テラーノベル
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人間を呪うことなど許されない
人間は言葉一つで呪えてしまう。
だから、来る者拒まず去るもの追わず。
そうやって人間界で生きてきた。
俺には前世の記憶がふんわりとある。
確か悪魔だった。
幼少期から人間の脆さを味わってきた。
飛べるかと思って椅子から飛び降りたら
足を捻った。
嫌な奴に目を付けられて魔法を出せるかと思ったら手を伸ばしただけだった。
変な目で見られる俺の傍にずっといる男がいた。
こいつは何度も俺の名前を呼びながら人間の遊びを誘ってくる。
幼稚園の頃からの仲だ。たまには付き合ってやろう。
そう思い度々一緒に出掛けた。
高校最後の日。
桜が咲き始めている。
隣にいるこいつはギャンギャン泣いている。
別に最期なわけじゃあるまいし。
馬鹿にするつもりで頭を撫でるとこいつは嬉しそうにこっちを見た。
その時、遠くから悲鳴が。隣にいるこいつ目掛けてある女が包丁を持って走ってくる。
昔からこいつは女運が悪かった。
今回はメンヘラか。
流石に本気で刺す気は無いだろう。
そう思いこいつの前に立つ。目の前が真っ赤になった。
腹が痛い。さっき食ったアイスか、?
そう思い腹を見た。包丁が刺さっている。
人間は脆い。駄目だな。
ふらりと倒れ、目の前のこいつはまたギャンギャン泣き始めた。
嗚呼、駄目だ。
俺の口でこいつを呪う訳にいかない。
呪えばこいつは死ぬかもしれない。
そう思いながら、世界一優しい呪いをかけた
愛してる
コメント
4件
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!(?) 好き()
やべ、 ちょっと変になったな