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「いただきまーす!」
亮の声に合わせて、三人で手を合わせる。
箸を動かしながら、亮はいつもの調子で楽しそうに話し始めた。
「そういや悠真、この前の面接どうだった?」
「まあ、なんとか。緊張で腹痛くなるかと思ったけど」
悠真が苦笑交じりに答えると、亮が爆笑した。
「おまえでも緊張すんのかよ!」
「当たり前だろ」
二人のやり取りに、咲は小さく笑ってしまう。
気づけば自然に視線が悠真に向かっていた。
真剣に話す横顔も、笑う顔も、昔よりずっと大人っぽく見える。
――やっぱり変わったんだ。
でも、“妹ちゃん”としか見られていないのなら、この気持ちは心の奥にしまっておかなきゃ。
味噌汁の湯気に紛れるように、咲はそっと視線を落とした。