テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
651
きょう
1,928
耀聖(ようせい)
698
俺の習慣、ボロ喫茶の隣の階段で座り込む。
それだけ。
不憫だと思うだろ。
あぁ、俺も思うよ。
どうぞ憐れんでくれ、何をされたってこの凝り固まった決意は揺るぎはしない。
俺は今日、死んでやる。
「ね、なにしてんの」
目の前にしゃがんだのは明らかに怪しげな、顔が無駄にいい男。
「べつに」
そんなやつと親しむ気分にもなれない。
素っ気なく返してさっさと退かせようと思ったんだが、なんなんだこいつは。
俺はべつにと言ったはずだ、それで普通はどこかに行くだろ。
なんでこいつは目の前で10分も20分もしゃがみ込んでいるんだ。
「用があるなら話せよ」
あまりの怒りで口が滑った。
「別に用はないよ、ひまだから自殺願望がありそうな君を見ているだけさ」
その言葉に息を呑む。
「そんなこと一言も言ってない」
「君の時計がそう言った」
そう言いながらこいつは胸元から汚い銀の時計をチラつかせた。
確かに俺は腕に時計をつけている。
だからなんだ、時計で相手の思考が読めるとでも?
「適当なこと言ってんじゃねぇよ」
「適当じゃないさ、君がそんなに思い詰めている原因も知っているよ」
「なぜって?僕が探偵だからさ」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!