもないのに自分のメンカラのパジャマを持参している。
外に持ち歩く物でないとなると身バレを気にすることもないし、つい自分の色の物を選んで買ってしまうのは同じなようだ。
あにきはメンカラに揃えたのか単なる好みなのか分からないけれど、黒いパジャマ。
ないくんは今日はもこもこの白いルームウェアを着ていた。前からお気に入りのブランドのものらしい。
女子力が高い子や、ないくんみたいにちょっと意識高い系の男子に人気のブランド。
女っぽいわけじゃないけど顔立ちが整いすぎている彼にはぴったりだと思う。
そうして皆が着替え終わった頃、最後のまろがようやくないこハウスに到着した。
残業で遅くなったせいで急いで来たのか、少しだけ息を切らせている。
お疲れ様とねぎらう間もなく「いふくん早くお風呂入ってパジャマ着てパーティー準備して!」とほとけっちに背中を押されていた。
「は!? ちょっとくらい休ませろや。これでも急いで来たのに…」
「準備してからいくらでも休ませてあげるよ。パジャマは? はい出してー」
「そんなもん持ってきとるわけないやん」
「え!何で!? 僕パジャマパーティーだって言ったよね!?」
「サラリーマンが朝からパジャマ持って出勤するわけないやろ!」
「じゃあ今すぐ取りに帰ろ」
「無茶言うなや!」
ぶつぶつと文句を言いながらまろはスーツのネクタイを緩める。
上着はソファに乱雑に放りなげ、少し汗ばんで額に張り付きそうな前髪をかき上げた。
「あ、まろ、じゃあ俺の貸すよ。身長そんな変わんないし着れるっしょ」
まろが放った上着を拾い上げながら、ないくんがそう言う。
その言葉を受けていむしょーの2人にバスルームに押し込まれたまろは、最後まで何やら文句を呟いていた。
「うわーなんかいふくんっぽい。よくそんなちょうどいいパジャマ持ってたね、ないちゃん」
風呂から出てリビングへ戻ってきたまろを見て、ほとけっちがそう言った。
まろが今着ているのは、ないくんのお気に入りのあのブランドのルームウェア。
ただないくんが今着ているほぼ白いものとは違っていて、ネイビーとホワイトのボーダー柄だった。
「ほんまや、カラー的にもまろちゃんにぴったりやん」
ないちゃんにしては珍しいね、と付け足したしょにだに、ないくんは小さく首を傾げる。
これを購入したときのことを思い出しているらしい。
「なんか確かセール入ってたんだよね、その色。普段は確かにあんまり買わない色だけど」
短く答えて、「それより」とパンと手を叩く。
「揃ったし、始める? お酒行きわたった?」
ないくんの言葉に全員がグラスや缶を手にして、軽く持ち上げる。
そうしていむしょー主催(?)のパジャマパーティーが始まった。
パジャマパーティーなんて大げさな名前を付けたって、結局はいつもの宅飲みと変わらない。
ただパジャマを着ているだけで、騒がしさも賑やかさもいつも通りだ。
今日は夜更かしするぞー、なんならオールするぞー!なんて息巻いていたほとけっちは、2時を過ぎた頃には瞼をこすり始めた。
「早」と苦笑いを浮かべながらも、しょにだと共に客用の寝室に運びこむ。
並べた布団の一番端にほとけっちを転がしてから、しょにだが思い出したように口を開いた。
「そう言えばさぁ、ないちゃんがまろちゃんに貸したあのパジャマ、あれってほんまにないちゃんのやと思う?」
急にそんなことを言い出すから、俺は思わず目を瞠る。
ドアを閉めているからリビングまで聞こえはしないだろうけれど、しょにだは声の音量を最大限まで絞っていた。
眠そうに布団に転がっていたほとけっちが、「え、どゆこと!?」と目をきらんと光らせて上体を少し起こす。
…さっきまで意識を手放しかけていた人間とは思えない。
「いや、いくらセールで安かったとしても、ないちゃんがああいう色を買うかなって…」
ずっと疑問に思っていたらしいしょにだが、遠慮がちに言葉を継ぐ。
自分の思う違和感を言語化しきれないのか、小首を傾げて俺とほとけっちを交互に見比べた。
それが分かったから、俺は「うーん」と小さく声を漏らす。
ほとけっちの隣の布団に陣取りながらその上で胡坐をかいた。
それから首を竦めて言葉を続ける。
「知らない? あのネイビーのボーダー、ないくんのお気に入りのブランドのペアルームウェアなんだよね」
ないくんがあのパジャマを出してきたときから気づいていて、それでも俺があえて黙っていたこと。
それを口にすると、いむしょー2人は「え?」と目を見開いた。
その目に少し輝きが増したように見えたのは気のせいじゃないだろう。
「そんでそのペアの片割れのピンク色ボーダー、ずっと前にないくんが着てるの見たことある」
「…んえぇっ!?」
驚きすぎて変な声を出したほとけっちの口を、しょにだの右手が塞いだ。
しっ、と口元には左手の人差し指を立てて当てる。
「つまり…どういうこと!?」
意味なんて分かっているはずなのに、驚きのあまり頭を整理したいらしいほとけっちにそう尋ね返された。
もうすっかり目が覚めたらしく、俺と同じように布団の上に座って体育座りの態勢をとる。
「ペアで買って、ここに置いてあるんでしょ? ネイビーの方はまろの。もう片方は、女性物でもないくんの華奢さなら全然着れるもんね」
「え、何あの2人…付き合ってんの?」
「付き合ってないないふがペアのパジャマ用意してたら、むしろそっちの方が怖くない?」
笑って言うと、いむしょーは口を揃えて「…確かに」と大真面目な顔でこくりと頷いた。
「…ゆうくん…どうしとったっけ、今」
話を変えるようにしょにだがそう言うから、さっきこちらへ移動して来るときのリビングの様子をできるだけ鮮明に思い出す。
「ソファで豪快に寝ちゃってたよ、確か。ないくんとまろはまだお酒飲みながら喋ってたけど」
そう答えると、しょにだは先刻の俺のように「…うーん」と小さく唸った。
「明日の朝まで…僕らはここから出んように気をつけようか。できるだけ2人の邪魔せんように。2人の秘密を守ってあげられるように」
最近忙しくてゆっくり会ったり話したりなんてできていなかっただろう。
そんなないくんとまろのことを思い浮かべてしょうちゃんが提案するから、「そうだね」とはっきりと頷いた。
俺の肩にもたれかかってきながら、ほとけっちが笑う。
「なんか面白くなってきたねぇ!」
面白い…? 目を輝かせたほとけっちはすっかり眠気から解放されたらしく、小悪魔のような笑みを浮かべていた。
「いやさすがにバレるやろ」
ミネラルウォーターのボトルを取りにいったまろが、冷蔵庫の前でそう呟いた。
てとてとと音を立ててついていって、俺も横から手を伸ばす。
酒は結局それほど飲んだわけではないけれど、頬が紅潮しているだろうことは自分でも分かった。
ほろ酔い気分を醒ますためにも勢いよくグラスに水を注ぐ。
「そう? 俺が今日ピンクの方着てたら一発アウトでばれそうだけど、ワンチャン大丈夫じゃない?」
「いやいや、りうら辺り絶対鋭いって」
パタンと冷蔵庫の扉を閉める。まろはグラスの中の水を一気にぐいと飲み干した。
空になったそれをシンクに静かに置く。
「バレたくないなら自分の家からパジャマ持ってくればよかったじゃん」
「だーかーらぁ、朝からパジャマ持って出勤するサラリーマンどこにおる!?」
まろが少し声を荒げたものだから、リビングのソファであにきが「…うーん」と身じろぎした。
思わず同時にそれを振り返ってから、しっと唇に指を当てる。
小さな咳払いの後声のトーンを落として、まろはまた不満そうに続けた。
「大体なんなん『パジャマパーティー』って。女子中高生かよ」
「えーいいじゃん、俺は結構楽しかったけど」
ずっと前は泊まりで集まることもあったから、確かにメンバーのパジャマ姿が珍しいわけじゃない。
それでもたまにはパジャマのまま飲んだり話をしたりするのも、修学旅行みたいで悪くないじゃん。
そう付足したけれどまろは未だにおもしろくなさそうに眉を顰めていた。
「明日、珍しくどっちも仕事に追われてないせっかくの休みなんやけど」
「…うん?」
「何でそんな日によりによってこれなん」
え、もしかしてそれで拗ねてんの?
まろがそんなことを言うなんて珍しくて、俺は笑うよりも一旦目を大きく見開いてまじまじとその顔を見据えてしまった。
確かに、最近どちらも多忙でなかなかゆっくりと一緒に過ごすことができないでいたけれど。
「…ないこ、部屋行こ」
俺の、白いもこもこのルームウェア。
その腰の部分に手を回しながら、まろがそんなことを言ってにっこりと笑う。
「…うぇ…? それはどういう意味で…?」
「どういう意味も何もないやろ」
腰を引き寄せ、更に首筋に頬を寄せて来ようとするその頭をぺしんと痛くない程度にはたいた。
「いやいやいや、皆いるし無理だって!」
「子供組はもう出てこんやろうし大丈夫やって」
「あにきが起きるかもしれないじゃん!」
いくら3人が部屋に引っ込んだと言っても、こちらの声と気配が全てかき消せるわけではない。
しかもあにきはすぐそこにいるっていうのに。
そう思って言ったけれど、リビングの方から被せるような声が飛んでくる。
「俺寝とるから気にせんでえぇで」
「いや起きてんじゃん!」
「ほら、あにきもああ言うとるやん」
「おかしいってお前ら!」
喚く俺の腕を、まろの大きな手がぐいと掴む。
そのまま連行されるように寝室に連れて行かれながらソファに向けて「あにきぃー!」と声を上げたけれど、背もたれの向こうからあにきは手だけを覗かせてひらひら振った。
「あの」声を他メンバーに聞かれるなんて絶対ごめんだ。
かと言って、今日のこのまろの様子じゃ逃がしてなんてくれそうにない。
シーツを噛むか、タオルを口に詰め込むか…?
対処法を必死で考える俺を寝室に押し込んだまろは、そんな余計な心配をする必要もないくらいに深くキスをして俺の口を声ごと塞いでしまった。
コメント
8件
リアルっぽいというか、セリフや文?が本人たちの声で脳内再生されるので大好きです😭︎🫶💕 パジャマパーティーって言葉を聞くだけで楽しい気分になれるのでそこもまた想像しやすくて!!✨️ とにかく完成度が一話一話高すぎて尊敬でしかないんです( ߹꒳߹ ) 素敵な作品をありがとうございます!!!!!!!!!!
滅茶苦茶可愛いですね((o(。・ω・。)o)) 桃さんと青さん完全に出来上がってて尊すぎました✨️ 桃さんと青さんのペアルックとか尊い以外の何物でもないじゃん( '-' ) 水白にもバレちゃってますねw いや~、次の日の朝楽しみだなぁ、 妄想が捗りますね。 ガチで吐血しそうです。 今夜はうるさくなりそうですねぇ、 (*´艸`*)
このお話別サイトで拝見しましたー!!✨✨どうしてこう可愛さが詰まっているのでしょう…😖 確かにパジャマパーティーは中高生っぽいですけど少し遅れ目の青春感があって大人でも楽しそうです😸💕 お揃いのパジャマに勘づく赤さんが流石です、想像しただけで笑みが零れてきそうです!!ꉂ🤭︎💕 最後のシーンも文面上なのにドラマのように脳内にイメージが膨らむんですよねぇ…✨ 投稿ありがとうございます!!