コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「俺ばっかり話してんね。ごめん。涼ちゃんも……なんかない?悩みっていうか。」
笑いあった後、ふと口をつぐみ、しばらく一点を見つめて不器用に君はそう尋ねた。悩み、か。沢山あるけど、ほとんどの原因が元貴だなんて言う予定もないが。何となく、きっと後で後悔するだろうけど聞いてもらいたい事があった。
「…僕も、変化について悩んでて。実はね、距離を縮めたい人がいるんだけど。その人の隣にはいつも仲良い人が1人…ともかく人に囲まれていて。やっぱり住んでる世界線が違うよなあって。」
なるほどね、と頷いてくれる。まさかその相手が自分だなんて思いもしないだろう。
「最近も、2人で楽しそうに話してるの見ちゃったんだよね。一緒にいる期間も長いし…」
これは今日の控え室の事だ。仲の良さはいつもの事だが、今日は特に距離が近く感じて、そのせいで言ってみたくなったのかもしれない。なんだか変な緊張感がじわじわと出てきた。
「その人とは普通に仲はいいの?あとどんな性格?」
真剣に考えてくれているのを見て、嬉しい反面秘めた思いがバレてしまわないか心配でならない。丁寧に言葉を選ぶことにした。
「うん、遊んだこともあるよ。性格はー、そうだねえ。大人びてて、芯があって常に先を見てて、一見無愛想なんだよね。でもすごく仲間思いかな。そんなとこに憧れちゃったのもあるね。…あ、しかも寂しがり屋さんだね」
と言って、目を閉じてうんうん唸っている元貴を見た。全然一言では表せないな。元貴の良さも、凄さも。
「無愛想、か。ならまずは自分からもその人を大切にしないとね」
突然君から出てきた言葉にきょとんとなる。どうして?と問うと、
「だってきっと、仲良いのはその人たちが支え合って来たからでしょ。人との世界線の差を感じるの、めっちゃ分かる。でもね、きっとちゃんと行動として表したり、思いを伝えたり、受け止めてくれると思う。聞く限り優しくて繊細な人なはずだから」
と言った。耳に心地よいオフっぽさ全開の低音が、なんだか心の奥底にあった悩みを軽いものにしていく。
「そうやって涼ちゃんと支え合える関係になれると、ぐっと縮まると思うよ。大丈夫、俺も見守るし」
そこまで言うと、ね?と元貴は柔らかく微笑んだ。その笑みに泣きそうになってしまう。どうして君はそんなに優しい言葉を掛けれるんだろう。ありがとう、と言い、思わずハグを求めてしまった。少々驚いていたが、彼も相談をしてきた為そんな気分だったのか、珍しく胸に飛び込んでくれる。
後ろから見守ると言ってくれた君に、振り返って思いを伝えたらどうなるんだろう。実際は腕の中にいるが、このタイミングなら十分なんじゃないか。なんて思ったが、感じ取られたように元貴がふっと離れていく。
照れているのか赤い顔の君を見る。目線はどこか狼狽えていて、喉まで来ていた言葉をぐっと飲み込んだ。
◻︎◻︎◻︎
読んで下さりありがとうございます!
breakfastのMV、見ましたか?色がポップでとても可愛いですね。涼ちゃんの青髪やダンス、どれも過去の曲を感じれてより一層ミセスの良さが分かりましたね。私はもう既に10回程聞いています笑
話は変わり、フォロワー様が90人を超えました!伸びの速さに驚きっぱなしです。ありがとうございます。
次も是非読んで頂けると嬉しいです。