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どうも皆様、サカナです

こちらの作品はにんじんのかわ。という神様が誰か書いてくれないかと呼びかけていらっしゃったものを、私が書き上げたものになります

元が神すぎるあまり、私が汚してないかめっちゃ不安です…解釈大丈夫でしょうか…

ソ←ベラ、露ベラが含まれます

※旧国、擬似近親相姦、多分R-15




















ロシアにとって1番古い記憶は、幼いベラルーシと雪で遊び、仲良く笑っていた時のものだ。

父であるソ連が見守る中、当時のロシアたちからすれば大きな雪だるまを作ったり、雪玉を銃弾に見立て、訓練ごっこなんてこともしていた。

記憶の中でニコニコしているソ連は、まだ片目を失う前のことだったと思う。

眼帯もしていなくて、金色の双眼で自分たちを見つめてくれていた。

そのうち他の兄妹もできて、ロシアの記憶は成長のたびに騒がしくなる。

いくらか大きくなった頃に気づいたけれど、兄妹とは血が繋がっていない。

ソ連が言わなくたって、最年長のお兄ちゃんなのだから知っていた。

しかしそうだとしても、ベラルーシやウクライナ、リトアニアにエストニアにラトビアに、グルジアもタジクもトルクメニスタンもアゼルバイジャンも、カザフやキルギスもみんなみんな、ロシアのことを兄と呼び慕い、同じ父であるソ連を持つのだから兄妹だ。

大人になればウォッカやウイスキーを飲み交わして、楽しく暮らすんだろう。

子供の頃のロシアは、夢見がちで希望溢れる少年だった。

その“兄妹”がどうして自分の家に来たのか、そんなことは二の次どころか気にも留めていない。

その結果が今なのだと言われたとしても、ロシアは納得などできないのだ。

今まで妹だと思っていたベラルーシに、体の関係を迫られるなんて。

血は繋がっていないし、相手は一応女。 自分が嫌いな相手でもなければ、抱いてはいけないという決まりも乗り越えている。

ロシアが断るのは、論理的に良くても倫理的に嫌だという兄としての感情が大きかっただけだ。

賢く強かなベラルーシはそんなことわかりきっている。

そうだとしても、彼女はロシアへ抱いて抱いてと迫り寄り、そのガラスのような瞳が自分を映すことに並々ならぬ感情が止まらない。






ここまで見れば、ベラルーシの異常さとロシアの葛藤で終わるだろう。

しかしながら、ベラルーシだって兄に恋情を抱いたわけではない。

彼女が真に愛していたのは、歪な兄妹の中で唯一ロシアと血が繋がっている、ソビエトの方だ。

白ロシアとも呼ばれる彼女は、幼い時…本当に出会ったばかりの、5歳前後ほどの時から既に、恋に生きる乙女であった。

きらりと光る金色に映る喜び、1人だとしても革命を成し遂げる勇ましさ、世界と対立しても耐えなく力強さ。

彼女は幼いながらも、ソビエトに対して尊敬の念と愛の気持ちを抱えていた。

初めてソ連に家へ連れて行かれた時、そこにいたのはソ連の実子だというロシア。

ロシアは覚えていなかった出会いを、ベラルーシはずっとずっと忘れていない。

この時から彼女は知っていたのだ。

お兄ちゃんはお兄ちゃんじゃないし、お父さんはお父さんじゃない。

小さな頃はそれで良かった 。

好きな人と一緒で幸せ!だなんて、小さな子供が誰しも思うような思いで、それからを楽しく過ごしていた。

兄妹が増えると自分は「お姉ちゃん」になり、その度にソ連に構われる時間は分割されていく。

でも、自分をお姉ちゃんとして頼ってくれる子が可愛くないわけもなくて、ベラルーシはソ連への愛を待ち続けつつ、子供らしい柔軟さでお姉ちゃんをしていた。

自分が人間で言う15歳となって、ソ連が崩壊するまでは。

ベラルーシが長い時間蓄積させていた愛や恋心は、その瞬間限界を迎えた。

今まで言葉にすればしてもらえていたことが、ソ連の消滅によって二度とできなくなってしまう。

ベラルーシは三日三晩泣いて泣いて、しばらく食事も取らない生活になった。

心配する兄妹たちの声も届かず、ベラルーシにとって唯一だったソ連のウシャンカを抱きしめる。


人間年齢で言えば20歳を超えた今、もうそのように泣くことはない。

大人になったロシアは、ベラルーシの中のソ連と瓜二つだったからだ。

ソ連の金色の瞳とは違って、ロシアはガラスのような青い瞳だったけれど。

線がすらっとしていて、見上げるほど高い身長。

鍛えているために、一般人より多い筋肉。

父と同じアカイ思想。

ベラルーシ含む3人でお揃いだったマフラー。

頭を撫でてくれる大きなあたたかい手。

無表情の中に隠れた可愛らしい笑顔。

強く逞しい、色々なものを背負った背中。

何よりもあの、ベラルーシの名を呼ぶ酒焼けした、少しガサついた低い声。

全てが全て、ソ連と重なる。

やっぱりお兄ちゃんはお父さんにそっくり!

その頃から、ベラルーシはロシアのことを兄と呼ばなくなった。






そして今、ベラルーシはソビエトロシアに肉体関係を求めている。

世界で1番大好きな人に、愛している人に抱かれたいと思うのは当然のこと。

それが仮に親子兄弟という関係であったとしても、血は繋がっておらず、性別も違う。

障壁なんてものはどこにもなく、ベラルーシはただ好きな人からの愛が欲しい。

「ねえ、抱いてよロシア。一回でいいの、たった一回。一晩中一緒でなくていいし、痛くても気持ち良くなくてもいいの。ただソビエトあなたに抱かれたいのよ」

ね?と問いかけてくるベラルーシに軽蔑の目を向け、それと同時に混乱で焦るロシア。

自分の目の前にいるのは、本当に妹なのか?

これまで、本当に昨日まで仲良く食卓を囲んで、同じ皿の料理を食べて、テレビを見たりとか、ベラルーシの恋バナに付き合ってあげたりとか、ただの兄妹だったはずなのだ。

「私だっておかしいこと言ってるのは自覚してる。急に抱いてとか意味わかんないわよね。ロシアは私のことを妹としか思ってないでしょ?でも私はね、もうロシアはお兄 ちゃんに見えない。血も繋がってないんだから、いいと思わない?」

ロシアの中で、何かが砕けた気がした。

今までかわいい妹だと接して来た自分がバカみたいだ。

絶望に近い感情でぼーっとしているロシアだが、ベラルーシの目に映るのは亡きソ連の姿。

兄ではなく、父でもなく、愛しい人と重ねている。

「ほんとに一回だけ!ね?一回ならいいでしょ?お願いロシア」

「…わかった。一回だけ、な…」

ロシアはこれを機会に家を出ようと思い、仕方なく受け入れた。













その夜、ベラルーシはソビエト代わりのロシアにたっぷりと甘えた。

ロシアはほとんど声を発さなかったが、ベラルーシとしては体格差による包容感だけで満足できるようで、小さくソ連、ソ連、と呟いている。

ロシアは不快だと思いながらも止めることはなく、ほとんど事務的なものだった。

しかし事務的だとしても、自分ではなく、自分の父の名を呼ばれるのは腹が立つ。

ベラルーシが求めているのは自分じゃない。

ベラルーシが好きだったのは自分じゃない。

妹の嬌声も本音も聞きたくなかったとひどく後悔して、ロシアは無になろうとした。

「よそ見しないで♡」

昂ったあまりか、ベラルーシは小さく綺麗な手でロシアの手を握る。

意識が引き戻され、少しくらっときた。

これは悪い夢なのだ。

明日になれば、全部夢になるはず。


また、現実を理想にするのか。

囁いてくるもう1人の自分の声は、不覚にも父とそっくりだった。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

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ユーザー

あの、書けるか分からないんですけど続きっぽく書いてもいいですか? ソ←ベラ、ロベラを増やす為にも(?) 過去重点に書いたり、その後っぽく書いたりとかしたくなってしまって… ソ連はどう思ってたのとかも書きたくなりましたので… もしサカナ−ミウさんが書くつもりだったらあれなんですけど…

ユーザー

うわぁぁぁぁ!!!!!!最高です!!!!!!めっっちゃ好きです!!!!!!!!!!! 書き方もめちゃくちゃ好きな感じです!アプリじゃないからハート押せないんですけど押せるなら上限まで押していたと思います!わざわざ書いてくださりありがとうございます!!!!本当に最高ですよ!!!

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