ご無沙汰の一次創作を書きたいと思いスマホを手に取りました。二次創作ばかりでは飽きられてしまうでしょうし、少し暗めのお話を書こうかと思います。卒業シーズンですので( 過ぎたでしょうか? )、卒業要素を入れてみました。是非最後まで読んで頂けると嬉しいです。
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普段気にすることもないカレンダーに目を向けるとある日日に真っ赤な文字で「卒業式」という文字が記されていた。あぁそういえば来週だったなと、沸騰し耳障りな音を立てるヤカンを止める。ザーザーと外では雨が降り、カーテン越しに窓に雨水を打っている。まるで出てこいとでも言わんばかりの豪雨に嫌気が差し、カップ麺に湯を注ぎタイマー音と共に音を掻き消すようにスマホの電源を入れた。
私が学校に行かなくなったのは少し前からである。自分で言うのも恥ずかしいが私は結構好かれていたと思う。勉強もできていたし運動もソコソコ、暇があれば皆に囲まれて楽しく過ごしていた。楽しく、というのは私の話ではなく私を取り囲むその笑顔から捉えられた感情である。私は合わせたその微笑の裏では下らないと好きな話題を自分の脳内で盛り上げていた。好かれていた、というのも言い換えただけで都合が良かったのかもしれない、家の環境もあったのか人への視線や評価に敏感な私は兎に角周りと合わせることに日々精進していた。嫌われることから逃げ、頼まれたらなんでもやる。おかげでタダの都合の良い玩具になっていた。殴られても蹴られても嘲笑されても、それは私の意思でもあったから。愛情表現は難しい。人によって全く違う方法だからだ。だから、だろう。この人達の愛情表現を受け止めることに勤しむことで私の体は徐々におかしくなっていった。受け止める事で自分から何かが抜け落ちた様な感覚がしたからだ。厳しい親や口煩い兄弟達の罵倒にも慣れ、重い体を無理矢理引き摺っている。
それもあと数日で終わるのだ。卒業という終焉に私は歓喜していた。その分、卒業という人生の中で分岐点とも言える行事に怯えている。何故自分は怯えているのか分からなかった。人前に立ちたくないから?皆に会いたくないから?自分という醜態を晒したくないから?
考える内に時間は過ぎて、全てがどうでもよくなった。開き直ったと言うべきだろうか。自分に抗う面倒な自分が気味悪く感じた。卒業がなんだ、学校がなんだ、気付けば布団の中で泣いていた。ごめんなさい、ごめんなさい、と徐々に小さく低くなる声に喉を痛めて目元を熱くした。するとそんな私に不意討ちを掛けるようにスマホが振動する。ブルーライトに目が痛めるも、画面に連なる文字を読むと私を取り囲った笑顔の一つ。卒業だから、なんて魔法の言葉を唱えてスマホを耳に翳すと打ち上げだの、卒業式だの、そんな単語が聞こえた。あぁもう終わったのか、話が止んだと思うと長年付けていた鎖を外すように通話を切る。何故か布団に転がる私の空っぽな脳には色んな記憶が飛び交う。なんの思い出だ?なんて考える暇と無く止んだはずの涙が頬を伝った。寂しい、頭に浮かぶその感情は不思議だった。自らを閉じ込めるように部屋に篭もるようになった私は何故こんな感情を抱いているのだろうか、少なくとも部屋に居る間は何も考えていなかった。否、考えようとしなかった。
孤独、という事実から逃げたかった。
ご愛読ありがとうございました。
私も卒業式を欠席しましてね、練習だけで吐いて死にそうだったので当日は家で居ました。放課後に校長室で賞状を貰いましてね、ではもう一度ご卒業おめでとうございます。
コメント
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めっちゃ好き...やっぱり無名ちゃんの一次創作の話好き、全部好き、二次創作は見てないからとか地雷とかあっちゃって見れないけど見れるよう努力する、無名ちゃんの小説好きだから! ちなみに私は修了式でした、受験が近付いていく、嫌だぁあ!!