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第3章 からかわれる二人
「ねぇねぇ!」
隣でポテトをつまんでた美咲が、急に大きな声を出す。
「〇〇、さっき亮くんのこと見て、めっちゃ赤くなってなかった??」
「え、ちょ、ちょっと!?」
「やっぱり〜!怪しいなぁ〜!」
他の友達まで「えー!なになに?二人なんかあるの?」と面白がって集まってくる。
「な、ないよ!本当に!」
慌てて否定するけど、視線の端で亮くんを見ると……彼は肘をソファにかけ、落ち着いた顔でポテトを口に運んでいた。
「……あんま騒ぐなよ」
「えー!亮くんも照れてんじゃん?」
「別に」
涼しい声。でも、よく見ると耳がほんのり赤い。
(やっぱり、照れてる……?)
美咲はニヤニヤしながら私の肩をつつく。
「〇〇、日記の次はカップル日記にすれば〜?」
「ちょ、な、何言ってるの美咲ぁ!」
「いいんじゃね?」
ぽつりと落ちた亮くんの声に、全員が一斉に「えぇぇぇ!?」と叫んだ。
「え、い、今なんて!?」
「……別に、書くだけなら自由だろ」
そっけなく言い放ち、またスマホをいじるふりをする。
だけど、ほんの一瞬、私のほうを見て、口元がわずかにゆるんだ気がした。
(ずるい……そんな顔、反則……!)
心臓がぎゅうっと締めつけられる。
日記じゃなくても、もっと彼の本音を聞きたい。
その気持ちは、もう隠しきれなかった。
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