テラーノベル
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ー注意事項ー
・この作品はwrwrd様の二次創作です。
・本人様とは関係ありません。
・検索避けに協力してください。
・軍パロ、怪我表現などが含まれます。
◇◇◇
駐屯地の食堂は、昼時になると途端に喧噪に包まれる。
金属製のトレーがぶつかり合う音、兵士たちの笑い声、机を叩く仕草までが混ざり合って、空気を熱くしていた。
その中心にいるのは、最近入軍したばかりのrpだった。
彼は要領も良く、誰にでも笑顔を向けられる新人で、まるでマスコットのように扱われていた。
「おいrp!今日の訓練、また満点もらったんやって??」
「はははっそんな、大げさですよ!」
「いやいや、やっぱりお前は期待の星だわ!」
笑い声が飛び交う。
tnが肩を叩けば、shpは目を細めて冗談を言い、utでさえ皮肉を言いながらもどこか嬉しそうだった。
あの理不尽で規則性のないshoの訓練で満点を取れるなんて立派なことである。
身内にも容赦ないsho、更には機嫌が悪いといつもに増して厳しいだろうに。
皆がわいわいと褒めて、rpは嬉しそうに微笑んでいた。
その輪の少し外側に、ciは静かに腰を下ろしていた。
トレーの上には冷めかけたスープと固いパン。箸を動かす速度は遅く、周囲の笑いに合わせて笑うこともできない。
ただ、耳に入る声はやけに大きく響いて、余計に孤独を突きつけた。
「……今日もか」
小さく呟く声は誰にも届かない。
彼がそっと視線を上げても、誰一人として気づかなかった。
話しかけようと口を開きかけても、rpの名前が次々呼ばれ、声は喉に引っ込んでいった。
◇◇◇
食堂を出ようとしたとき、背後で聞こえたのは、気の抜けた数人の兵士たちの声だった。
「なあ、ciさんって外交官だろ?戦場で役に立つのか?」
「さあな。優しすぎて、戦争には向いてないんじゃね?」
「rpみたいな奴がいれば充分だろ。あの人は…まあ、空気?」
「それな。さっきもずっと一人でスプーン見つめてた」
「あの人は優しいんじゃなくてさ、ただ俺らに関心がないだけだ」
「いや、あの人は自分のことで必死なんだろ。ほら、周りと違って劣ってるから!」
その言葉は、刃のように胸を刺した。
歩を進める足が震え、思わず壁に手をつく。
息が苦しい。
否定する声を出したかったが、喉が張り付いたように動かない。
ハハハッと響く笑い声が、更に喉を掴んで絞め潰すように固まる。
空気。要らない人間。
心の奥底でいつも抱えてきた不安が、形になって突きつけられた。
◇◇◇
その夜、ciは訓練場に出て、一人で剣を振った。
汗が滲み、腕が痺れるまで繰り返す。
だが脳裏に浮かぶのは、仲間たちとrpが笑い合う光景ばかり。
「俺なんか…」
声が震える。
いなくても、いいんだよな。
誰もいない夜空に呟きが溶けた。
◇◇◇
数日後、戦争が始まった。
銃声と爆音が響き渡り、空は灰色の煙に覆われる。
外交官であるciは本来なら後方で指揮を補助する立場だったが、混乱の渦に巻き込まれて前線に出てしまう。
「rp、下がれ!!!」
rbの死に物狂いの声に、辺りを見渡す。
煙で邪魔をされつつ、視界の端でrpが敵の銃弾に晒されているのを見つけた瞬間、ciの身体は勝手に動いた。
全身を使って彼を突き飛ばす。
次の瞬間、轟音と共に建物の瓦礫が崩れ落ちた。
鈍い痛み。
足首から下が瓦礫に挟まれて動かない。
必死に腕で押すが、びくともしない。
周囲は戦場の叫びで埋め尽くされ、誰一人としてこちらを見てはいなかった。
「だれか…!!!」
声を張り上げる。
しかし、返事はない。
煙が肺に入り、咳が止まらない。
視界が揺れ、血が喉に上がる。
「rp!!立て!!!一旦体制を立て直すぞ!」
「ぅ"ッ…!!」
「zm!!ありがとうな、走るぞ!!!」
「まッて"!!まっ…て”!!!みん、なァ"!!!」
必死に叫んでも、誰も来ない。
気づかない。
助けてくれない。
「……やっぱり、そっか」
冷たい笑みが漏れた。
ここで死んでも、誰も困らない。
rpは助かった。それで充分だろう。
どうせなら、rpを助けたのが自分であって、それを皆が称えてくれれば悔いはなかったのかもしれないけれど。
地面に頭を落とす。
少し冷たい地面は、自分を落ち着かせた。
痛む足は、何度も深呼吸をすれば痛みを忘れた。
そして、ゆっくりと目を閉じた。
このままここで、消え去ろうか。
rpに罪悪感を与えることもない。
誰の反応も気にしなくていい。
それが良かった。
「おい、w国の外交官がいるぞ」
だが、敵軍の声に、思わず目を開ける。
煙を吸わないためか、顔はガスマスクのようなもので覆われていた。
シパシパと瞬きを繰り返しながら、息が上がるのを感じる。
ほっといてほしかった。
独りで消えたかったのに。
「なんでアンタ独りなんだ」
「…ぇ"、?」
煙を吸いすぎた喉は、声をろくに出さない。
「仲間はどうした。w国が見捨てるとは思えないが」
その言葉が、追い打ちをかけるように胸に突き刺さった。
見捨てたんだ、そのw国が。
切なくなって、苦しくなって、耐えきれなくなった。
震える手で腰のナイフを抜く。
こんな瓦礫の下で、敵にも同情されて殺されるくらいなら。
刃先を自分の首元に当てた瞬間、敵軍の分厚い手が、手首を掴んだ。
すんでのところで、刃先が止まる。
「…外交官、落ち着いて。俺はアンタに恩があるからな」
男は、ガスマスクを取り、ciに付けた。
それから、その瓦礫を退かそうとし始めた。
その姿が、昔の出会ったばかりの仲間と重なる。
涙が溢れて、痛む喉を更に絞めた。
ヒクヒクと呼吸が乱れるのを見て、男は瓦礫を退かすよりもciを安静にさせることを選んだらしい。
注射器を取り出して、ciの腕に刺した。
「これ、睡眠薬だけど、麻酔の効果もあるから。少し寝ててく 「やめろ!!」
荒々しい声が響く。
瓦礫の向こうから、tnとshpが駆け寄ってくる姿が見えた。
男は注射器を押し込んだ後、手榴弾を投げて走って行った。
意識がふわりと薄くなる。
駆け寄ってきたtnは、全力で瓦礫を退けようとしながら、目を怒りと涙で真っ赤に染まらせていた。
shpはciの頭を持ち上げて、固い地面からshpの太ももに乗せた。
ガスマスクは男が逃げる時に持ち去ったらしい。
「ci!!何考えてんねん!!抵抗もせずに、馬鹿かお前はァ!!!!!」
tnの怒声に、ぎゅううと目の奥が熱くなる。
なんにも知らないくせに。
あの男よりも分かってないくせに。
今までよりも1番大きく、嗚咽が漏れた。
「…ッ、っ、ぅ、…ひ”ッぅ、ぐ、ぅぅ、」
ボロボロと零れる涙が、鼻に流れて呼吸を遮る。
むせ返りながら泣くのを、shpが慌てて宥めた。
「…っ、す、すまんっ。言い過ぎたな、辛かっただろうに…」
tnは静かに謝りながら、ナイフを握るciの手を優しく解く。
刃は地面に落ちて音を立てた。
ciの手のひらに爪の跡ができているのを見て、tnは唇を噛む。
「テントに戻ったら、ciがいなくって…俺、ほんと肝が冷えたんやからな…」
瓦礫をどかそうと必死に力を込めるtnの姿に、ciの視界は滲んでいく。
「…っぅ、ぅ、、?な…ん、ぇ」
「ci?おい、ci?どうした、おいッ!!!」
睡眠薬が回ったのか、ciはこてんと力が抜けて眠った。
2人はそんなことを知らず、慌てて瓦礫を退かした。
転がる注射器を見て、shpは息を飲んだ。
「…tnさん、あの注射器」
「まさか、毒か?まずい、早く連れて行かんと!!!」
けれども重い瓦礫は2人かがりでも全く動かなかった。
不甲斐なさに泣きそうになった時だった。
zmやut、そしてrpらが周囲から駆けつけてきた。
目を閉じたままのciを見て、皆が青くなる。
皆が瓦礫を必死に押し上げる。
皆の腕が震え、息が切れる。
やがて重い石が転がり落ち、ciの足がようやく解放された。
血に濡れたciを抱き上げながら、tnは低く呟いた。
「二度と一人にしねぇ…。お前がどれだけ大事か、分かってたのに…ッ」
ciは目の下に赤い痕を付けながらも、柔らかく微笑んでいた。
その表情は痛みに滲んでいたが、確かに安心を含んでいた。
◇◇◇
布の上に横たえられたciは、ぐったりと目を閉じたまま、微動だにしなかった。
灰色の顔色、呼吸の浅さ、握った手の冷たさ。
それが皆の恐怖を加速させた。
「おい、ci!!!返事しろ!!」
tnが肩を揺さぶるが、瞼はぴくりとも動かない。
shpが震える声を上げた。
「や、やっぱりさっきの注射器は…ッ」
「なんや、注射器って。なにがあってん。」
utまで声を荒げた。
「注射器が転がってて、ciは急に意識を無くしたんすよ…ciは、毒に……ッ」
rpは顔面蒼白になり、必死に呼びかける。
「ciさん!!!俺のせいで…俺なんかを庇ったせいで!!!」
「……え?」 tnが息を呑む。
「敵の攻撃で、俺動けなくて…そしたらciさんが俺を突き飛ばして…ッどうやら、背後の建物が爆弾で崩壊してたらしくって」 rpは涙をこらえきれず、声を震わせた。 「そのまま、ciさんが下敷きになって…!!だから…だからッciさんは俺のせいで……」
言葉を失った空気がテントを覆った。
shpが、かすれた声を絞り出す。 「…嘘、やろ、じゃあ…ciが居なくなったのって…」
utが拳を握り締め、唇を噛む。 「…俺たち…ciが自分から消えたとか、もう死ぬつもりだったんやろとか…勝手に…」
自業自得じゃないかと、ため息まで零してしまっていた。
tnの顔は苦悶に歪んでいた。 「俺は…お前が弱ってるのに気づいてやれなかったんやな。それどころか、勝手に…疑ってた…」
皆の脳裏に浮かんだのは、ciの後ろ姿。 気づかぬうちに背を向け、彼を一人に追い詰めた自分たちの態度。 そして、最後の最後まで誰かを守ろうとして、傷ついて横たわっている彼の姿だった。
shpが顔を覆い、かすれ声で呟く。 「…コイツが馬鹿みたいに優しいって分かってたのに…おれは、」
rpは泣きながら首を振り続ける。 「俺なんかのために…ッ、ciさんは…!!」
tnは深く息を吸い、眠るciの額にそっと手を置いた。 「ごめん、ci。俺たちは…最低やった」
その言葉に、誰もが頷くしかなかった。 「げ、か"ッ…がはっ、」
突然ciが痛々しい音で咳き込んだ。
毒が回ってしまったのだろうか。
次々に飛び交う声は、パニックに近かった。
「解毒剤は!?」
「医療班を呼べ!」
「早くしねぇと……!」
「はいはい…静かにね〜」
その混乱の渦を割って、白衣姿のsnが入ってきた。
落ち着き払った足取りでciの脈を取り、瞳孔を覗き込み、腕の針痕を確認する。
数秒の沈黙。
皆の心臓が爆発しそうに高鳴る。
やがてsnは低く、しかしはっきりと告げた。
「…毒ちゃうね」
全員が一斉に顔を上げる。
「…は?」
「どういうことや?」
snは冷静に言葉を重ねた。
「投与されているのは強力な睡眠薬と麻酔。敵はciくんを殺すつもりじゃなかったんかな、どういう意図かは分からへん」
「……ッ、」
胸を掴んでいたtnの肩が、力なく落ちる。
shpは安堵の息を漏らすが、その目は涙に揺れていた。
utは舌打ちして天を仰いだ。
「マジで心臓止まるかと思ったわ…」
rpは震えながら、ciの手を強く握りしめた。
「よかった…でも俺のせいで…ciさんが…」
その言葉に、tnが拳を握る。
「…rpだけのせいちゃう。俺たち全員の責任や。ciに甘えて、放って…気づかんかった」
テントの中に静寂が広がる。
眠ったままのciの呼吸は浅いが、確かに生きている。
その当たり前の事実が、皆の胸に突き刺さる。
shpがぽつりと呟いた。
「……目を覚ましたら、ちゃんと伝えなあかんな。俺たちがお前を必要としてるって」
tnも頷き、utも苦い顔で肩を落とした。
誰もが、目の前で眠るciに向かって心の中で誓っていた。
次は絶対に、一人にしない。
もう二度と、彼を追い詰めない。
揺れるランプの明かりの下で、仲間たちは眠る外交官を囲み、ただひたすらにその目覚めを待ち続けた。
リクエストありがとね😘
コメント
7件
フゥアホァ最高すぎる!!!!敵の人敵だけどナイスすぎる!!
敵!!!!!!!最高かよ!!!何それだれそれ😭😭😭😭😭😭😭ciの優しさが回り回って自分を助けたの本当にいい話しすぎて😭ciがこれからみんなにだーーいじにされるのが容易に想像出来て泣ける😭
マジでciさんの暗い系、胸がギュッてして泣ける‥なんかどんどん小説書くのが上手くなってる!ciさん助けた人誰だ?他の実況者さん?