ハルはふっと視線を外すと、ザックの隣を通り過ぎてベンチに腰掛けた。
「座ろ。こっち、おいでよ」
「……あ、うん」
言われるがままに、ぎこちなく腰を下ろす。
ハルの方を見なくとも、あの大きな目がじっと自分を見つめているのが分かった。
「ごめんね」
ハルの言葉に、ザックは力なく笑った。
「ええねん。僕が……あかんのや」
ため息をつくと、崩れてひび割れた仮面の間から、素の言葉がこぼれ出てくる。
「――僕は、昔からあんまり出来のええ子やなかったから……マムは僕のことで、沢山苦労したんや」
自分は何を言おうとしているのだろう。
「父親もおらへんかったし……小学校ではいじめられて。片親、エセ外人、拾われっ子**************************
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