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出久推し
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体育祭当日、朝から校庭は生徒たちの声でいっぱいだった。
「かっちゃん!」
「ん?」
振り返ると、出久が走ってくる。
「おはよう!」
「おう。早ぇな」
「楽しみで早く起きちゃった」
「ガキかよ」
「だって体育祭だよ?」
「はいはい」
出久は笑いながら、自分のゼッケンを確認する。
「ちゃんとついてるかな?」
「……」
勝己が近づいて、ゼッケンの端を直す。
「曲がってる」
「えっ、本当?」
「動くな」
「うん」
「……よし」
「ありがとう、かっちゃん!」
「……おう」
そこへ友達がやってきた。
「緑谷、もうすぐリレーだよ!」
「分かった!」
「かっちゃん、行ってくるね!」
「ああ」
「応援してて!」
「するに決まってんだろ」
「ふふ、じゃあ頑張る!」
「爆豪、今日ずっと緑谷のこと見てない?」
「見てねぇ」
「いや見てるって」
「うるせぇ」
「緑谷出番、全部把握してるじゃん」
「……」
「否定しないんだ」
「黙れ」
やがて、リレーの選手が並ぶ。
出久の番が来た。
「位置について!」
勝己も観客席から身を乗り出す。
「出久、頑張れー!」
友達の声が飛ぶ。
スタートし、出久が走る。
前の選手との距離を少しずつ縮めていく。
「行け!」
勝己の声が響く。
出久がバトンを受け取った。
「……!」
そのまま必死に走る。
最後まで走り切って、次の選手へバトンを渡した。
「はぁ……!」
出久は息を整えながら、観客席を見る。
「……かっちゃん!」
「よくやった」
その一言だけ。
それなのに、出久は嬉しそうに笑った。
競技が終わり、出久が戻ってくる。
「かっちゃん!」
「おう」
「どうだった?」
「速かった」
「ほんと!?」
「……ああ」
「やったぁ!」
出久が嬉しそうに笑う。
「かっちゃんが応援してくれたからだよ!」
「……俺関係ねぇだろ」
「あるよ!」
「ねぇ」
「ある!」
「……ったく」
勝己は出久の頭を軽く撫でる。
「頑張ったな」
「……!」
出久は少し照れながら笑った。
「うん!」
その様子を見ていたクラスメイトがぼそっと呟く。
「……あの二人、ほんと仲良いな」
「幼馴染だからね」
「分かってるけどさ」
「何?」
「爆豪、緑谷にだけめちゃくちゃ優しくない?」
「それは昔から」
「へぇ……」
そのとき、出久が勝己の袖を引っ張った。
「かっちゃん」
「ん?」
「次、何の競技?」
「借り物競走」
「僕、出るよ!」
「……またか」
「頑張る!」
「無理すんなよ」
「大丈夫!」
出久は笑顔で駆けていく。
勝己はその背中を見ながら、ぽつり。
「……ほんと元気だな、あいつ」
そして次の競技が始まる。
――体育祭は、まだまだ終わらない。
コメント
1件
お疲れ様、出久推しさん!体育祭回、めっちゃ良かったわ〜🔥 かっちゃんのツンデレ具合が最高すぎるでしょ。「見てねぇ」って言いながら出久の出番全部把握してるとか、もうバレバレだよ(笑)。ゼッケン直してあげるところとか、撫でるところとか、優しさが滲み出ててグッときた。出久が「かっちゃんが応援してくれたから」って言うシーンは、幼馴染の信頼感がじーんと伝わってきた。連載中とのこと、続きも楽しみにしてるわ!