akn「お。ふわっちもうすぐ着くって」
スマホから顔を上げた明那と、ロータリーへ向かう。
「電車?」と尋ねると、明那は斜め上を見て
「タクシーかな」と答えた。タクシー!?
電車もしくは徒歩移動が基本の私は、少しおののく。
大人だ……と呟くと、明那がたははと笑う。
akn「タクシー移動が?」
『そうでしょ! 使わないよ私の生活でタクシーは』
akn「まあ俺も仕事のときくらいしか使わんけどな」
仕事、と言われて、私の膜が固まる。
膜はからだの上に、うっすらと張っている、透明な壁だ。
『……やっぱ活動者って大変?』
ふと、私の口からそれが出る。
え なに聞いてんの。
自分が怖い。制御不能のロボットかよ。
すぐに話を変えよう。答えを聞いたら。
明那は遠くを見つめたあと、私の方を向いてはにかむ。
akn「……楽しいって思う方が強いかな」
『……そうなんだ』
akn「え、ていうか急にどした? もしかして、配信者になりたくなったとか…!?」
『ではない』
違ったかあ、と明那が笑う。
それを見た私は、唐突にタクシー運転手になりたくなる。
あるいは、明那を乗せて走る車に。
行き先を告げる明那の目や声の湿度を知りたいから。
目の前にタクシーが止まる。
降りてきたのは、銀髪……?に、紫とピンクのメッシュが入った男性だった。
これはふわっちさんではないだろう さすがに
と思っていたら、私たちへ向かって歩いてくる。
fw「アキナ、菜央ちゃん〜 来たで〜」
akn「ふわっちありがと、ここまで来てくれて」
『ふ、え!? ふわっちさん!? ええ!? えええ……』
声とあだ名から想像していたイメージと違いすぎる。混乱。
『ふわっちさん、画質、強い』
fw「画質!? 一眼レフってことすか!?」
akn「ふわっちと菜央ってすごい組み合わせなんかもなあ……」
コメント
8件
投稿速度早すぎ.ᐟ無理しないでね.ᐟ
画質強いちょっとわかる、笑 この話もめちゃすこ♡頑張ってね~!東雲様~!無理しないように!(今自分が腹痛だから)
おもろすぎて手が止まらんかったです笑